エン*ゲキ#05【-4D-imetor】が本日8月5日(木)、東京・紀伊國屋ホールで開幕。取材会と公開ゲネプロが行われた。
同舞台は池田純矢が脚本・演出を手掛け「るエン*ゲキ」シリーズ第5弾。当初は2020年に上演が予定されていたが新型コロナウイルスの影響による延期に。約1年の準備期間を経て、今回、上演に至った。
国立研究所に務めた後、私設研究機関「渡来超能力研究所」を設立した渡来暦(演:池田純矢)。突如行方不明になった兄を探すために、世間から変人と噂されながらも、助手の山田一郎(演:田村心)と共に超能力の解明に明け暮れていた。
ある日、研究所の壁面から、まるでテレポーテーションのように現れた少女・ノア(演:生駒里奈)。記憶を失った彼女のルーツの手がかりは「ノア、必ず帰ってこい。渡来超能力研究所で待つ」というメッセージが記された血まみれのメモだけだった。
一方、時を同じくして、首相官邸では斉木国成(演:村田充)率いるテロ組織が総理を人質にとり、立て籠もるという事件が発生。渡来は、ノアやテロ組織を四次元世界に干渉できるように進化した新人類“4Dimetor(フォーディメーター)”と推論し、事件の真相とノアの正体を探る…。
物語の合言葉は「さあ、好奇心の扉をあけよう!」。
量子力学という一見難解なテーマである本作。この理論を理解していなくても十分に楽しめる内容になっているのだが、冒頭、池田演じる渡来が物理を論じる姿はまさに“変人”そのもの。膨大な量のセリフを饒舌に語る姿は必見。
また、新人類“4Dimetor”が操る超能力の演出にも工夫が凝らされており、生駒や村田ら演じる超能力者たちのバトルシーンも見どころだ。
そして物語の中核である、少女・ノアの正体、血まみれのメモ、兄の行方…。散りばめられた謎たちが徐々に解明されていくと同時に、それぞれの存在意義が問われていく。
取材会には池田純矢、生駒里奈、村田充、松島庄汰、田村心、新子景視、阿南健治が出席。
池田は「この作品は構想含めてると11年半かかっています。昨年上演中止になって、ようやく今日初日を迎えるわけですが、嬉しい、楽しいという感情よりも、まずは『ありがとございます』と感謝です」、生駒は「今の情勢や世界を見ると『いいのかな?』という思いもありますが、誰かを楽しませるために私達は存在しているので、それができる喜びがあります。お客さまには(この舞台で)絶対に幸せになってほしいです」と開幕を直前控えた心境を明かす。
見どころについて、生駒は「私が演じるノアは4次元人でございます。ポカンですね?(笑)見てください!」。体育が一番嫌いな教科だったとしつつも「アクションが派手かなと思っていて、すごい楽しくやっています。これからアクションをやっていきたいと思うくらい。仮面ライダーになりたいです!」と笑顔。「自分の存在意義って何だろうというところがノアを通して思いを届けられたらいいなと思います」と熱を込める。
そんな生駒に対し、池田「天才だと思っています。俳優としても、存在としても天才。何をやらせても一級品だし、オーラがある」「作品で大事な部分でもあるんですけど、ノアはハツラツとしていて求心力のあるキャラクターではあるんですが、根っこの部分は儚くてもろくて繊細な部分もあって、繊細な部分をぜひ演じていただきたいと当初から話していて、そこをうまく演じていただいて、キャラクターと生駒里奈という人間が癒着していく感じが感動しましたね」と絶賛した。
最後に池田は、「演出家としましては、紀伊国屋ホールには井上ひさし先生、つかこうへい先生の写真が飾ってありますが、歴々たる方々に名を連ねられるような演出家になっていきたいと思っています。その第一歩をこの作品で踏み出したいと思っていますので、キャスト・スタフ一同の魂の結晶のような作品ですので、ぜひぜひ楽しんでいただきたいと思います」と呼びかけた。
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