インタビュー

北村諒「深くて濃い人間ドラマに」“大人”なキャストが集結した舞台「怪盗探偵山猫」【インタビュー前編】

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2020年1月21日(木)に幕を開ける「怪盗探偵山猫 the stage」。2016年にドラマ化もされた神永学の人気小説シリーズが原作だ。

鮮やかな手口で盗みを働き、同時に悪事をも暴く謎の天才怪盗“山猫”。山猫、彼を追う刑事たち、雑誌記者…それぞれの人間模様と思惑が複雑に絡み合い、物語は進んでいく。

2.5ジゲン!!では主演を務める山猫役の北村諒にリモートインタビューを行った。小説原作での役作りや共演者たちの印象、稽古場の雰囲気などについて語った様子をお届けする。

舞台でしかできない表現のために

――まずは脚本を読まれた感想から伺います。公式サイトにあるように、原作第1巻のストーリーがそのまま舞台になっているそうですね。

今回の舞台は、原作の小説がぎゅっと凝縮されています。脚本を読んで、山猫サイドと刑事たちサイド、同時進行していくそれぞれのストーリーのメリハリとコントラストがすごく効いているなと感じました。

稽古をしていて思うのは、それぞれの話がきちんと描かれつつ、しっかりと交わっているんですよね。

基本的には原作に沿ったストーリーなのですが、まるっきりそのままでは生身の人間が演じる意味がなくなってしまいます。舞台だからこその要素もあり、舞台でしかできない表現もあり、伝えたい人間ドラマとしてのメッセージが強く込められている作品になっています。

――演じられる「山猫」というキャラクターにどのような印象がありますか?

原作を読んでまず感じたのは、“彼の本質はどこにあるのだろう?”でした。基本的にはさらっとしていて周りを受け流しながら生きているように思います。

誰かと会話をしていてもするりするりと相手をかわして、けれども時に物事の核心をついた言葉を口にする…。彼が内に秘めているものは誰もつかめないし、つかませないようにしている。

だからこそ誰もとらえられない「怪盗探偵」なんでしょうね。

――まさに捕らえられず捉えどころのない“山猫”な人物ですね。脚本を拝見しましたが、相当高さのあるセットの舞台になりそうですね。高い所は平気ですか?(笑)

(セットは)4メートルくらいになりますね。僕は高い所が大好きなので大丈夫です!(笑)。セットそのものの高さもだいぶありますし、本番ではさらに舞台の高さも加わりますからね。客席のお客様には迫力のあるものをお見せできるはずです!

信頼関係で結ばれたキャストたち

――共演される方々について伺います。すでに共演されている馴染みある方が多いですね。まず霧島役の和田琢磨さんについてはいかがですか?

琢磨くんは僕の中で“ザ・正統派俳優”です。男が憧れる顔、男が憧れるスタイル、真っ直ぐなお芝居…すごく好きです。霧島は原作では女性なのですが、舞台では男性キャラクターになっています。でもさすが琢磨くんなんですよね、違和感がないんです。

演出の私オムさん、絡みの多い上司の森田役の(村田)充さん、関本役の徳山(秀典)さん、福原役のセティ(瀬戸祐介)とすごく相談しながら役を作り上げていっていますね。

あの完璧なビジュアルで今回は一番下っ端の刑事役なんですが、逆にそれがすごく素敵だなって感じています。

――次に勝村役の赤澤燈さんについて教えてください。

燈はすごくやわらかい役者なんです。何回も同じ舞台に立たせてもらっているんですけれど、何を投げてもちゃんと返ってくる。一緒に演じていて楽しいです。

今作では山猫と勝村がコンビのように一緒に行動することがちょこちょこあるのですが、山猫と勝村のちょっと不思議な関係性も作りやすくて、とてもやりやすいですね。毎日変化があって刺激的です。

勝村は憎めなくてちょっとおバカで、でも自分の中にしっかりとした信念を持っている。燈自身も勝村と同じく周りに愛される人間ですからね。役にすごくハマっていると思います。

――福原役の瀬戸祐介さんとは2020年12月末の舞台に続いての共演になります。

「年末年始ずっと一緒!」なんて話していました!(笑)。もちろんその舞台とは僕も彼も全然違う役どころなので、僕としては彼の色々なお芝居を見られてお得だな、贅沢だなって思っています(笑)。

彼はプライベートではすごくふざけるし冗談も言うのですが、お芝居に対してはすごく真面目でちゃんとした考えを持っているので、僕はそのギャップがとても好きです。

彼の持っているカラッとしてどこかつかめないひょうひょうとした雰囲気が、福原という人物を表現するのに向いていて役と合っているなぁと感じています。

――森田役の村田充さんとはお久しぶりの共演になりますか。

久しぶりですね! ずっと前からお世話になっている大好きな先輩で、プライベートでも、オンラインで一緒にゲームをさせていただいています(笑)。今回共演できてすごく嬉しいです。

