2020年2月14日(金)、ダブルヘッダー特別公演として初演舞台『おおきく振りかぶって』の再演と、翌15日(土)より舞台『おおきく振りかぶって 秋の大会編』が開幕する。新作公演は、2018年2月の初演、9月の「夏の大会編」に続いて3作目となる。
2.5ジゲン!! は、3作連続で主演をつとめる西銘 駿と、前作から参加の大橋典之の「西浦高校バッテリー」にインタビューをおこなった。
今作の見どころ、過去公演の思い出などを和気あいあいと語った様子をお届けする。
3作目の舞台「おお振り」。さらに関係性を深めて互いの信頼感を増した西浦バッテリー
――「夏の大会編」からしばらく間があいての、今回の「秋の大会編」ですね。舞台の話が決まったときのことを聞かせてください。
西銘 駿(三橋 廉 役):とてもびっくりしました。初めて主演をつとめた舞台が3回目に繋がるというのはとてもありがたいことで、また頑張らないと、と思いました。
大橋典之(阿部隆也 役):すごく嬉しかったです。前回は、三橋と阿部がお互いに色々なことに気が付いたところで終わったんですね。だから、その続きをやれることがすごく楽しみです。
西銘:で、ダブルヘッダー。
大橋:そう、ダブルヘッダーだということを聞いて! 1作分だけでも試合シーンがけっこうあるのに、それに加えてもうひと作品です。震えますよね(笑)。
西銘:1日でダブルヘッダー2公演の日は、自分が出ていない試合も含めて合計4試合を頭の中に描かないといけません。だからはじめはすごくプレッシャーがありました。でもそれよりも、3作目ができることが楽しみで、感謝しています。
大橋:またバッテリーが組めるのが嬉しいね。
西銘:前回の公演では、阿部は、猪野広樹くんと大橋くんとのダブルキャストでした。今回は大橋くんのシングルキャストになったので、さらに濃い関係を作りながら稽古をしています。
――さらに関係が深まっているんですね。回を重ねて、お互いの役についてイメージが変わったことや、発見したことはありますか?
西銘:前回までは、阿部のことをすごく「あたたかいお母さん」のように考えていました。
阿部ははじめこそ、中学時代のトラウマがあって、高校に入学したら絶対に首を横に振らない三橋に強くあたってしまっていましたよね。
でも阿部は三橋の考えや努力を知って、お互い手を取って頑張っていこう、というように変わりました。そういう三橋を支える部分を、お母さんのように感じていたんですけれども、今回はその中にも「ちゃんと高校生」のようなものが見られるようになります。
例えば、阿部が「怪我してしまってごめんな」と三橋に謝るシーンがあるのですが、それは、バッテリーの仲が深まって信頼度が増しているからだと思います。
大橋:今回、初演と秋の大会編をダブルヘッダーでやることになったので、三橋と阿部の関係性の変化や、阿部の三橋に対する印象の変化について、とても感じるものがあります。
三橋は、表現するのが苦手なだけで芯はすごく強いですよね。その、芯を曲げない強さと、中学時代のトラウマ。この2つのバランスが、阿部の心を強く惹きつけているんだと思います。
強く思いを込めて演じたシーン。役と自身がリンクした瞬間とは?
――前回までの公演で、特に印象深かったシーンや、それについてのエピソードを教えてください。
大橋:とても気持ちが入っていたのが、阿部が怪我をしてしまうシーンです。怪我をした後、三橋の力投をずっと見ているのですが、そこで自分の不甲斐なさに気付く。阿部が大きく成長したシーンだと感じています。
その気持ちは、今回の「秋の大会編」でも大事にして演じていきたいです。あの時は自分でもとても気持ちを込めて演じたので、強く印象に残っています。
西銘:僕も同じシーンが印象的です。阿部がいない中「自分が何とかしなければ」と大きく成長するのですが、あの時は、三橋と僕自身の感情がリンクしました。
――役と感情がリンクしたんですね。どのように?
西銘:阿部が怪我をして、キャッチャーが田島に代わりますよね。それに対して、演じている僕自身が、違和感をおぼえたんです。
ずっと阿部とバッテリーを組んで、阿部に投げてきて、でも途中でキャッチャーが田島に代わってしまった。気持ちの面でも動きの面でも、いろいろなタイミングが合わないんですよ。リアルな不慣れ感でした。
その不慣れ感によるタイミングの合わなさが、三橋の気持ちであり僕の気持ちであったと思っています。
――気持ちの揺れ方が、舞台上でリアルなものになったんですね。
高校時代を思い出す賑やかな稽古場。リアルなキャラクターを演じる難しさと楽しさとは?
――「おお振り」の登場人物はいわゆる超人的なキャラクターではなく、ごく普通の高校生的なキャラクターたちですね。
西銘:そう、だからこそリアルで、演じるのがとても難しいです。キャラクターとしての魅力や強さはもちろんある。でも、「西浦」というひとつの学校の空気を、みんなで作らないといけない。
個を生かしつつ、でも「西浦」を崩してはいけない。そのバランスがとても難しいです。
大橋:僕は野球をやっていたので、現役時代から原作を読んでいました。「すごくリアルだな」って思いながら。
今演じるうえで「高校生の時ってこんな感じだったかな?」って思い出しながらリンクさせています。もちろん性格は違うんですけれど(笑)。
西銘:みんな、高校生時代の時とリンクさせているんでしょうね、最初の本読みの時から、稽古が進むにつれてどんどん若くなっています(笑)。特に西浦が一番子供っぽいかな。高校生のノリでわちゃわちゃキャッキャしてます。
大橋:パン買ってきてみんなで食べたり、ふざけて軽いイジりあいしたりね。
――部活帰りの高校生みたいで可愛いですね(笑)。
西銘・大橋:そう、そういう感じです!(笑)
2本の舞台でひとつの作品。毎日を大切に、さらに高みを目指す
――今回の「秋の大会編」、特におすすめの見どころや、ここを観てほしい! という点はどこでしょう?
大橋:今回、数としては2作品での舞台になるのですが、僕自身はこの2つで1作品というつもりで演じています。両方の舞台をとおして見て、時間の経過、試合のドラマ、西浦高校の成長を感じてほしいと思っています。
西銘:榛名の存在も見どころです。三橋にとっての憧れであり、阿部にとっては因縁の投手です。榛名との決着がどうなるのか、ぜひ観てほしいです。
大橋:阿部の、榛名に対する複雑な気持ちね。嫌いだと言うし、憎しみがあるようにも思えるけれど、でも彼のすごさは認めている。その辺りの気持ちにも注目して観てください。
西銘:今回、これまでとはちょっと違ったものが見られると思います。三橋と阿部の成長はもちろん、モモカンのバックボーンや、あとちょっとしたお楽しみのシーンもあります(笑)。
1日2回公演の日は新作と再演を両方やるので、お客様は1日中「おお振り」の世界に浸れます!
――それでは最後に、楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします。
大橋:原作の「おおきく振りかぶって」という素晴らしい作品に、僕たちは真剣に向き合って真っ直ぐに演じています。
2作品分のものすごい熱量をお届けできるはずです。成長過程の高校生たちの僕たちのドラマに、ぜひのめり込みに来てください。
西銘:3回目の「おお振り」の舞台。発表からものすごく盛り上がってくださって、とても嬉しく感じています。楽しみにしている、という声もたくさん頂けていて嬉しいです。
僕自身常に、前作を超えるものをお届けしたいと思っています。毎回が挑戦です。本番までの残りの日々を毎日大事に、さらに高みを目指していきたいです。
撮影:K.Hikaru
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