大人気シミュレーション(タクティス)RPGゲーム「誰ガ為のアルケミスト」が舞台化される。
稽古真最中の現場にて合同取材が行われた。登壇者はプロデューサーの今泉潤、脚本の宮城陽亮、5名のキャスト。
舞台にかける意気込み、見どころ、なぜ「聖石の追憶」なのか、などがたっぷりと語られた様子をお届けする。
※オライオン役小笠原健は会見欠席
「舞台」でなければならなかった理由―新しいタガタメを知って欲しい
――まず自己紹介と、この舞台にかける意気込みをお聞かせください。
今泉潤:今泉P役の今泉です。
(場内笑)
ゲームとは違う形のエンターテインメイントの体験を、ゲームユーザーの皆さんと舞台を観に来てくださる皆さんにお届けできるように頑張ります。
宮城陽亮:脚本・演出の宮城です。
心に衝撃として「刺さる」くらいの思い出を残せる舞台にしたいと思っています。
橘龍丸(クダンシュタイン役):主役を演じさせていただくのが本当に光栄です。
カンパニー一同全力で、皆さまに楽しんでいただけるように頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。
花影香音(カノン役):カノンはとても元気なキャラなので、自分の元気さを役に投影していきたいと思っています。
このような大きな舞台は初めてなので、周りの皆さんの立ち回りなどを見て吸収していきます。
三浦海里(クウザ役):クウザは新しいキャラクターです。
だからこそ他のキャラクターよりも自由度が大きいので、動きなども模索しながら役を作っていきたいです。
逆に僕の演じたクウザがゲームに反映されたら、くらいのつもりで作品を盛り上げられるように精いっぱい頑張ります。
末永みゆ(カグラ役):カグラはツンデレなので、ツンツンしながらもアクションも一生懸命頑張ります!
中村誠治郎(ザイン役):「生物(なまもの)」である舞台を劇場までお客様が見に来てくださる以上、ゲームユーザーの方はもちろん、ゲームを知らない方にも何かひとつでも与えて、お届けできるように頑張ります。
――今回、なぜこの「誰ガ為のアルケミスト」を舞台化されたのか、また「聖石の追憶」を選ばれた理由について教えてください。
今泉:我々コンシューマーゲーム世代は「終わりがある(エンディングのある)」ゲームで育っています。
「物語には終わりがあるから思い出に残る」とすごく思っているんですが、こういうアプリのゲームは終わりが無いから、思い出に残りづらいんですよね。
タガタメは今丸3年……、4年目に入った運営で、ゲームアプリとしては長く古いものになっています。
多くのユーザー様に愛されているわけですが、ここで思い出としてひとつ、強烈な体験をゲームユーザーにしていただきたいなと思いました。
ゲームとは真反対のエンタメである演劇を選んだのは、生身の人間が演じている演劇は中毒性の高い物だと思っているからです。
ゲームは二次元の世界。だからこそ、演劇で作られたタガタメを見ていただきたいです。
「聖石の追憶」はゲームの中でもとても人気があり、個性の強い人気キャラが多く出ています。
ゲームのストーリーをそのままなぞるわけではありませんが、ゲーム・映画・舞台と相乗効果で新しいタガタメを知って頂けたらと思っています。これもまた一つの公式だな、と。
アプリのソーシャルゲームは、コンシューマーゲームとは違い「ゲームとしてのストーリーエンド」が用意されていることはほとんど無い。
通常ストーリーの他に用意されているイベントやクエストをクリアすることで小さなエンドを体験はできるが、物語としての大団円的なエンディングは体験できないのだ。
「聖石の追憶」を新たな視点で舞台化することで、観客は強烈なひとつのストーリーエンドを体験することになるだろう。
※コンシューマーゲーム=家庭用ゲーム。ストーリーもののRPGであれば、ドラクエ・FFのように「エンディング」が用意されそこでゲームとストーリーが終わるようになっている。
ストーリー、衣装、武器……ユーザーの思い入れを形にする苦労と楽しみ
――原作はとても熱いストーリーなのですが、舞台はどのようなものにと思われていますか?今回は「聖石」をカノンではなくクダンシュタインを中心とした話にされているということですが……
宮城:舞台では、ゲームとは違うクダンシュタインの顔を見せたいです。
彼は原作だと、いつも騙されたり怒ったり、仲間からも距離を置かれたりしてすごくかわいそうなキャラなんですが、仲間や友情といった、あたたかい絆に包まれた時期もあったことを書きたいですね。
「こんなクダンシュタイン見たことが無い」と、今までのクダンシュタインとは違う、新しい面が見られる、そういうところを推していきたいです。
橘:ゲームでは語られていない部分、明らかになっていくクダンシュタインとクウザの関係性、クウザがいることによって出る、ゲームでは見られないクダンシュタインの一面、……やりがいのある話です。
僕の演じるクダンシュタインだけではなく、キャラクターがそれぞれに強い個性を出しています。
ゲームユーザーの方も、ユーザーではない方も楽しめる物になっています。楽しみに見に来てください。
今泉:タガタメは、物語をとても大事にしているゲームです。
世界観やキャラクターなどにもユーザーさんが強く思い入れを持ってくれています。
それが舞台になる、役者が演じる、人間が演じることで、ある種、同じ作品でありながら別のものになると思っています。
ゲーム×舞台、キャラ×役者たちのかけあわせがどのような化学反応を起こすか、僕もまだ分かりません。
僕もいちユーザーとしてこの舞台化を楽しみにしています。皆さん一緒に楽しみましょう。
