レポート

珠玉のエンタメ作品 Patch stage『カーニバル!×13』観劇レポ 縦横無尽の痛快アクションに注目

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劇団Patchメンバーの「お祭り騒ぎのどエンタメを」の気持ちが込められたパチステことPatch stage vol.13『カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!』が2019年10月31日(木)、東京のシアターサンモールで幕を開けた。

2019年の劇団Patchは、劇団旗揚げから彼らを誰よりも近くで見守ってきた演出家・末満健一氏のTRUMPシリーズを、Patch × TRUMP series 10th ANNIVERSARY『SPECTER』という形で上演。

大阪では森ノ宮ピロティホール、東京では本多劇場での公演を成功させた。

先日おこなったメンバーへのインタビューで、松井勇歩は「大きな劇場で上演できたことはありがたいことだが、その次の公演こそが大事」と語っていたのが印象的だ。

本拠地の関西ではもちろん、東京での知名度もぐんぐんと上がっているこのタイミング。劇団としても、とても大切な時期だろう。

インタビューをしたメンバーたちから感じられたのは、「だからこそ、自分たちらしさ全開の、直球どエンタメで勝負したい」という想いだった。

今回は、そんな想いをのせて開幕した「カーニバル!×13」の魅力をお届けする。最後には「2.5ジゲン!!」の読者に向けて、松井勇歩・近藤頌利の2名からのスペシャルコメントもあるので、こちらも併せて楽しんで欲しい。

※ビジュアル撮影時のインタビューはこちら
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殺陣の異種格闘技戦! 縦横無尽の痛快アクション

“どエンタメ”に欠かせない要素はなんだろうか。「楽しい」「面白い」といった感性は人それぞれなので、コレという正解はないかもしれないが、筆者が劇団Patchの作品を観ていて感じるのは“痛快さ”である。

それがより色濃く出ているのが、今回の「カーニバル!×13」だろう。

今作の舞台は、“月天獄土”と呼ばれる月の牢獄。後世までその名を轟かせた“罪人”たちによる、最後の1人を賭けたデスマッチの様子が描かれている。

デスマッチというからには、とにかく戦うのだ。

勾配がついたいわゆる八百屋舞台の上、開幕直後から繰り広げられる戦いに次ぐ戦いに、目は休む暇がない。

W主演のひとり松井勇歩が演じる無銘や岡田以蔵(演:星璃)の日本刀をはじめ、ビリーザキッド(演:吉本考志)やドク・ホリデイ(演:尾形大吾)の銃に、チンギス・ハーン(演:近藤頌利)の唐人剣、武蔵坊弁慶(演:藤戸佑飛)の薙刀、斉天大聖孫悟空(演:井上拓哉)の如意棒まで飛び出す。

多種多様な武器や格闘スタイルが入り乱れる様は、さながら殺陣の異種格闘技戦である。

各武器の特性、それを使うキャラクターの性格や動き方。時代も国も違う“罪人”たちを、アクションというひとつの本流に組み込みながらも、各キャラクターの“個”を生かしていたのが印象的だ。

殺陣師・星璃の真髄が詰め込まれた、圧巻のアクションシーンは、今回の“お祭り騒ぎ”の軸となっている。

なかでも、無銘と岡田以蔵の居合から始まる一連の殺陣は見ごたえがある。同じ日本刀同士の戦いだからこそ生まれるテンポ感が心地よく、そしてそれを寸分のズレなくこなして見せる2人の動きに鳥肌が立つばかりだった。

繰り返しになるが、圧巻という言葉では足りないくらい、ものすごい手数の殺陣が繰り広げられるのだ。

劇団のメンバーだけではない。6人のアンサンブルも、後半では“罪人”としての名が明かされてデスマッチに参加していくのだが、その様子がまるで「この祭りを楽しんだ者こそが、この物語の主人公だ」と無言の叫び声を上げているように感じられた。

それはもっと広い意味で捉えれば、“月天獄土”だけでなく、観ている我々にも当てはまることなのだろう。

「嫌なこともこの空間では吹き飛ばして、一緒にカーニバルしちゃおう」そんなメッセージが受け取れるのではないだろうか。

多様なキャラクターたちが示す、“戦う方法”の在り方

先ほどから見応えのあるアクションについて紹介しているが、違った戦い方をする者たちもいる。諸葛亮孔明(演:竹下健人)や、日替わり出演のブルータス(演:中山義紘・三好大貴・納谷健)、そしてもうひとりの主人公・ウラ(演:田中亨)である。

