3月27日より、銀座 博品館劇場にて舞台版「BLACK BIRD」が開幕を迎える。
人間と妖怪の切ない恋物語をテーマにした漫画「BLACK BIRD」(小学館刊)が原作である本舞台。桜小路かのこ先生の累計600万部突破の大ヒット作だけに、どんな舞台になるのか注目を集めている。
先日2.5ジゲン!!は制作発表会の場に駆けつけ、キャスト陣の意気込みについて話を伺ったが、どうしてもその後が気になってしまった編集部は、稽古場にお邪魔することに。
今回は、初日を約2週間後に控え、良い緊張感に包まれた現場の様子をお伝えする。
八百屋舞台で仕掛ける舞台版「BLACK BIRD」の魅力
スタジオのなかに入った途端、我々の目の前に飛び込んできたのは「八百屋舞台」の装置だ。
制作発表会で演出のキムラ真さんから「可動式の八百屋を使う」とは聞いていたものの、あまりにも大胆な装置に言葉を無くした。舞台全体に大きい傾斜がついているのである。
前から見ると、舞台奥に向かって高く狭くなっている。平面の床よりも奥行きを感じるが、キャスト陣はこの上で演技をすると思うと、いくら体力があっても足りないのではないかと心配になってしまうほどだ。
稽古場に入ったときは、通し稽古が始まる前の休憩のタイミング。
休憩中も殺陣やダンスを入念に確認したり、自分のセリフを繰り返し確認したりと初日2週間前の緊張感もありつつ、楽しそうに和気藹々と話す場面も。
しばらくして休憩終了の呼びかけがかかると、一気に稽古場の空気が締まる。「安全第一で」という一言とともに、いよいよ通し稽古が始まった。
約1週間半前に行われた制作発表会のとき、烏水匡役の松村 優と原田実沙緒役の朝倉ふゆなは稽古に参加したばかり。すでに参加時点で他のメンバーの完成度が高すぎて「やばいの一言に尽きる」と話していた。
しかし、彼らはそれから数日しか経っていないとは思えないほど、そこには健気な実沙緒と、まっすぐに彼女を愛する匡様がいた。
通し稽古前にも戦闘シーンの練習に専念していた松村 優は、傾斜がついた八百屋舞台上でも安定した殺陣を披露。
動きの大きい殺陣は、平面な地上でも危険を伴うもの。不安定な足元の場所では、なおのことだ。しかし、松村はそんな状況も厭わず匡様らしい力強い殺陣を魅せる。
▲伯耆らしい、優しげな眼差しを見せる正木郁
▲前鬼について「誰よりもまっすぐで、自分に正直に生きている」と話していた碕。その素直な性格を、全身全霊を込めて表現する
▲視線ひとつで、冷淡な烏水祥を見せていく神田聖司
八百屋以外にも、演出家のキムラ真さんが「あえてアナログな方法で人間が表現する」と制作発表会で話していた意味を考えさせられる演出も多々あった。
観客の想像を掻き立てる美しい演出の数々に、心が奪われること間違いなし。
少女漫画原作ならではと言える胸キュンシーンも息をつく間も無く展開されるので、観劇する予定の人は心して観たほうが良いだろう。
いつの間にか息をするのを忘れてしまわないように要注意だ。
▲この5名が、舞台上でどんな「BLACK BIRD」の世界を魅せるのか
※全写真は記事下の「画像一覧」から
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