新型ウイルス流行対策の影響で、自宅で過ごす時間が増えている。GWなど連休中の外出予定がなくなり、「家で何をしようか?」と考えている観劇ファンも多いだろう。
マンガの一気読み、アニメの一気見などと合わせて、「舞台の長編シリーズものを一気見する」のはいかがだろうか?
今回はおすすめの2.5次元舞台・ミュージカルの中から、日々の疲れを忘れて没頭できる「作品数の多い長編シリーズ」をご紹介しよう。
もくじ
舞台「メサイア」シリーズ
近未来風の日本を舞台に、暗躍するスパイとその候補生たちの生き様を描く物語、それが「メサイア」シリーズだ。
舞台作品としてのシリーズの他に、映画、小説、コミカライズなど多彩な分野にわたるメディアミックス・プロジェクトである。
特殊な事情により殺人をも許可された「サクラ」と呼ばれる国家スパイと、その候補生たち。彼らは養成機関を卒業するとともに、互いの接触・救助・友情を禁じられた孤独な任務に飛び込んでいく。
唯一、例外的に繋がりを許された相棒関係、それが「メサイア」だ。物語は数々のメサイアの絆を軸に、大きくうねりながら展開していく。
重厚で華麗なスパイ「サクラ」の物語を、激しい殺陣とともに堪能することができる。「壮大な世界観に浸りたい」という人にぴったりの作品だ。
『刀剣乱舞』シリーズ(舞台/ミュージカル)
日本史や和装が好きな人なら、ゲーム『刀剣乱舞』を原作とした2種類のシリーズがおすすめだ。
『刀剣乱舞』とは、日本刀を「付喪神」として擬人化し、それぞれの来歴や逸話に沿った姿・人格にて表現した人気ゲーム。
このゲームを原作とした舞台作品は、ストレートプレイの舞台『刀剣乱舞』(刀ステ)、ミュージカル『刀剣乱舞』(刀ミュ)の2種類が製作されている。
「刀ステ」こと舞台『刀剣乱舞』は、脚本・演出を末満健一が担当するストレートプレイのシリーズ。三日月宗近役を鈴木拡樹、山姥切国広役を荒牧慶彦が務め、基本的に2幕形式で1本のストーリーを描く。
▲舞台『刀剣乱舞』(刀ステ)
「刀ミュ」ことミュージカル『刀剣乱舞』の方は、脚本を御笠ノ忠次、演出を茅野イサムが担当。三日月宗近役を黒羽麻璃央、加州清光役を佐藤流司が務める。こちらも2幕形式ではあるが、物語は1幕で完結し、2幕はライブパートとなっている。
▲ミュージカル『刀剣乱舞』(刀ミュ)
「刀ステ」は同じキャストで映画版が製作され、「刀ミュ」は紅白歌合戦に出場した経験があるので、それぞれ見たことがある人も多いだろう。
どちらのシリーズも重厚な物語と個性豊かなキャラクターたち、美しい衣装とそれを活かした殺陣を楽しむことができる。
刀剣男士とともに日本史や実在した歴史上の人物についても描かれるため、歴史好きにもおすすめだ。
舞台『弱虫ペダル』シリーズ
高校スポーツが好きな人は、舞台『弱虫ペダル』シリーズをチェックしてほしい。
舞台『弱虫ペダル』通称「ペダステ」は、ロードバイク(競技自転車)に全てをかける高校生たちを描いた物語だ。
「ペダステ」の魅力は数え切れないほどあるが、そのうちの1つが「リアルな汗」である。もちろん他の作品でも役者は本気で演じ汗をかくが、中でも「ペダステ」の運動量は並大抵ではない。
役者たちは、自分の肉体を使って「レース」を表現する。自転車のペダルをこぐ様子を描くために、レースシーンではずっと足踏みをし続けるのだ。
この独特の手法の過酷さは、ファンのみならず若手俳優たちの口にも度々話題に上るほど。だがそれだけに、キャスト陣の結束は固い。
観客は、劇中で描かれるキャラクターたちの熱や絆に加え、演じるキャストたちのそれも鮮明に感じることができる。青春に心揺さぶられたい人には、とくにおすすめだ。
ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ
新選組や幕末の世界観が好きな人には、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズをご紹介したい。
女性向け恋愛ゲーム『薄桜鬼』を原作とするこのミュージカルの上演は、2020年4月現在ライブを含め12作品。2012年から連綿と受け継がれてきた、壮大なシリーズである。
本作の詳しい内容や魅力については、ぜひ次の記事も参考にしてほしい。
▼受け継がれし「薄ミュイズム」を紐解く。ミュージカル『薄桜鬼』シリーズの歴史を振り返る
【前編】 【後編】
原作のストーリーを最大限に活かしつつ、ミュージカルならではの世界観を構築した「薄ミュ」シリーズ。新選組の隊士とともに幕末の世界に浸ることができる。
『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズ
「アイドルもの」と「学園もの」、その両方を楽しめる作品といったら、「あんステ」こと『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズだ。
アイドル養成校として名を馳せる学校・私立夢ノ咲学院を舞台に、個性豊かなキャラクターたちが波乱万丈な物語を繰り広げる。
アイドルたちは「ユニット」と呼ばれるグループ単位で活動しており、そのユニットには実力や人気、そして立場による序列が存在する。
そう、これは明るいだけの作品ではない。高みを目指す高校生たちの葛藤、挑戦、「光と闇」をも描く、じつに複雑な群像劇だ。
必死に生きる彼らの姿は観客の胸を打つ。ライブシーンでは客席のペンライトに照らされて、どのユニットもキラキラと眩しいステージを見せてくれる。
高校生アイドルたちのキラキラと深み、どちらも味わいたいという人におすすめのシリーズだ。
長編シリーズの一気見は「ステイホーム」のお供にぴったり
2.5次元には他にも、世界観にどっぷりと浸れる長編シリーズがたくさんある。もちろん、「テニミュ」ことミュージカル『テニスの王子様』も、その1つだ。
家にいる時間が長い今だからこそ、そうした長編シリーズの一気見もできる。また、期間限定の特別配信を行う舞台作品も続々と登場している。
「ステイホーム」のお供に、おうち観劇はいかがだろうか。まだ知らないお気に入りシリーズと出会えるかもしれない。
※掲載の情報は2020年4月現在のものです。
広告
広告