野球×エンターテインメント『ACTORS☆LEAGUE 2021』が7月20日、東京ドームで開催された。本大会は、黒羽麻璃央の呼びかけに城田優、山崎育三郎、尾上松也、和田琢磨、和田雅成ら豪華俳優たち総勢37人が賛同し、開催されたもの。
黒羽麻璃央がキャプテンを務めるBLACK WINGSと和田琢磨がキャプテンを務めるDIAMOND BEARSに分かれ、両チームが野球で真剣勝負。他にも様々な楽しみが盛り込まれたイベントとなった。
豪快俳優陣37名による真剣勝負
東京ドームの開場時間は15時。まずはDIAMOND BEARSのウォーミングアップから始まった。監督の尾上が内外野にノックをし、選手は声を出しながらボールを回す。ミットやグラブに吸い込まれる白球の音とともに「もういっちょ!」「いいぞ!」と生き生きとした声が場内に響く。15分ほどで今度はバッティング練習。いい当たりに観客席からは拍手が起こった。
16時からはBLACK WINGSのウォームアップ。まずはキャプテンであり発起人の黒羽、続いて選手が1人ずつグラウンドに飛び出していく。バッティング練習では快音が響き、選手たちの顔が笑顔でいっぱいになる。徐々に埋まり始めた内野席の熱気につられるようにグラウンドの練習も熱を帯びていき、続くノックでは監督の山崎がバットを握った。
試合開始前には選手紹介が行われ、1人ずつコールとともにグラウンドに飛び出して2塁ベース上のお立ち台で思いを口にした。DIAMOND BEARSのキャプテン・和田琢磨は「今日は盛り上がっていきましょう!」と、穏やかでも試合を楽しみにしている気持ちを声に乗せる。対するBLACK WINGSのキャプテン黒羽は「今現在、日本の中心は俺たちアクターズリーグだ!」と叫び、場内を盛り上げた。
各チームのスターティングメンバーは以下の通り(カッコ内は背番号)
【DIAMOND BEARS】
1.和田雅成(ショート)(6)
2.和田琢磨(キャッチャー)(2)
3.北園涼(センター)(22)
4.横山真史(ファースト)(25)
5.上田悠介(ピッチャー)(27)
6.上田堪大(サード)(1)
7.鳥越裕貴(ライト)(331)
8.椎名鯛造(セカンド)(4)
9.石橋弘毅(レフト)(845)【BLACK WINGS】
1.近藤頌利(サード)(1)
2.岡宮来夢(セカンド)(966)
3.笹森裕貴(ショート)(33)
4.有澤樟太郎(キャッチャー)(10)
5.八木将康(ファースト)(16)
6.井阪郁巳(センター)(193)
7.阿部顕嵐(ライト)(51)
8.橋本祥平(レフト)(7)
9.黒羽麻璃央(ピッチャー)(968)
試合はDIAMOND BEARSの先行で始まり、BLACK WINGSの先発は黒羽。DIAMOND BEARSの先発投手は上田悠介で、両投手とも好調な立ち上がりでヒットを許さない。
初ヒットが出たのは2回裏、BLACK WINGS・井坂の3ベースヒット。ワンヒットで1点先取という場面になったが、上田堪大のファインプレーによりDIAMOND BEARSはピンチをしのいだ。またこの回は、八木の打席で和田琢磨のファールフライ捕球もあり、いくつものナイスプレーが光った。
試合の合間には、コミッショナーである城田のスペースに選手が2度招かれた。1度目は高野。くじびきに書いてある質問に答える形式で「今年上半期で一番嬉しかったことは?」との質問に、高野洸は「今日の思い出になりそうです」「楽しくてしょうがないです」と即答し、城田から「100点だ」と絶賛された。
2度目の来客は岡宮。「試合で自分が登場するテーマソングを選べるとしたら?」という質問に、岡宮は「GReeeeNの『キセキ』です」と答えたところで、城田の顔を見て「あっ…!」と目を見開いて息をのんだ。この曲が主題歌として使われていた2008年の連続ドラマ「ROOKIES」(TBS系)に目の前の城田が出演していたことが頭の中で繋がった様子。にやりと笑う城田と嬉しそうな岡宮2人が印象的なコーナーとなった。
解説席の荒牧慶彦は「バッターボックスまでの距離は?」「こういう時のバッターの心理は?」など、野球未経験者ならではの素朴な疑問をプロ野球実況経験豊富な清水久嗣アナウンサーに質問。同じく解説席の佐藤流司は、グラウンドの野球に見入りながらも選手の補足情報をうまく挟み込みながら試合解説を進めた。
試合が動いたのは3回裏、BLACK WINGSの攻撃。黒羽のツーベースからの小西詠斗によるファースト頭上を抜くライナーで黒羽がホームに帰り、BLACK WINGSが1点先取。なお小西はこの後も好守でピンチを救うなど活躍した。
