レポート

舞台「この音とまれ!」イベントレポート 生演奏披露の「放課後生配信」特別編

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2019年6月30日(日)、渋谷と大阪にて舞台「この音とまれ!」のイベントが開催された。「放課後生配信」のタイトルで6月12日から配信されている企画の特別バージョンだ。

通常の配信はキャストのみでおこなわれているが、この日はファンを招いての公開配信となった。

登壇者は久遠愛役・財木琢磨、倉田武蔵役・古田一紀、鳳月さとわ役・田中日奈子の3名。

今回は、渋谷で開催された昼の部の様子をお届けする。

初めての、観客有り生演奏披露! 稽古の成果は?

この日の東京でのメインMCは古田一紀。高めでよく通る声の司会でイベントが進められる。

まずは田中日奈子のバースデーサプライズから。

田中の誕生日はイベント数日前の6月27日。花火が立てられたスイーツのプレートと場内のハッピーバースデー合唱に、何も知らされていなかった田中が喜びと驚きのあまり思わず涙ぐむシーンも。

▲「舞台始まる前なのに泣いちゃった!」と喜ぶ田中

次に箏の生演奏、「今日の一音」課外授業スペシャルのコーナー。

「今日の一音」は、キャストたちが箏の稽古で学んださまざまな弾き方を配信視聴者に伝えながら、劇中曲の「龍星群」のフレーズを少しだけ聞かせてくれるお馴染みのコーナーだ。

田中「立てた『地』が少しずつ動いて音が変わってしまうのと、最後に生演奏だと、緊張しちゃって私たちのメンタルがもたないから(笑)」

とのことで、普段は最後にやるコーナーだが、この日はイベントはじめにおこなった。

▲1日5~6時間も稽古にあてるときもあるそう

田中が弾くのは、鳳月さとわが担当する十七絃だ。十七絃は、通常の箏よりも一回り大きく、絃も太い。音は低音で、バンドでいうところのベースを担当することが多い。(この曲では財木は1コト、古田は5コトを担当)

MC古田の紹介で9種類の弾き方(奏法)が披露される。

だららら、と滑らかに等速で音程を上げ下げするグリッサンド、親指をすくいあげるようにしてツメの裏側で絃を弾くすくい爪、ツメをつけていない指で弾くピッチカートなど。

▲押し手。左手で絃を押し、絃の張力を高めて高い音を作り弾く奏法。ちゅいん、と上げ下げする半音表現ができる

財木「そんなに力は必要ないんだけど、力が入っちゃう」

古田「先生は細いのに、俺が筋肉バッキバキに鍛えてグッて押してもいかないのをスッて押せるからすごい」

ひととおり奏法を紹介したところで、財木と田中による合奏となった(大阪では財木と古田での合奏)。

▲2月から時間をかけて稽古している「龍星群」のワンフレーズを合わせる財木と田中

実は観客を前にしての演奏は初めての2人。「緊張する!」を連発。

会場が熱気を持ったところでクイズのコーナーへ。

箏の部位の名称について、財木と田中が知識対決。2人とも苦戦しながらもさすがは家元役、田中の勝利となった。

負けた財木は罰ゲームとして、バケツを持って立たされることに。

財木「(指先でバケツを持ちながら)指先鍛えたかったからちょうどいい」

そしてトークは、稽古場の風景やちょっとしたエピソードの話題へ。原作内でも登場するもんじゃ焼きをみんなで食べに行ったり、空き時間に駅ビルを歩いたりと、部活感を楽しんでいる様子が語られた。

「画伯は誰だ?」美術部体験入部のコーナー

舞台は筝曲部だが、絵心を試そうということで3人がそれぞれ互いの自画像を描くことに。

▲シンプルな線による顔が可愛い、田中による財木と古田(とウサギ)

▲「これエコバッグとかのグッズにしない?」財木による古田と田中の似顔絵

▲古田は「たなかひなこ」の字で田中の顔を、ひらがなの「さ」をメインにした「ざいき」で財木の顔を。「財木って『さ』っぽくない?」

イベントのラストを締めくくるのは「目指せ!」タペストリーへの文字入れだ。真っ白の布地にまずは財木が「目指せ!!」と大きく書き入れた。

(原作では3巻以降「目指せ全国!!」と書かれたものが部室に貼られることになる)

すると古田が左上に「すこやか」と記入。何のことかときょとんとする2人と場内に、古田が思いを語った。

古田「本番はもちろん、稽古中も『演奏ができない』と追い詰められないように準備をしっかりして、心も体も健やかに保てるように。自分だけじゃなくてみんなね。俺は本番中めっちゃ早く寝ます!」

役柄に対してストイックなアプローチをする古田ならではだ。

本番まで一か月半! 演技に箏に、100%の全力で臨みます!

イベントの最後は、3人から作品に対する思いとファンへのメッセージが送られた。

田中「今日は誕生日からお祝いしてもらって、すごく嬉しかったです。キャストの中では最年少なのですが、頑張っていきます!」

古田「箏を弾くのがすごく楽しくて『観てくれ!』って気持ちで本番が待ち遠しいです。これから演技の稽古もして、いいものを作っていきます。俺のことは安心して(笑)、待っていてください」

財木「お客様の前で箏を弾くのが初めてで緊張していたんですけれど、本番ではもっとメンタルも鍛えて、100%の力が出せるように頑張ります!」

舞台「この音とまれ!」は2019年8月17日(土)から、全労済ホール/スペース・ゼロ、福岡・ももちパレス、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。

この舞台は2月から8月までという、昨今の2.5次元舞台の中でも異例とも言えるほどの長い準備期間を持っている。

キャストは、自宅での自主練習やさまざまな他の仕事の合間に集まって箏の練習を行っているが、まさに「部活」の感覚になるだろう。

時瀬高校筝曲部、6人のメンバーが体育館で演奏する「龍星群」、キャストたちの「届きやがれ」の思いを劇場で受け止めたい。

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公演情報

タイトル

舞台「この音とまれ!」

原作

アミュー「この音とまれ!」(集英社『ジャンプSQ.』連載)

脚本・演出

伊勢直弘

箏曲監修

橋本みぎわ

劇場・日程

【東京公演】
全労済ホール/スペース・ゼロ
2019年8月17日(土)〜25日(日)

【福岡公演】
ももちパレス
2019年9月7日(土)〜8日(日)

【大阪公演】
森ノ宮ピロティホール
2019年9月14日(土)〜15日(日)

キャスト

久遠愛役:財木琢磨
倉田武蔵役:古田一紀
鳳月さとわ役:田中日奈子
足立実康役:塩田康平
堺通孝役:小島ことり
水原光太役:上仁樹
高岡哲生役:小沼将太
教頭役:山﨑雅志
久遠源役:加藤靖久
仁科静音役:藤田弓子

チケットについて

詳細は公式サイトから

公式サイト

http://officeendless.com/sp/konooto/

公式Twitter

@konooto_butai

制作

Office ENDLESS

制作協力

上野志津華

アソシエイトプロデューサー

池長彩也子

プロデューサー

下浦貴敬/山田泰彦

主催

舞台「この音とまれ!」製作委員会

©︎アミュー/集英社・舞台「この音とまれ!」製作委員会

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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