漫画やアニメ、ゲームを原作に舞台化やミュージカル化した作品の多くを“2.5次元作品”と呼ぶ。
近年では年末の風物詩「NHK紅白歌合戦」に、ゲームを原作としたミュージカル「刀剣乱舞」のキャスト陣が出演するなど、少しずつ“2.5次元作品”というジャンルも市民権を得つつある。
とはいえ、まだ一度もその世界に足を踏み入れたことがない人にとっては、相変わらず未知の世界だろう。
「キラキラした若い俳優がたくさん出ているみたいだから、若い女性ばかりが観に行っているのだろう。」
そういうイメージが強いかもしれないが、2.5次元界隈では1980年代や1990年代にヒットした作品が“舞台化”という形で再び脚光を浴びるケースがとても多い。
約30年前、それらの作品と青春を過ごしてきた原作ファンも、多く劇場に足を運んでいる。
今回は、舞台化で再びスポットを浴びた作品を紹介しながら、「当時好きだった作品の舞台を観に行くこと」の魅力を紹介したい。
アクションを通じてキャラへの想いが募る! 名作少年漫画の舞台化作品
実際にどんな作品が舞台化されているのか紹介していこう。
2019年大きな話題となった舞台化作品に、冨樫義博の代表作のひとつ「幽☆遊☆白書」が挙げられる。
【Blu-ray&DVD情報①】
舞台「幽☆遊☆白書」愛知公演大千穐楽収録のBlu-ray&DVDが、2020年2月27日に発売決定!
バックステージ映像やビジュアルメイキング等、豪華映像特典も収録予定です。詳しくはこちらからhttps://t.co/NBRSytvzLJ#舞台幽白 pic.twitter.com/m4QprEdjvv
— 舞台「幽☆遊☆白書」 (@yuhaku_stage) August 19, 2019
秀逸なキャラクタービジュアルに加え、原作のエピソードを丁寧に回収したストーリーが魅力の作品だ。
「ああ、そういえばこんなコマが原作にあった!」と、懐かしさに思わず唸ってしまうようなシーンが目白押し。
なんといっても、アニメ主題歌「微笑みの爆弾」から始まるOPが、アニメを観てきたファンの心に刺さる名演出となっている。
2.5次元界でトップの人気を誇るキャスト陣が集結したとあって、「イメージとなんか違う」確率がとても低い作品といえるだろう。
まるでアニメから飛び出してきたかのような蔵馬(演:鈴木拡樹)の薔薇棘鞭刃(ローズ・ウィップ)さばきは、それが生身の人間がやっていることを失念してしまうほど惚れ惚れとする。
「幽☆遊☆白書」もそうだが、バトルアクションが描かれる少年漫画は、実は舞台化ととても相性がいい。
殺陣やアクションのシーンは、それがあるだけでストーリーに緩急がつくし、見栄えも格好いい。エンタメ要素が多く含まれているのだ。
※舞台「幽☆遊☆白書」ゲネプロレポートはこちら
舞台「幽☆遊☆白書」開幕 崎山つばさ・鈴木拡樹ら出演 「伝説的な作品になるように」(写真全20枚)
たとえば峰倉かずやの「最遊記」や藤崎竜の「封神演義」。どちらもミュージカル化されている。
『最遊記歌劇伝-Darkness-』
集合ビジュアル公開!2019/6/6~14【ヒューリックホール東京】
三蔵一行を襲う、過去最悪の闇――。
須らく看よ。<追加公演(6/10 14:00)チケット抽選先行>
本日4/24(水)23:59締切!お見逃しなく!
