インタビュー

北村諒、幸せの連鎖のために…30歳の節目で誓う「常に進化していきたい」【インタビュー後編】

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2021年1月25日に30歳の誕生日を迎える北村諒。話題の2.5次元舞台やオリジナル作品に多く出演している他、1月21日に開幕した「怪盗探偵山猫 the Stage」では主演を務めている。

2.5ジゲン!!では北村にインタビューを行い、「怪盗探偵山猫 the Stage」の見どころと共に、2020年の活動を経て変化した考えや「まずは目の前の人を幸せにしたい」と語るその真意などを聞いた。

肌で感じた“お客様のいる風景”、舞台に立つ覚悟

ーー2020年は無観客での一人芝居やVRの映像作品など、さまざまなことに挑戦されていましたが、一言でどのような年になりましたか。

挑戦していくのって大事だな、と思った年でした。

2020年、本当に多くのことがありました。失くしたものも多いですが、逆に新しく生まれたこともあり、今だからこそ挑戦できたこともたくさんあります。

いろいろなことが変わっていく中で、改めて自分と向き合う時間ができて、さまざまな物事について考えることができました。何もかもマイナスな年ではありませんでした。

僕はあまり考えを巡らせるタイプではありません。だからとにかく自分の信じたことをそのまま信じて真っ直ぐにやっていくしかない。そう感じました。

今年で30歳になるにあたって、あきらめることなく常に進化していきたいと思っています。

ーー2020年7月には一人芝居の配信もありましたね。

無観客の配信専用お芝居でした。その後9月に上演された舞台を経て、12月には360度ぐるりとお客様に囲まれたコロシアム形式の舞台に出演しました。

目の前に広がった“お客様のいる風景”。ここが舞台だ、生のお客様がいる場所だと肌で強く感じたことはとても貴重な経験になりました。あの光景を見られて良かったと思っています。

ーー実際、2020年12月の舞台では強い気迫のようなものを感じました。

このご時世に劇場でお芝居をする、舞台に立つ…。自分自身に対しても、気軽に劇場へ足を運べない情勢であっても勇気を持って来てくださったお客様一人一人に対しても、覚悟を持って舞台に上がりました。

観に来てくださったことを絶対に後悔させない。その人の人生を変えてやる。そのくらいの強い気持ちで毎日お芝居に対してぶつかっていたので、強い気持ちや覚悟、気迫…そういった大きなものを手に入れた実感がありました。

ーー観客も感じるものがとても多かったと思います。

舞台ってやっぱり、肌で感じるものですよね。そうやって感じたものは記憶にずっと残るし、言葉に表せない感動や衝撃も受けます。僕もよく舞台を観に行ってそれを感じるのですが、帰り道にたくさんのことを思います。

もうちょっと頑張ってみよう、もっと違うことにも目を向けてみよう、こういうことに挑戦してみよう…。僕がそうやって影響を受けるように、僕自身も誰かに影響を与えられる人間でありたいと思っています。そうじゃないと、この仕事をやっている意味がないと思うんです。

自分が好きでやっているものだけれど、それが誰かに影響を与えられたらすごく素敵なことだなと思います。僕自身いろいろな人に影響を受けていますし、巡り巡って影響し合って全体的に上がっていけたらいいですよね。

ーー今回の「怪盗探偵山猫 the Stage」でも、共演の皆さんと良い影響を与え合えそうですね。

大人なキャストが多くて、各々の仕事をきっちりとこなすプロの方ばかりです。それぞれが持っている個性を合わせて、どんどん詰めて行っている段階ですね。これからもっと煮詰めていって、良い作品に仕上げていきたいと思っています。

幸せを繋げる…まずは「手の届く範囲」から

ーー2020年の初め頃に「執着するものはない」とおっしゃっていましたが、1年が経ち心境に変化はありますか?

変わらず“執着”はしていないです。でも、とても大事だと思えることは見つかったように思えます。

ーーその大事なこととは何でしょう?

