2019年6月26日(水)、誰ガ為のアルケミスト 舞台版「聖石の追憶」が幕を開けた。
大人気シミュレーションRPGゲームの舞台版として注目されたこの作品のゲネプロの様子と、ゲネプロに先だって行われたフォトセッションと囲み取材の様子をお届けする。
もくじ
それぞれの誓いと正義を胸に。終わりの無いゲームの舞台が幕を開ける。
▲勢ぞろいした聖教騎士団の面々。重厚でありながら華やかだ
▲果てしなく二次元に近いビジュアル。アクションに耐える衣装も細かい所まで作りこまれている
▲クダンシュタインが闇の力を欲し闇にとらわれそうになるシーンでは、橘龍丸の演技と照明の効果に引き込まれる
▲ゲーム実装間もない新キャラクター・クウザとクダンシュタインの関係性は? 三浦海里のクウザは男らしく、少しべらんめえで最高に粋だ
▲観客にもキャストにも、周りに光のパワーを与える元気キャラの花影香音のカノン。ミラクルカノンスラッシュにも注目してほしい
▲オライオンもまた、自らの信じる正義のために武力をもって他を鎮圧する。小笠原健の「出てきただけでラスボス感」に圧倒される
原作ゲーム「タガタメ」プロデューサー・今泉潤は「寄せ過ぎなくていい。2.5次元ぽくない舞台にしたい」と語っていた。
舞台を見ればなるほど、と感じるだろう。人気キャラクターたちにそれぞれの役者の個性が乗り、公式でありながらまったく新しい「タガタメ」になっているのだ。
原作の、画面の中のゲームとしての良さや効果はそのままに、舞台で人間が演じることで、あらかじめ抱いていた期待と望んでいた理想どおりのものを、そしてさらにはそれを上回るものを与えてくれる。
「よく動くキャスト揃い」と稽古前の会見や取材でも語られていたように、演技・アクションともに実力を持った役者が揃っている。
特にそれを感じるのが、動きに「和」を感じる時だ。とにかく所作が皆美しい。
話題と注目のアクション、殺陣。速さ、そして美しさとストーリー感
▲白い衣装をなびかせてエクスカリバーをふるう中村誠治郎。気迫と美しさに思わず鳥肌が立つ
振付に入った中村誠治郎は「この舞台はストーリーがしっかりしている。そして、殺陣にもストーリーを」と語っていた。
舞台を見れば、その言葉の意味に納得する。
剣のふり方、槍の扱い方、キック、それらすべてがキャラクターらしく「これまでどのようにして戦ってきたのか」さらには「今どんな心理で戦っているのか」が手に取るように分かる。
手数が多く、そして動きが速い。飛び、跳ね、斬りかかる。7人の舞踏兵団が数十人もの大軍にも感じる。
▲山口大地のバシーニは、カンストした素早さと無邪気さ、ほんのり漂う惨忍さが魅力的
▲画面から抜け出てきたと見間違うほどそのままのオーティマ・遊馬晃祐
息もつかせぬアクションの合間、日替わりのお楽しみコーナー
シリアスな展開、激しいアクションの合間にも、時々くすりと笑えるセリフやシーンが組み込まれている。
その最たるものが通称「ザインの部屋」だ。
▲毎公演、誰が犠牲になるのかSNSでレポートを探してほしい
ゲネプロでは伊勢大貴のモンゼインとオーティマの組み合わせでおこなわれた。反応の得られにくいゲネプロではオーティマいわく「地獄」ということだった。
終わりの無い物語はどのようなラストを迎えるのか?
