畠中恵「しゃばけ」シリーズPresents シャイニングモンスター ~ばくのふだ(Shining編/Shadow編)~の公開ゲネプロが3月12日に行われ、一太郎役の前川優希が記者からの取材に応じた。
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――稽古中の楽しかったエピソードを教えてください。
前川:「こういうの面白いじゃない」と錦織さんが提案してくださったものは、そのまま舞台に乗っていたりします。お客さまに笑っていただけるんじゃないかと思う部分は、みんなで面白がりながら作りました。
錦織さんは色々なお仕事をされてたくさんの景色を見てこられた方なので、(話の中で)ギャグに出てくるお名前が著名人すぎて「笑っていいの…?」みたいになってしまうのがとても印象的でした。
――初めての錦織さんとのお仕事ですが、錦織さんの演出について教えてください。
前川:(演出卓にいるような)前にいていただくことがあまりなくて、袖や後ろの方から全体を見回していたり、耳で聞こえるものを大事にしていらっしゃるなと感じました。僕は、そういう演出家さんは初めてでした。
それから、僕らと同じ目線に立ってくださることがすごく嬉しかったです。一緒に楽しんでくれたり、稽古の中で「どうしようか」となったときに、一緒に悩んで意見を出し合えるという関係が嬉しかったです。
今回のお仕事をいただいて、お名前を伺った時にまさか錦織さんとこうしてディスカッションができるような現場になるとは想像していなかったので、錦織さんがそういう空気を作ってくださったのかなと思っています。
――座長の立場として、個性的なカンパニーの皆さんの中をまとめられた苦労などはありましたか。
前川:自分の役を作り、大切にして、遊びをたくさん作ってくださる方が多かったので、「まとめる」というよりは、つぶさずに活かしていました。そのままの空気がお客さまに喜んでいただけるのではないかということを念頭に物語を作ってきました。
錦織さんが僕に「この現場には本当にいい子しかいないね、本当に楽しいよ」と言ってくださって、それがすごく嬉しかったです。でもそれは僕しか聞いていなくて、独り占めしようと思って誰にも言っていなかったんですけれど(笑)。
そう思ってくださっているのも嬉しかったですし、僕もそう思っています。この作品で主演をさせていただくにあたって、このカンパニーで良かったなと思っています。
僕はこのカンパニーで最年少で、まだまだ知らないことも多いですし、技術的にも足りていないことが多いです。おんぶに抱っこにはならず、皆さんと手を取りつつ、皆で作り上げる作品にしたいです。
稽古が始まる前に、井澤(勇貴)さんに「あまり、“座長として!”みたいなものを背負い過ぎないでいいよ」と言っていただいて、それがすごく頭に残っていて気軽になれたかなと思っています。
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錦織一清が演出を務め、前川優希に加え、井澤勇貴、小沼将太、反橋宗一郎、磯貝龍乎、阿部大地、真城めぐみが出演する同舞台。3月13日(土)~21日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!で上演。
取材・文:広瀬有希
撮影:ケイヒカル
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