• コラム
  • 演出家・西田大輔のオリジナル舞台をご紹介 エモーショナルをかきたてる表現の魔術師
コラム

演出家・西田大輔のオリジナル舞台をご紹介 エモーショナルをかきたてる表現の魔術師

舞台が「仕上がった料理」だとすれば、役者は材料、そして演出家は料理人だ。例え同じ原作・同じキャストで舞台を作っても、演出家しだいでまったく違うものになると言っていい。

耽美な美しさを追求する演出家、間と余韻を美とする演出家、華やかな歌劇のような舞台を作り上げる演出家など、演出家の数だけさまざまな個性がある。

近年の2.5次元作品において、2019年2月開幕の舞台「真・三國無双 赤壁の戦い」や4月開幕のミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇などを手がけたことで知られる演出家、西田大輔。

彼が演出を手掛ける舞台はどれも、ひとことで言えばダイナミックでエモーショナルだ。ここではオリジナル舞台を中心に、西田氏が演出を手がけた作品を紹介していく。

男たちが熱く儚く、ひたむきに駆け抜けた時代! 三部作「もののふシリーズ」


2015年の舞台「武士白虎~もののふ白き虎」(通称「もふ虎」)は、タイトルから分かるように会津藩・白虎隊、そして新撰組の話だ。

2作目は2016年「瞑るおおかみ黒き鴨」(通称「つむ鴨)。こちらは戊辰戦争の後の話となっている。西郷隆盛、大久保利通と、名前だけで歴史上のどのあたりの話か分かるだろう。

3作目・最終章は2018年「駆けはやぶさ ひと大和」(通称「駆けはや」「かけ隼」)。新撰組の中のもうひとつの物語だ。

もののふシリーズは、2.5次元舞台で活躍中の若手・中堅俳優に加え、映像などでも活躍しているベテラン俳優が毎回起用されている。観る側にとっても大きな目玉であり、舞台に一層重みと刺激が生まれていると感じる。

個別にももちろん観られるが、できれば3部作通して観てもらいたい。激動の時代を、熱く儚くひたむきに駆け抜けた男たちの生き様が胸に迫るだろう。

俺たちはただ、野球がしたかった――「野球-飛行機雲のホームラン-」

公演がおこなわれた2018年の夏は、全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)が第100回の記念大会の年だった。話の舞台となったのは1942年、戦時中。夏の甲子園大会には、大会が開催されなかった空白の数年間があった。

野球をしたい、ただ思い切り野球をしたい。しかし時代がそれを許してくれなかった。

この「野球」は1997年から西田氏があたためていた企画だという。込められた思いの大きさに開始10秒で涙することだろう。

派手さやきらびやかさは無く、わくわくドキドキする世界ではない。少年と大人たちのセリフが、気持ちが胸に迫る。しかし不思議と、観劇後にずしりと引きずるように、心が重たく暗くなることは無い。

今からでも遅くない、この船に乗り込もう!「ディスグーニー/DisGOONie」

「ディスグーニー」を何か、と特定するのは難しい。文字上では西田氏が脚本・演出をする舞台の「シリーズ」、ロマンを含めて考えれば彼の人生観や夢であると考えられる。

ディスグーニーというひとつの船があり、それに乗ってあちこちの島を探検する。宝物、海賊、華やかな元禄時代、戦国時代、シャーロック・ホームズ。

2015年の「ザ・テンペスト」「コーネリア」「ニューワールド」の3本立てを始まりに、さまざまなジャンルの舞台が上演されてきた。ひとつずつの物語ではあるが、過去に上演された舞台の再演や、世界観が繋がっていることもある。

1作目から順番にでもいいし、気になる舞台をまずはひとつだけ、でもいい。気に入った島に長く滞在するように作品の世界に浸っても良いし、また新しい島を見つけるために「ディスグーニー」という船に乗り込んでもいいのだ。

華麗でダイナミックな殺陣、胸と身体に直接響く音、光。何度も通いたくなる仕掛けとは?

舞台は生き物であり、同じ舞台でも何度でも見たいと思うことはよくある。しかし、こと彼の作る舞台に関しては、上演後に「え? ちょっと待って。――もう一回!」となることが多い。それは、オープニングに隠された仕掛けだ。

顔見せ・キャラクター紹介という意味だけにとどまらず、彼の舞台でのオープニングは、そのキャラクターの行く末や、観終わって初めて気づくトリックが仕掛けられていることが多い。

そのため、オープニングシーンから気が抜けないし、気を抜かずに観ていたとしても終演後にそのシーンの意味と、すべてを分かった上でもう一度観たくなる。

キャラクターの感情描写は、一人称のように見えて三人称的な視点を効果的に使っている。主人公の目線で物語が進み、観客が感情移入したところで、視線や動きで相手からの感情を表現するのだ。

和洋問わず、手数が多く速いアクション、殺陣。観客の感情が昂った最高潮のときに効果的にかかる主題歌、ライトの使い方。すべてが、平易な言い方になってしまうがエモーショナルをかき立てるのだ。

2019年11月には、2.5次元では舞台『血界戦線』、デイスグーニーはvol.7「PSY・S(サイ・ズ)」が上演される。

わくわくしたい、冒険したい、音と感情の坩堝に身を投じて舞台の世界に浸りたい。そんな人に、西田舞台をおすすめする。派手で華麗で、しかしどこか儚い夢物語に、感情を揺さぶられることだろう。

公演情報

タイトル

舞台「真・三國無双 赤壁の戦い」

構成・演出・振付

西田 大輔

キャスト

諸葛亮役:八神蓮
周瑜役:秋沢健太朗

夏侯惇役:渡辺和貴
曹丕役:白又敦
甄姫役:松田彩希
楽進役:反橋宗一郎
荀彧役:田中稔彦
満寵役:宇野結也

孫権役:川隅美慎
孫尚香役:佃井皆美
甘寧役:橋本全一
凌統役:富永勇也
魯粛役:林野健志

劉備役:細貝圭
関羽役:磯貝龍虎
張飛役:林明寛
周倉役:松村優

曹操役:谷口賢志

【アンサンブル】
竹内諒太、西田直樹、書川勇輝、田嶋悠理、藤田峻輔、田上健太、船橋拓幹、米村秀人、早川一矢、渡辺誠也、竹内悠人

日程

2019年2月7日(木)~2月17日(日) 全12公演
シアター1010

チケット料金

全席指定7,900円(税込み)

チケット情報

【カンフェティ】
https://www.confetti-web.com/smusou-stage

【ローチケ】
https://l-tike.com/musoured-s/


【イープラス】
http://eplus.jp/smusou-stage/

【ぴあ】
http://w.pia.jp/t/smusou-stage/


公式HP

http://smusou-stage.com/

原作・監修

株式会社コーエーテクモゲームス

企画・製作・主催

ADKクリエイティブ・ワン

(c)コーエーテクモゲームス All rights reserved.

WRITTER

広瀬有希
								広瀬有希
							

演劇と映画と小説を愛するフリーライター。たくさんの感動を、熱い思いとともに、読んでいてワクワクするような文章にしてお届けします。趣味はおいしいカフェの開拓。

このライターが書いた他の記事も読む