「明日を生きる」です。まだ自分の中で整理がつかないことももちろんあります。でも、とにかく生きてさえいれば未来はある。

そしてそれは僕だけではありません。皆さんもです。エンターテインメントを届ける表現者として、観てくださる方に何かを届けられなくなってしまうのが一番悲しいしつらいです。

だから「明日を生きる」。これに尽きるなと今は強く思っています。

ーーもうすぐ30代を迎えることになりますが、今後の目標はありますか。

ものすごくざっくりとした答えになってしまいますが、ここ数年で強く感じているのは“周りの人を幸せにしたい”という思いです。

お芝居って人のためにやるものだと思うんです。目の前にいるお客様、共演している仲間たち、スタッフの皆さん、大切な人たち…。僕には世界中の人たちすべてを幸せにする力はないけれど、手の届く範囲の人たちだけでも笑顔にしたいし幸せにしたいと思っています。

昔、主演をさせてもらった舞台で(演出・脚本家の)西田大輔さんに「お前がこの現場を楽しくしろ」って言われたことがあるんです。その言葉がずっと胸に残っていて、だからせめて一緒にいる人や見えている範囲の人だけは楽しく幸せにしたいです。

そして、僕が幸せにした人が他の誰かを幸せにしたいな、と思ってくれたらその思いはどんどん繋がっていくと思うんです。

ーー幸せの繋がりですね。

この仕事を始めたての頃は、全く余裕がありませんでした。ただただ一生懸命。自分自身やれることも少なかったですし、毎回キャパシティをオーバーしていました。

でも、たくさんのことを経験させていただいて、もうすぐ30歳になります。やれることが少しずつ増えてきて、周りが見えるようになって、見える景色も変わってきました。自分も楽しみながらお客様を楽しませて、そして観てくださった方が幸せになってくれる、いい影響を与えられる、そういう役者になっていきたいです。

ーー最後に「怪盗探偵山猫 the Stage」の見どころをお願いします。

人間ドラマが強く描かれているお話です。舞台ならではの感情の機微に注目して楽しんでいただけたらと思います。

山猫の信念、勝村の思い、交わる感情や謎解き、アクション、いろいろな見どころがあります。わちゃわちゃとした楽しいシーンもあり、心揺さぶられるハードなシーンもあります。目の前で僕たち人間が演じている息遣いや迫力を、ぜひ劇場で感じてくださったら嬉しいです。

* * *

時にじっくりと言葉を選び、時に熱く饒舌に。彫刻を思わせる端正な顔をくしゃくしゃにして少年のようによく笑う。30歳を迎える彼は、舞台上でどのような景色を我々に見せてくれるのだろうか。きっと、「自分以外の誰かを幸せにしたい」と思わせてくれるに違いない。

「怪盗探偵山猫 the Stage」はヒューリックホール東京で1月31日(日)全15公演まで上演。

チケット情報
【一般チケット】
全席指定
※未就学児の入場は不可となります。
※1月31日(日)16:30公演の受付はございません

【配信チケット】
■配信日
2021年1月31日(日)11:30公演/16:30公演
■チケット券種
1)【通常版】
2)【通常版+全景版】
3)【通常版】2公演FULLセット
・販売期間:2021年1月15日(金)18:00~2月8日(月)21:59
・アーカイブ配信期間:2021年2月1日(月)18:00~2月8日(月)23:59
4)【通常版+全景版】2公演FULLセット 特典映像付き
・販売期間:2021年1月15日(金)18:00~2月14日(日)21:59
・アーカイブ配信期間:2021年2月1日(月)18:00~2月14日(日)23:59
・【通常版+全景版】2公演FULLセット購入者特典:キャスト4名によるトーク映像

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公演情報

タイトル

「怪盗探偵山猫 the Stage」

原作

「怪盗探偵山猫」神永学(角川文庫)

演出・脚本

私オム

出演者

【山猫】北村諒 【霧島】和田琢磨 【勝村】赤澤燈
【福原】瀬戸祐介 【今井】宮下貴浩 【里佳子】平田裕香
上杉輝 中根大 宮川連 酒井和真 相田真滉 佐藤祐樹
/【関本】徳山秀典 /【森田】村田 充
※出演者は変更になる可能性がございます。

日程

2021年1月21日(木)~1月31日(日)全15公演

劇場

ヒューリックホール東京

主催

エイベックス・ピクチャーズ株式会社

公式HP

https://yamaneko-stage.jp/

公式twitter

@yamaneko_stage

(C)Manabu Kaminaga/KADOKAWA/エイベックス・ピクチャーズ

【公演に関するお問い合わせ】
「怪盗探偵山猫 the Stage」公演事務局(平日11時~18時)03-6280-4670

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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