諸葛亮孔明はその頭脳を武器に知略を巡らせ、ウラは天真爛漫な笑顔で“罪人”たちの中で異色の存在感を放っている。ウラの謎に包まれた正体については、ぜひ劇場や公演DVDでその目で確認してみて欲しい。

さらに、キャストが日替わり出演のブルータスは、たった1日限りの出演でも爪痕を残すキャラクターの濃さである意味勝負をしている。三者三様のブルータスに仕上がっているので、3パターンのブルータスを観ることができたファンはラッキーだろう。

月での生き残りを賭けたデスマッチは、戦力ですべてが決するわけではない。そもそも、とうの昔に死んで月に送られた彼らに“死”はなく、ここでいう“死”とは“心が折られてしまうこと”なのだ。

だからこそ、正攻法の戦い方とはまた違った、自分なりの方法で活路を見出そうとするキャラクターも出てくる。それがさらにこの作品の“エンタメ性”を深めているといえるだろう。

まさに「全員がメイン」。観終わった後に、そう感じられたほど、各キャラクターの内面もしっかりと照らし出されており、それぞれに愛着を持つことが出来た。

一見するとキャラの大渋滞が起こって、「このキャラってどんな人だったっけ?」ということが起こりそうだが、それがまったく起こらなかった。

これは、劇団員個人が培ってきた高い水準の表現力と、劇団Patchとしてのチームワーク、そして今作の脚本・演出を手がけた細川博司氏の手腕が、ピタリとはまったからに他ならない。

個の技術と劇団のチームワークが生み出す、珠玉のエンタメ作品「カーニバル!×13」

“カーニバル”という名のデスマッチの末、“罪人”たちはどうなったのか。その結末は読者自身の目で確かめてほしいのだが、観た人はきっと夜空に浮かぶ月を眺めて彼の地“月天獄土”を思い出すだろう。

もしくは、餅をつくウサギを目にして、彼らが杵を手にとった理由を思い出すだろう。

劇団Patchの芝居は劇場で元気をくれるだけに留まらない。月が毎夜地上を照らしているように、彼らが舞台上で届けてくれたパワーは、ふとしたときに観客の心を照らしてくれるのだ。

アクションを軸にコミカルなシーンの軽やかさと、シリアスなシーンの重みが心地よいPatch stage vol.13『カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!』は、いまの彼らの勢いをそのままに見事な“どエンタメ”作品に仕上がっていた。

気が早いかもしれないが、この作品を経て、次のパチステではどんな姿を観せてくれるのか。劇団Patchの次なる進化に、期待は高まるばかりである。

撮影:堀川高志

キャストコメント


【松井勇歩】
劇団Patch の松井勇歩です!
劇団Patch 史上かつてないチャンバラエンターテインメントを今月の10日まで大阪は福島にあるABC ホールにて上演しております。
タイトルは「カーニバル!×13」。観劇後はタイトルの通り、お祭りに来たような感覚になっていただけるんではないかなと思っております。
まだ劇団Patch 作品を観たことがない方は是非!この機会に劇団 Patch を体感しに来てください。
劇場でおまちしております。


【近藤 頌利】
チンギス・ハーン役の劇団Patch 近藤頌利です。
「心が折れた者が敗者」という設定の戦いをしています。
僕は現実へのメッセージが込められてるとも思っています!
心折れずに前を向いて生きていこう!
明日も頑張ろう!
そんなポジティブな気持ちに、活力がみなぎるような作品になったと思います!
劇団Patch 共々これからも前を向いて頑張りましょう!!

公演情報

タイトル

Patch stage vol.13「カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル! カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!」(略称:カーニバル×13)

脚本・演出

細川博司(バンタムクラスステージ)

公演日程・場所

【東京】
2019年10月31日(木)~11月3日(日)【全6回公演】
シアターサンモール
(東京都新宿区新宿1-19-10 サンモールクレストB1)

【大阪】
2019 年11月6日(水)~11月10日(日)【全7 回公演】
ABC ホール(大阪府大阪市福島区福島1-1-30)

出演

田中 亨

近藤頌利

吉本考志
藤戸佑飛
尾形大吾
井上拓哉
竹下健人
星璃

松井勇歩
ほか
*回替わり出演として、中山義紘、三好大貴、納谷健がいずれかの公演で出演予定。

チケットについて

公式サイトを参照

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