誰ガ為のアルケミスト 舞台版「聖石の追憶」は、2019年6月26日(水)~6月30日(日)まで、東京銀座、博品館劇場にて上演中。
初日ゲネプロ前・囲み取材
ゲネプロに先立ち、フォトセッションと囲み取材が行われた。登壇者は、キャストとプロデューサーの今泉潤。
――今年は、プロジェクトタガタメイヤーということで、映画・舞台と多方面で盛り上がっています。そんな中、今日の舞台初日を迎えられてのご感想をお聞かせください。
(※プロジェクトタガタメイヤーとは舞台版と劇場版と小説版がゲームと連動する最新プロジェクトのこと)
今泉:ユーザーさんに色々な体験をしていただこう、と映画・舞台・小説、さまざまなことをやっております。
ゲームユーザーさんにとって「家でやるものと赴くもの」という意味で、舞台は真逆とも言える媒体です。しかし、人が演じる舞台ならではの熱いものをエンタテイメントとしてお届けしたいです。
小笠原:今泉さんの情熱があってここまで来ましたよね。みんなでそのパワーに引っ張られ、お酒を飲みながら「もっとこうしよう」「ああしよう」と意見を交わして、今日のこの初日を迎えました。
橘:一度台本読みが終わってからも、さらによくするためにと今泉さんが台本を改めて考えてくださったりしました。
キャスト陣で意見を出し合ったり、振付に(梅田)悠さんや(中村)誠治郎さんが入ったりと、全員で力を合わせて出し切って、ここまでやってきたので、絶対に皆様に楽しんで頂けるものができたと思っております。
――個性的な衣装も素晴らしいですね。それぞれの衣装の見どころやお気に入りポイントなどがあれば教えてください。
今泉:僕は今日、オーダーメイドの夏仕様のジャケット……
キャスト陣:違う違う!(場内爆笑)。
橘:ちょっと民族っぽい部分と、聖教騎士団の団長っぽい威厳を保つような、とげとげしい部分が個性的ですね。
花影:カノンの衣装は、キラキラした星が描かれていてそこがポイントです!
末永みゆ(演・カグラ):カグラはちょっと露出も多くてセクシーですよね。チハヤとクウザと似たような、和っぽい部分も気に入っています。
三浦:僕は……ぶかぶか感が(場内爆笑)。
あとこの龍がかっこいいと思います。
遊馬:ターンすると中のひらひらや模様が見えるところが好きです。たくさん舞台上で見せていかれたらな、と思います。
小笠原:僕は皇帝なので赤色を多めに……髪も目も赤いんですけど(場内笑)。
中村:僕は対極的に白で。自分の中の黒い部分をすべて覆い尽くしてくれてますね。聖教騎士団の団長なので、光をイメージできたらなと思っています。
ーー三浦さんにお聞きします。今回の舞台のクウザはどのようなキャラクターとして作られていますか?
三浦:クウザは最初「任侠感」で作っていたのですが、だんだん稽古を進めるうちに任侠と言うよりは「粋」な男として表現するようになっていきました。
その魅力を舞台上で伝えられたら、と思います。
今泉:海里が演じる最高にかっこいいクウザというのを探っていった感じですね。
ーー中村さんにお聞きします。殺陣の見どころを教えてください。
中村:多くのキャストが入り乱れる乱戦が多いのですが、ち密に立ち位置などを計算して怪我が無いようにしています。
また、殺陣と物語が分離しないように、ストーリーを重視した殺陣をつけているので、気持ちを込めて見入れると思います。
ーー舞台の見どころと、ファンへのメッセージをお願いします。
今泉:ゲームをやっている人しか分からないものを作っても意味が無い、と思って作りました。
誰が見てもエンタテイメントとして分かる、何か持って帰れる、そしてもちろんゲームユーザーさんの期待を裏切らないように、キャストは演技と殺陣を重視して選びました。
みんな熱いやつらばかりです。舞台を見ていただければ、みんなでああでもない、こうでもないと話し合っていた様子がよく分かると思います。
僕はとにかく熱い芝居が好きです。そして、そんな熱い芝居を目指して作りました。
舞台が初めての方も、今まで舞台をたくさん見てきた方も、何か新しい体験ができるのではないかと思います。
橘:このカンパニー、誰一人欠けてもこの舞台は完成しないと感じる時が多々ありました。
それぞれのキャラクターが持っている正義やキーワード、誓い、そこがどのように描かれているかが大事な見どころです。
聖教騎士団とオライオンの戦いがどのような結末を迎えるのかという部分を見ていただければと思います。ビジュアル的にも、とても「絵」になる舞台です。
ゲームユーザーではない方にも楽しんで頂ける内容になっていますので、ぜひ劇場へいらしてください!
広告
広告