2019年12月5日(木)より、天王洲銀河劇場にて「テイルズ オブ ザ ステージ-光と影の正義ー」の公演が始まる。
この舞台は、人気RPG『テイルズ オブ』シリーズの舞台化3作目で、題材タイトルはテイルズシリーズの中でも屈指の人気を誇る「テイルズ オブ ヴェスペリア」だ。
11月21日(木)、都内で舞台の公開稽古とユーリ役の吉澤翼・フレン役の加藤将への囲み取材がおこなわれた。
芝居はもちろん、ダンス、アクションなどの要素が詰まった舞台稽古と、キャラクターへの思い入れや愛などをたっぷり語った様子をお届けする。
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目が足りなくなること間違いなし!目を見張る群舞、派手で激しいアクション
公開稽古では、オープニング、ラゴウ邸、騎士団本部、ケーブモック大森林、貴族街、の5つのシーンが披露された。「鐘を鳴らして」の歌詞を復習してから観劇に臨みたいところだ。
稽古前、入念なストレッチや縄跳びなどでキャストたちが身体をほぐしていた。「いててて!」と悲鳴や笑い声があふれる楽しい現場だ。
天井が高く、体育館半面ほどもある広い稽古場がフルに使われる。左右だけではなく奥、手前も。「みなさんに当たっちゃう」と急遽カメラ位置が下げられるほど、客席に近いギリギリの位置でおこなわれる迫力あるアクションに思わず息をのむ。
演技、ダンス、アクション。バトルシーンでは目が足りなくなること間違いなしだ。武器の数々や音楽、プロジェクションマッピングにも注目してほしい。
情報量の多いショット。ラピードは「擬人化」ではない。人とは思えない動きに驚くだろう。
吉澤翼の殺陣は洗練されたクールな動きで、剣さばきが華麗だ。しなやかな鞭のような動きに目を奪われる。手足が長くアクションの大きな加藤将は、非常に舞台栄えする俳優だ。マントをなびかせて動くところを早く見てみたいと感じた。
男女問わず身体能力の高いキャストたちが、まさに全身でテイルズの世界を表現している。稽古の様子は公式SNSでもまめに更新、12月2日(月)20:30~は、ニコ生で特番放送も決定しておりこちらも楽しみだ。
公開稽古の後、ユーリ役の吉澤翼とフレン役の加藤将による囲み取材がおこなわれた。2人の、キャラクターに対する深い思い入れの話が聞けたため、ほぼノーカットで会見の様子をお届けする。
「新しいキャラクターを演じられて嬉しい」キャラクターと原作への愛が詰まった囲み会見
この日は、吉澤も加藤もキャストおそろいのTシャツ姿。白バージョンと紫バージョンがあるようだ。
――稽古が始まりましたが、お気持ちはいかがですか?
加藤:今、クライマックスのシーンを作る稽古をしています。それが終わったら頭から詰めていく感じです。今日は久しぶりにやったシーンも多くて緊張しました(笑)。オープニングのダンスをもっと練習して、ミスらずに踊れるように頑張っていきます。
――この作品のテーマや見どころ、伝えたいことなどを教えてください。
吉澤:まず、ユーリとフレンの友情の話です。ユーリとフレンは心の中に強い芯があって、ぶつかりあったりもするけれど、お互い信じあっています。
加藤:それから正義。ふたつの正義があります。フレンとユーリは、思いは同じだけれども別の道で世の中を良くしていこうとしています。フレンは騎士団の中に残り、ユーリは別の道へ進むんです。
吉澤:ユーリ含め、登場するキャラクターが、いろいろな出会いを通じて成長していきます。みんなそれぞれ何かを抱えているんですね。ユーリはギルド(人々の集まりのようなもの)を作っていろんな壁にぶち当たったりもします。
加藤:人間ドラマがぎっしりと詰まっています。世の中の、どうしても乗り越えられない壁とか……。社会の仕組みやそういうものを変えようとするドラマでもあると思っています。中から変えようとする人がいて、外から変えようとする人もいて。
タイトルにもある「光と影の正義」。最初に脚本を読ませてもらったときに、フレンが光でユーリが影なのかな、と勝手に思っていたんですが、フレンも影であり光でもあります。
ドン・ホワイトホースとアレクセイも、どちらが光か影か正直分かりません。見る人それぞれの考えで、見方も違うようになっていくのかなと感じます。
――稽古場の雰囲気や、舞台裏のちょっとしたエピソードがあれば教えてください
加藤:稽古場にね、指定席があるんです。最初は席が近い者同士でしゃべっていたんですけれど、今はもうみんな巻き込んでわいわいやっています(笑)。
吉澤:ダンサーやアンサンブルの皆さんとも仲良しです。最初に「みんなで仲良くやりたい」と思っていたので、今とても良い環境です。でも、オンオフはしっかりやっていますね。
――ユーリとフレン、それぞれのキャラクターの好きなところや、魅力について教えてください。
吉澤:ユーリは、困った人を見捨てられない人です。とても人間味があふれていて、一見「俺はいいよ」というように見えるけれど、実は自分の中に強い信念を持っています。
下町のため、困っている人を助けたい。自分よりも相手のことを考える、というところが魅力的だと思います。僕もそういう人になりたいですね。
加藤:僕のフレンに対する第一印象は「二枚目のしっかりとした騎士」でした。でも、見た目はそうだけれど中身は全然そうではないんです。
騎士の鎧を着て、騎士という立場だからこそ、思っていることや言いたいことがあるけれども伝えられない。でも、ユーリにはそれを伝えられるんですよね。
自分は騎士団に残って、騎士団を中から変えたいと思った。騎士としてのしがらみがたくさんあって、ストレスをためながらも出世していく。すごく葛藤があります。
だから、フレンの鎧がはがれる瞬間ーーたまっているものが開放される瞬間ですね、そこはすごく見どころです。
フレンという人を知れば知るほど、すごく人間味があると感じます。完璧な男だと思っていたけれど全然そうではなくて、不器用で人情味がある。素敵なキャラクターです。
――この舞台の中で、お2人が新しくチャレンジしたいことは何でしょうか?
