スポットライトを浴び、舞台の上できらきらと輝くアイドルたちは、私の理想そのものだった。
2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」(ツキステ。)と、2.5次元ダンスライブ「S.Q.S」(スケステ)はそんなアイドルたちを描いた作品だ。主に1部では物語のある芝居パートを、2部ではライブパートとして実際のライブを表現している。
「ツキステ。」は2019年3月の公演で8作品(ライブのみの公演を除く)、「スケステ」は2019年4月の公演で3作品と根強い人気を誇る。
そこで今回は、まだ「ツキステ。」と「スケステ」について詳しく知らない人に向けて、本シリーズを徹底解説したい。この記事を読んで、アイドルの魅力が詰まった「ツキステ。」「スケステ」の魅力に気づいてもらえたら幸いである。
もくじ
原作は同じ事務所を舞台にした2シリーズ
2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」と2.5次元ダンスライブ「S.Q.S」の原作は共にムービックから発売されているドラマCDだ。
登場人物は、ツキノ芸能プロダクション(ツキプロ)という架空の芸能事務所に所属するアイドルたちで、それぞれシリーズごとに物語は独立しているものの、世界観は共通している。両方のシリーズをまとめて「ツキプロ」と呼ばれることもある。
「ツキウタ。」シリーズは2012年からCDがリリース。2016年にはアニメ化もされた。
12ヶ月の「月」をモチーフにしたキャラクターたちが、『Six Gravity(シックスグラビティー)』と『Procellarum(プロセラルム)』という2ユニットに分かれてアイドル活動をしている。
一方「S.Q.S(SQステージ)」の「SQ」はそれぞれ「Solids(ソリッズ)」と「QUELL(クヴェル)」というユニットの頭文字をとったもの。
『Solids』は2015年、『QUELL』は2016年からCDがリリースされており、「ツキウタ。」シリーズの後続企画として、同じ世界観の元で誕生した。
両ユニットを合わせたシリーズ名称が『SQ(スケア)』となっていることから、舞台版は「S.Q.S」や「スケステ」の略称で親しまれている。
大きな特徴は舞台×ライブの「2部構成」であること
「ツキステ。」と「スケステ」の大きな特徴は2部のライブパートだ。
ライブパートでは、アイドルであるキャラクターたちによるライブが舞台上で再現されている。
ただし、出演する俳優たちはダンスやパフォーマンスを行うが、歌唱はせず、CDの音源を使用しているというのがポイントだ。
CD音源を使用することで、聴き馴染んだキャラクターの歌声はそのままに、臨場感のあるダンスやファンサービスが目の前で繰り広げられる。
「ツキウタ。」や「SQ」がドラマCDという声で表現される媒体を原作にしているからこそ、ファンにとって重要なファクターである歌を生かすために選択された表現方法がダンスライブなのだろう。
これこそまさに、2次元と3次元のコラボレーションが生み出した2.5次元舞台だ。
「ツキステ。」の歩み
「ツキステ。」は2016年4月の第1幕を皮切りに2019年3月までに全8作品が上演されている。
さらにライブのみで構成された「LUNATIC LIVE」や「Memorial Tour」といった企画も行われた。
1部の芝居パートで演じられる物語は全て舞台オリジナルの作品となっている。キャラクターたちの日常を描いたものから、パラレルワールドで生きるアイドルではない人生を歩んでいるキャラクターたちの物語まで、とにかくバラエティ豊かなのが特徴的だ。
物語はそれぞれ繋がっているわけではないので、気になった作品から見てみるのも良いだろう。
参考までに、それぞれの作品のテイストを以下のように分類した。
アイドルとしての仕事風景をメインにしたストーリー:1幕、3幕
異世界に紛れ込んでしまう冒険譚:2幕、4幕、6幕、7幕
パラレルワールドを舞台にしたストーリー:5幕、8幕
「スケステ」がスタート
「スケステ」は「ツキステ。」に続き2018年5月にEpisode 1「はじまりのとき -Thanks for the chance to see you-」が上演された。
構成は「ツキステ。」と同じく2部構成となっており、1部で芝居パートを、2部ではライブパートが披露される。
アダルトでセクシーな雰囲気の「Solids」と透明感のある歌声で繊細に歌い上げる「QUELL」は全くタイプの違うユニットだ。それぞれの個性が詰まったパフォーマンスは見所の1つだろう。
1部の芝居パートは、Episode 1でユニットの結成エピソードを振り返りつつアイドルとして日々頑張る「Solids」と「QUELL」それぞれのメンバーの姿が描かれた。
続く2018年11月に上演されたEpisode 2「星芒の彼方-月野百鬼夜行綺譚-」では異世界へと迷い込む和風ファンタジーな世界観の物語となっている。
2018年12月には「ツキステ。」「スケステ」合同のライブ「LUNATIC LIVE 2018 ver BLUE & RED」が行われた。
2019年3月には「スケステ」単独のライブが開催され、多くの観客を魅了。2019年4月からはEpisode 3「ROMEO – in the darkness -」が上演される。こちらもどんな物語になるのか楽しみだ。
そして「イブステ」へ
ツキノ芸能プロダクションに所属しているのは「ツキウタ。」「SQ」のアイドルだけではない。
2019年5月から同じくツキノ芸能プロダクションに所属するユニット「Growth」による2.5次元ダンスライブ「ALIVESTAGE(イブステ)」が開幕する。
「ALIVE」というのは今回舞台の主役となる「Growth」と、同時期にデビューした「SOARA」の両ユニットからなるシリーズ名だ。
イブステでは「Growth」がメインの物語であること、すでに2020年までに3作品が上演されることが決まっている。
「Growth」は4人組のアイドルユニット。幼少期から芸能界で活躍してきた昂輝、剣介、涼太の3人と普通の会社員をしていた衛が出会い、結成されたユニットだ。
物語感のある民俗調の楽曲が特徴的で、ライブパートでどんな振り付け、パフォーマンスになるのか今から楽しみでしょうがない。
「ツキステ。」も「スケステ」も作品数が増えて、「今からは手を出しづらい……」と感じる人もいるかもしれない。
一方「イブステ」はこれから展開されていくシリーズなので、ツキプロのアイドルたちが活躍する世界に興味があるならば、ぜひ飛び込んでみていただきたい。
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