魔闘槍鬼・闇属性のクダンシュタイン。闇落ちのイケメンと言われる人気キャラの過去に何があったかを知ることができる本作、ストーリーが気になるところだ。
ーーキャラクター、衣装、武器の見所などを教えてください。ファンタジー世界なだけに、皆さん武器がとても個性的ですよね。
橘:僕の武器は槍です。(武器を手に)こう、イメージにある通常の槍よりも穂先ががっつりとして斧のように広くて、柄のお尻の方にも刃がついています。だから戦い方も独特になります。
衣装は、ビジュアルには出ていないんですが足の甲の部分(足首からすねを守るような装飾)がすごくて、この角(つの)のようなものがあるからひざまずけないんです、刺さっちゃう(笑)。
キャラとしてはやっぱり、クウザとの関係性がドラマチックです。
本来このイベントはカノンが主役なんですが、それをクダンシュタイン視点にしているので、この時にカノンはどう動いているのか、という所も見どころです。
三浦:僕は鍔(つば)の無い形の日本刀のような任侠刀(灰琥左文字)ですね。
まだできあがっていないので手にしてないんですが、とてもシンプルです。衣装はだぼっとしています。だぼだぼの服が好きなので嬉しいです。
あと、顔の傷をどこにつけるか問題が発生して。撮影をする時、傷がついたらすごくカッコよくなりました(笑)。
今回出ているキャラは、クールな人物が多いです。だから僕はクールでもあり熱くもあるキャラでありたいです。
何よりも、クダンシュタインの人生に大きく関わっているので彼に強い影響を与えられるようなキャラに作り上げていきたいと思っています。
ビロードのような深い赤をベースとした衣装、細かく豪華な龍の装飾、煙管など、細かい所も丁寧に作りこまれている。
中村:僕はこの「エクスカリバー」です(武器を手に)。
ゲームでの大きさそのものを再現して殺陣をするのは物理的に無理だって言われてしまったので、実物よりは短いんですが、芝居で長く見せます。けっこう重いですよ。
キャラの研究をするために、ゲームはだいぶやりこんでいます。キャストの中で誰よりも。ザインはもちろんマックスです。
キャストは動ける子がとても多いです。今回僕は振り付けには入っていないんですが、殺陣に注目して頂ければと思います。
撮影では、みんなにカッコいいって言ってもらえました(笑)。
「イケメン!」「イケメン!」とキャストから声が飛び、さらに和やかな空気に。
戦国BASARAシリーズなどでの華麗なアクションと殺陣で知られる中村がどのようにエクスカリバーをふるうのかにも、ぜひ注目したい。
花影:カノンの発言や行動で、他のキャラクターがどう変わっていくのかに注目して欲しいです。必殺技のミラクルカノンスラッシュをどこで使うのか、ぜひ楽しみにしていてください。
撮影では、マントを綺麗に見せるためにいろいろ工夫をしました。剣をふるっている躍動感とひらひら感を再現するのにずっと風を送っていて、糸でつってもらったり(笑)。苦労がたくさんありました。
稽古では、今誰と戦っているのか? と、そういう意味付けをしながら殺陣をするのが難しいです。カノン頑張れ! と思っていただけるように頑張ります。
末永:稽古は絶賛苦戦中です(笑)。
言われていることはわかっているのにそれができない自分にイライラしてしまって……カグラに助けられながら頑張っています。
普段はカノンとわちゃわちゃしているんですが、ワダツミの女王の娘なのでキメるところはキメていきたいです。
カグラの衣装はけっこう露出が大きくて、背中も全開きくらいな感じです。とってもセクシーなので、楽しみにしていてください。
宮城:みんな戦い方が面白いですよ。
もちろん剣や槍はふるうんですけれども、接近戦ともなれば手が出たり足が出たり。
クダンシュタインであればギリギリになれば槍がなくなっても戦います。生身の人間が戦っている姿なので、そこはアッと言ってもらえるかな。
カノンのハイキックは、オーディションで見た時からこんなに綺麗なハイキックが決まる女性はなかなかいないな、と思いました(笑)。
個性的なキャラクターと作りこまれた小物、武器。中でも強烈な印象だったのは、会見当日は登壇しなかったモンゼイン(演:伊勢 大貴)の斧(戦雷斧・不動)。
彼らがそれぞれの愛用の武具でどのような戦いを見せてくれるか楽しみだ。
「タガタメ」らしさを詰め込んだ舞台、もう一つの公式がここに
――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。
今泉:今回の舞台は「原作ありき」の2.5次元舞台を作ろう、と言うよりも普通の舞台を作ろうと言うイメージで作っています。
初めての方でも話に入りやすくするために、芝居の中で世界観やそれまでのストーリーなどについても説明できたらと思っています。
原作はもう3年やっている長いストーリーなので、舞台で全部お見せすることはできないのですが、今回の「聖石」は、キャラもストーリーもタガタメらしい部分をぎゅっと詰め込んだ人気の話です。
ゲームを知らない方でも楽しんでもらえる、ひとつの作品になると自負しています。
橘:タガタメ初の舞台化と言うことで、ユーザーの方、舞台ファンの方、どちらにも楽しんでいただけるように、それぞれができることを全力で頑張っております。
きっと皆さんに満足いただける舞台をお届けできます! まずは劇場に足を運んでください。
舞台「誰ガ為のアルケミスト・聖石の追憶」は、2019年6月26日(水)から、東京銀座・博品館劇場で上演される。
人気イベントのサイドストーリーとも言えるこの舞台で、まだ知らない「もうひとつのタガタメ」を体験してほしい。
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