加藤:「テイルズ オブ ダイエット」だよね(笑)。
吉澤:そう、消費カロリーがすごいので体重が2キロ落ちました。戦ったりダンスしたりがすごく激しいんです。
加藤:ユーリは、フレンが出ているシーン以外はずっと舞台に出ているんです。僕は座ってお芝居を見ていることもあるんですけれど、翼は休む時間が全然ありません。
水飲んで飯食ってまた出る、みたいな本当に出ずっぱり。こりゃ2キロやせるなぁって思いました。
吉澤:それから、ユーリが左利きなので左での殺陣が難しいです。最初不安だったんですけれど徐々に慣れてきました。
加藤:これまでは、かっちりとした役が多かったのですが、フレンは新しいキャラクターですね。かっちりとしつつも自分の気持ちをまっすぐに出したり、葛藤して出せなかったり……。
フレンから学ばせてもらうものが多いです。役者として、新しいキャラクターを演じることができて嬉しいです。
殺陣も、苦労している点がたくさんあります。鞘がすごく大きくて長いんです。足の長さと同じくらい。左手で鞘を持っていたら指がつりそうになるし、納刀も大変です。膝を曲げると鞘が地面についてしまうので、鞘さばきも難しい。
衣装や武器で苦労するというのは、こういう作品のあるあるだと思います(笑)。
実際にフレンも膝を曲げたら鞘が当たると思うので、そういう部分もリアルに表現していかれたらいいですね。まだ衣装つきで稽古していないのですが、座るときにマントをバサッとしてみたり。そういうことも、色々試しながら今から意識してやっています。
――舞台への意気込みをお願いします
吉澤:稽古をしたものがそのまま本番に反映されて出ると思っています。今、キャスト、ダンサー、アンサンブルのみんなで一緒に頑張っています。一日一日の稽古を大切に、全力で。
お客様にこの舞台の世界をしっかりお届けして「もう一度観たい!」と思ってもらえるように頑張ります。
加藤:「光と影」というタイトルは、観ていただいたお客様ひとり一人に、いろいろと考えさせられるワードとなると思います。オープニングの「鐘を鳴らして」にも光と影という歌詞が出てきます。
話の中で、何が正義なんだろう、と考えることがたくさんあると思います。僕たち登場人物も「何が正義なのか」と考えて戦い続ける話です。
この舞台は、一度だけではもったいないです。それぞれのキャラクターの目線で観るだけではなく、アクションシーン、ダンスシーン、見どころがたくさんあって目が足りなくなります。
光と影、そして正義について考えながら何回も見て、この作品を愛していただけたらと思います。そうしたら続編もやりたいですね!(笑)。
吉澤:勝手に言ってる!(笑)。
加藤:映画や小説もあるじゃないですか、ユーリとフレンの過去の話も。(2009年劇場版・小説版は各キャラのスピンオフなど)
この作品をいい作品なんだよって、見てる人たちに全力で届けたいです。舞台のファン、僕たちのファン、原作のファン、皆さんに愛される作品を、座組みんなで作っていきたいと思っています。ぜひ観に来てください!
「テイルズ オブ ザ ステージ-光と影の正義ー」は、2019年12月5日(木)より天王洲銀河劇場にて上演される。
2つの正義、対となる光と影。葛藤し、悩み苦しむ登場人物たちによる重厚なストーリーと華麗なアクションなど、見どころが盛り込まれた舞台だ。1995年「テイルズ オブ ファンタジア」から続く人気シリーズの舞台化3作目。シリーズではあるが、個別作品であるためこの舞台単独でも楽しめる。
キャストたちの愛と熱が詰まった「テイルズ オブ」の世界を、ぜひ劇場で体感してほしい。
©藤島康介©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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