カンフェティhttps://t.co/kEfU7A3YYP#最遊記歌劇伝 pic.twitter.com/ls6foGhP2U— 最遊記歌劇伝 (@saiyuki_kgkdn) April 24, 2019
演技に加えてアクションシーンと歌があるので、五感で登場人物たちの心情を感じやすくなるのだ。
そして、純粋に俳優陣の殺陣やアクション技術の高さに驚かされるだろう。
キャラクター達が紙や画面のなかで繰り広げてきた闘い。それが現実の世界で起こったなら、どれほど過酷で危険なものなのか。
役者たちが目の前で繰り広げる失敗の許されない真剣勝負。そんな彼らの姿を通して、より原作キャラクターへの想いが募ることは間違いない。
※ミュージカル「封神演義-目覚めの刻-」のゲネプロレポートはこちら
人気漫画『封神演義』がミュージカルに!橋本祥平、安里勇哉ら人気俳優が勢揃い(写真全16枚)
あの頃の夢とロマンが詰まった世界が眼前に広がる! 名作少女漫画の舞台化作品
少年漫画原作の舞台を紹介したところで、次は少女漫画原作の作品をみていこう。
少女漫画が原作の2.5次元作品といえばミュージカル「セーラームーン」が有名だ。しかし、それ以外にも続々と舞台化されているのを知っているだろうか。
今回は、那州雪絵の「ここはグリーン・ウッド」、渡瀬悠宇の「ふしぎ遊戯」、さいとうちほの「少女革命ウテナ」を紹介したい。
<お知らせ✨続き>
アフターイベント
幾原邦彦監督をはじめ、奥井雅美さんや声優の緑川光さんをお迎えしての
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明日は鳳暁生による、秘密の告白室。出演者による秘密の懺悔をお送りします★当日引換券
ローチケ:https://t.co/XaEb6L2XvS
ぴあ:https://t.co/5UEFJmk4Xi pic.twitter.com/drwn5XIpMY— ミュージカル「少女革命ウテナ~深く綻ぶ黒薔薇の~」 (@musical_utena) July 1, 2019
「ふしぎ遊戯」と「少女革命ウテナ」はどちらも女性キャラクターが主人公。舞台版でも、女優陣の奮闘を楽しむことができる。
彼女たちもまた、華奢な身体からは想像できないスタミナとパワーでアクションも歌もこなしていく。
漫画で読んで、アニメで観て憧れた女の子たち。時を経て、10代や20代のキャストがそれらのキャラクターに息を吹き込んでいく姿は、昔からのファンにとっては親心に近いものを感じるかもしれない。
連載当時とはまた違った感覚で、主人公たちに感情移入することができるだろう。
一方で、「ここはグリーン・ウッド」はまた少し違ったテイストの作品だ。
珠玉の名作が待望の初舞台化!!
SCHOOL STAGE『ここはグリーン・ウッド』
2019年7月19日(金)~7月28日(日)
@天王洲 銀河劇場公式HPや公式ツイッターにて随時情報を更新していきますので、お楽しみに!#ここはグリーン・ウッド #上演決定https://t.co/gnm8Cc3z4d pic.twitter.com/R2ibACD0oI
— SCHOOL STAGE『ここはグリーン・ウッド』公式 (@stage_greenwood) June 1, 2019
男子校の寮を舞台に繰り広げられるどこにでもある日常……に見せかけた、賑やかで繊細な風に乗って過ぎていく青春を鮮やかに描き出すストーリーである。
舞台版では、高校生ならではの熱くて、ねじれて、敏感な感情を、各キャラクターを通して丁寧に描き出している。
この作品もまた、原作連載から時間が経ったいまだからこそ、新たに受け取れるものがあるはずだ。
※SCHOOL STAGE『ここはグリーン・ウッド』レポートはこちら
どこにもない特別な毎日、バンザイ!SCHOOL STAGE『ここはグリーン・ウッド』キャラ15名をご紹介
昭和・平成を駆け抜けた名作が、令和の時代に舞台で再び息吹く
全員集合のキービジュアルが解禁!!さらに公式HPにてあらすじも公開しました!!チケットはいよいよ今週16日(日)10時より一般発売がスタートいたします✨先着順となりますのでお申込みはお早めに🍑 https://t.co/177ICxSIHP #封神演義 #全員集合ビジュアル pic.twitter.com/thKDqd5t1b
— 「ミュージカル封神演義-目覚めの刻-」 (@musical_houshin) December 14, 2018
キャラクターと同じ空間で彼らの生き様を直接目にできるのが、舞台の大きな魅力のひとつだろう。
そこには2次元では直に感じられない“息遣い”がある。こればかりは、実際に体感してみないことには、なかなか理解できない部分かもしれない。
どの作品も、ほとんどの場合当日券が発売されている。もし好きな作品が舞台化されることがあれば、当日券を活用して一度は実際にその目で2.5次元作品を観てみてほしい。
ステージのうえで躍動する懐かしいキャラクターたちに、胸が熱くなるはずである。
さらに、昔懐かしい作品が舞台化することのメリットは他にもある。
連載やアニメが終了して久しいと、原作サイドの新たな展開を望めないことが多い。
しかし、舞台化によって原作側に新たな動きがあることも少なくないのだ。
例えば、原作者がキャスト宛にキャラクターの描き下ろしイラストを描いて渡したり、パンフレットに原作者のコメントやイラストが掲載されたり。
「令和の時代にまさか拝めると思っていなかった!」ものに、舞台化をきっかけに出会えるかもしれないのだ。
加えて、舞台版がチケット即完売の大盛況だったとしよう。そうすれば、その作品にまだ勢いがあること、多くのファンがいることを製作サイドに知ってもらえる機会にもなるのだ。
初めての2.5次元作品、必要なものはチケットと“愛”だけ
“2.5次元作品”もブームといわれるようになって10年以上が経つ。冒頭でも述べたように、2.5次元作品というジャンルがひとつの趣味として市民権を得つつあるなかで、観客の年齢層や性別も幅広くなってきている。
「初めてだから……」「年齢が……」と気にする必要はひとつもない。
劇場に集まるのは、原作やキャストへの“愛”を持った人たちだ。原作が好きな気持ちを、ぜひ観劇という体験につなげてみてほしい。
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