3月27日に銀座 博品館劇場で初日を迎えた舞台版「BLACK BIRD」。
先日囲み取材の様子をお届けしたが、今回は本編の様子をたっぷりの写真とともに紹介する。
囲み取材でキャスト陣が口々に「愛が詰まった作品」と話していた通り、隅々まで舞台ならではの演出と原作へのリスペクトが込められていた本舞台。
あの生で観る臨場感と熱量を文字でお伝えきれるのか不安なところだが、少しでも現場の空気感を味わってもらえるよう心を込めてレポートしたい。
本舞台は、桜小路かのこによる漫画「BLACK BIRD」(小学館刊)が原作。人間と妖怪の切なくも激しい恋愛を描いた物語だ。
朝倉ふゆな演じるヒロインの美沙緒は、「仙果の娘」と呼ばれる、自らの肉体や血が、妖(あやかし)力を与える特殊な人間。16歳の誕生日を境に力が発現してしまい、妖から命を狙われてしまう。
そんな彼女の目の前に突如現れたのは、幼少期から憧れていた初恋の相手・烏水匡(うすい しょう)。
久しぶりの再会に感激するのもつかの間、彼も美沙緒を狙う妖の「天狗」だったのだ。
▲ビシッと決めたスーツ姿も必見
匡は妖から美沙緒のことを守ることを誓い、幼い頃に交わした「花嫁にする」という約束を果たすために再び現れたことを告げる。
突然知る自分の運命と、幼馴染の正体に戸惑う美沙緒。
美沙緒の身を狙って、次々と現れる妖たち。その度に、自分の命に変えてても美沙緒を守ろうとする匡に美沙緒は少しずつ心を開いていく。
お互いの気持ちを知り、運命を共にしたいと願う美沙緒と匡。しかし、そんなふたりを待ち受けているのは儚くも厳しい運命だったーー。
▲原作の世界観を存分に表現した、妖艶なオープニングシーンも必見
▲敵対視する兄弟・烏水祥(左:神田聖司)と烏水匡(右:松村 優)
▲匡と美沙緒を守る八大天狗(のうち4人)。イケメン天狗たちがついに舞台上に…!
▲演出家のキムラ真さんから「キスシーンは10回以上出てくる」と宣言された通り、控えめに言っても濃厚なラブシーンが多い
先日稽古場にお邪魔したときも今回の大胆な八百屋(傾斜がついた舞台のこおと)にびっくりしたが、改めて見ても驚かされる。
この舞台上で和装をビシッと決めたキャスト陣たちが殺陣のシーンを繰り広げる光景は、圧巻のひとこと。八百屋舞台が作り出す迫力が、彼らの魅力をさらに引き立てる。
▲神田聖司演じる烏水祥の、冷酷な視線…!そして迫力…!
▲白蛇の一族である道成寺 希世(左:石川志織)と権助(右:山口大地)
▲散っていく紙吹雪が、儚くて美しい
▲匡の親友である、葛葉 忠信(早乙女じょうじ)
このふたりを待ち受ける運命も切ない
▲八大天狗のひとりである相模(太田将熙)と
あやめ(花奈 澪)のシーンはハンカチ必須
▲ラブラブすぎる美沙緒と匡に動揺する姿がかわいい
▲この冷酷な視線…!そして迫力…!(2回目)
作品の1話目から丁寧にストーリーが展開されていくため、原作を読んでいない人でもすんなりと話に入り込める。妖艶で、美しい世界観にすぐに引き込まれていくだろう。
ただ制作関係者が、本作をより楽しむコツととして「原作を読むのが1番」と答えてくれた通り、原作を読んでおくと更に演出やキャスト陣の素晴らしさに気が付けるかもしれない。
本公演は31日まで銀座の博品館劇場にて行われる。
生ものである舞台ならではの独創的な演出が凝らされた本作。ぜひ劇場で、その世界観を体感して欲しい。
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