試合が進む中で、4回表に突然レフトグラウンドに巨大な猫(着ぐるみ)が乱入し、俊足の高野が捕獲役に命じられた。トリッキーな動きで高野を翻弄する猫だったが、追いかけっこの末ようやく捕獲された。着ぐるみの正体は何と染谷俊之。捕獲され、正体が明かされてもなお暴れ、鳥越と和田雅成をグラウンドになぎ倒すなど、周りを威嚇し続ける“染谷猫”に場内は大盛り上がりとなった。
4回裏には、小学校時代に半年だけ野球経験があるという椎名が登板。野球の舞台をきっかけにほぼ初心者状態からナックルボールまで投げられるようになった運動神経の良さと負けん気の強さを発揮し、駒大苫小牧高校にて甲子園出場経験のある八木を3振に抑え、マウンド上で喜びを爆発させた。
次に試合が動いたのは5回表。2アウト1-3塁の場面で、BLACK WINGSの投手・近藤から結城伽寿也が左中間を抜くタイムリー2ベース。元・独立リーグ和歌山紀州レンジャーズの選手という経歴を持つ岩瀬恒輝の3ベースヒットでランナーが2人ホームに帰り、逆転。
すると続く5回裏では監督・尾上がマイクを握り、「ピッチャー俺」と宣言してリリーフに入ることに。それに触発されたのか、監督・山崎も「代打、僕」。突然の監督対決の勝敗は尾上に軍配が上がったが、場内の空気はさらにヒートアップ。
この後、尾上監督から代わったピッチャー・結城が平野にデッドボールを当ててしまうアクシデントが。マウンドに詰め寄る平野にざわつくグラウンド内と客席。しかし二人は少しの揉みあいの後笑顔で抱き合いハッピーエンドとなった。
終盤、力の入ったBLACK WINGS投手陣の乱れを突きDIAMOND BEARSが追加点を上げていく。西川に代わり再度黒羽が登板し、ピシャリと抑えたものの点差は6-1。ここで山崎監督が「助っ人、出てこいやぁ!」と助っ人を呼び込む。
ガムを噛みながらリリーフカーに乗って現れたのは何とspi。サングラスを外すと目の下にはアイブラック(太陽光やナイターの光の眩しさを軽減させるもの)。それを見た解説席の佐藤は「暗いのに日よけしとる」と爆笑。
BLACK WINGSとDIAMOND BEARS、ちょうど半分の色デザインのユニフォームを着たspiはリリーフカーを降りるとBLACK WINGSベンチに駆けつけ「楽しんでいくぞ!」とベンチを大いに盛り立てて左バッターボックスに入った。「メジャーのヤンキースで5年間4番やってました。大谷(翔平)君とは仲良しです」という経歴ながらパラメーターは「胸囲110、身長186、野球経験0、袖にはけるスピード8000、歌唱力20000」のspi。しかしピッチャー北園に空振り3振に抑えられ、笑顔でベンチに戻った。
試合はBLACK WINGSが最後まで粘りを見せたものの6-1のままDIAMOND BEARSの勝利となり、ゲームセットとなった。
試合終了後には各賞の受賞者が発表された。
ファインプレー賞は好守でチームの序盤を救い、守りの基礎を作った上田堪大。「もらえるとは思えず嬉しい限りです。みんなのおかげです」と笑顔を見せた。ハッスル賞は、バッターボックスでツーストライクに追い込まれながらも「追い込まれてない!」と大声で実況に抵抗するなど場を盛り上げた鳥越裕貴。「この企画最高ちゃう? 黒羽麻璃央ありがとう!」と発起人の黒羽への感謝の言葉を口にした。
ハーゲンダッツ賞の阿部は「アイス大好きなんです」と嬉しさを素直に表現、ほろよい夏の白いサワー賞は、初心者に寄り添った解説をしたという理由で解説の荒牧。「僕ですか?」と声を裏返らせながら、「予想していなかったんですけれど、みんなの素晴らしいプレーを魅力あるものにしようと必死に解説しました。両チームの死闘、素晴らしかったです、野球が好きになりました」と受賞の感想をコメントした。
MVPは、好守ともにDIAMOND BEARSの勝利に貢献し、経歴にたがわぬ活躍をした岩瀬恒輝。賞品が車と聞き「免許は持ってないので今から免許合宿に行きます!」と場内の笑いを誘った。
最後に黒羽から「この企画に参加してくだった先輩方、大好きな俳優仲間の皆さま、観てくださるお客さま、スタッフの皆さまのおかげでこの東京ドームで夢のような1日を過ごすことができました。まだまだ野球×エンタメには無限の可能性があります。今後とも応援していただければと思います」「大変な厳しい状況が続く世の中ではございますけれども、今日という日を思い出して、観てくださった皆さま、参加してくださった皆さまの気持ちが、少しでも前を向いて前進していただければ」と挨拶して大会の終わりを締めた。
取材・文:広瀬有希/カメラマン:小境勝巳/(C)ACTORS☆LEAGUE 2021
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