――関本役の徳山さんとは初めましてですね。

役としての関本は怖くて厳しくて、ちょっと近寄りがたいところもあるのですが、徳山さんご自身は喋るとすごく楽しい方なんです。ご自分でも「役は怖いんですけれど、喋りたいんで話しかけてください」って(笑)。

山猫の僕と勝村の燈、あと福原のセティがちょっとわいわいやっていると「…俺もやりたいなぁ」ってちっちゃい声でぼそっと呟いたりされるんですよ。でも関本って舞台の中で一番ふざけられない役どころなので、お芝居じゃないところで一緒にふざけています(笑)。

稽古場は大人の雰囲気

――比較的平均年齢高めの座組ですね。楽しくもあり、落ち着いた稽古場ですか?

とてもいい雰囲気で稽古が進められています。今こんな状況なのでコミュニケーションが取れるのか…? と思ったのですが、その心配は全くいらなかったです。ぱっと集まって集中して稽古をして、休憩中にさらに親交を深めつつお芝居をする。大人の現場ですね。

全体が大人で落ち着いていて刑事サイドがハードだからこそ、僕と勝村の明るく賑やかなパートとの比較がメリハリとして効いてきます。

シリアスでハードな面とわいわいと明るい面、どちらも楽しめます。原作をぎゅっと凝縮しているけれど、とてもテンポよく見やすい舞台になっていると思います。

――山猫と勝村のシーンは本当に楽しそうですね。

燈がちょこちょこアドリブを入れてくるんですよ(笑)。僕は燈の小ボケが本当にツボなので思わず笑ってしまいそうになりますね。笑っても大丈夫なシーンなのが救いです(笑)。

そうやって場が盛り上がって、山猫と勝村の不思議な関係がさらに魅力的に見えれば素敵だなと思っています。

見どころとファンへのメッセージ

――最後に「怪盗探偵山猫 the stage」の見どころとファンの皆さんにメッセージをお願いします。

人気小説が原作でドラマ化もされていて、とても認知度の高い作品です。生身の人間である僕たちが舞台で彼らを演じることで、お客様に人間の感情の機微を感じてもらえたらと思っています。

刑事サイド、山猫サイド、それぞれの人間関係が入り乱れて話が進んでいきます。怪盗、探偵ということで派手な演出がドーン! アクションがバーン! みたいなイメージがあるかもしれませんが、きっと予想以上に深くて濃い人間ドラマになっているはずです。

そこに人が生きている。感情がある。それを生のものとして感じられるのが舞台の良さだと僕は思います。ぜひ劇場へお越しになって、それを感じていただけたら嬉しいです。

チケット情報
【一般チケット】
全席指定
※未就学児の入場は不可となります。
※1月31日(日)16:30公演の受付はございません

【配信チケット】
■配信日
2021年1月31日(日)11:30公演/16:30公演
■チケット券種
1)【通常版】
2)【通常版+全景版】
3)【通常版】2公演FULLセット
・販売期間:2021年1月15日(金)18:00~2月8日(月)21:59
・アーカイブ配信期間:2021年2月1日(月)18:00~2月8日(月)23:59
4)【通常版+全景版】2公演FULLセット 特典映像付き
・販売期間:2021年1月15日(金)18:00~2月14日(日)21:59
・アーカイブ配信期間:2021年2月1日(月)18:00~2月14日(日)23:59
・【通常版+全景版】2公演FULLセット購入者特典:キャスト4名によるトーク映像

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公演情報

タイトル

「怪盗探偵山猫 the Stage」

原作

「怪盗探偵山猫」神永学(角川文庫)

演出・脚本

私オム

出演者

【山猫】北村諒 【霧島】和田琢磨 【勝村】赤澤燈
【福原】瀬戸祐介 【今井】宮下貴浩 【里佳子】平田裕香
上杉輝 中根大 宮川連 酒井和真 相田真滉 佐藤祐樹
/【関本】徳山秀典 /【森田】村田 充
※出演者は変更になる可能性がございます。

日程

2021年1月21日(木)~1月31日(日)全15公演

劇場

ヒューリックホール東京

主催

エイベックス・ピクチャーズ株式会社

公式HP

https://yamaneko-stage.jp/

公式twitter

@yamaneko_stage

(C)Manabu Kaminaga/KADOKAWA/エイベックス・ピクチャーズ

【公演に関するお問い合わせ】
「怪盗探偵山猫 the Stage」公演事務局(平日11時~18時)03-6280-4670

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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