ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 3が10月29日(土)~10月30日(日)に大阪・Zepp Namba(OSAKA)で開幕し、オフィシャルレポートが到着した。
2022年に、10周年を迎えたミュージカル『薄桜鬼』。「薄ミュ」と呼ばれ、長く愛されてきた本シリーズの楽曲を集めたライブコンサート形式の「HAKU-MYU LIVE」が、6年ぶりに10月29日(土)・10月30日(日)に大阪で開催された。11月11日(金)からは東京公演もスタートし、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では大阪・東京どちらも千秋楽公演の配信が行われる。
ミュージカル『薄桜鬼』は、シリーズ累計100万本を超えるゲーム『薄桜鬼』を原作としたミュージカルシリーズ。2012年に第1弾「斎藤 一 篇」を上演し、「殺陣×ダンス×歌」で新選組を表現し続けてきた。2018年には演出に西田大輔を迎え、ミュージカル『薄桜鬼 志譚』として「志譚 土方歳三 篇」「志譚 風間千景 篇」を上演。
そして2021年からは『薄桜鬼 真改』を原作とした、新たなる「薄ミュ」をスタート。「真改 相馬主計 篇」に続き、今年4月には初演ぶりに斎藤一が主役となる「真改 斎藤一 篇」を上演した。
「HAKU-MYU LIVE」は、そんな薄ミュの歴代の作品を彩ってきた楽曲をライブ形式で披露するステージ。これまでに2度行われたが、6年ぶりの開催となる今回は「志譚」「真改」シリーズの4作の楽曲を中心に構成されている。以下、大阪公演千秋楽の一部をレポートする。
暗転の中、陣太鼓がリズムを刻み始める。ステージの上、次々と切り替わるスポットライト。白地のだんだら羽織をきた新選組隊士たちが次々と、暗闇の中に浮かび上がる。「志譚」「真改」の池田屋を象徴する曲をミックスする中、土方歳三(演:久保田秀敏)が「てめぇら! 全力でペンライトとうちわを振って、己の誠を掲げて全力で俺たちについてこい。局長以下我ら新選組一同、Zeppにて御用改めの最中である!」と煽り、会場のボルテージを一気に引き上げる。
各キャラクターが名乗りをあげる場面では、今回、複数キャストとなっている沖田総司(演:北村健人・菊池修司)、斎藤一(演:橋本祥平・大海将一郎)、雪村千鶴(演:牧浦乙葵・松崎莉沙)らが入れ替わって挨拶する一幕も…。東京公演では風間千景役が2名(中河内雅貴・佐々木喜英「東京公演のみ」)と、雪村千鶴役が3名(牧浦乙葵・松崎莉沙・本西彩希帆「東京公演のみ」)となるので、どのような変化が起きるか、注目だ。
そして、今回のライブでは過去の「薄ミュ」公演で歌われた楽曲も一部組み込まれている。シリーズに長く親しんできた方は、イントロだけで心が沸き立つような初期のメインテーマ「ヤイサ! ヤイサ! ヤイサ!」など、久しぶりの楽曲で隊士たちが舞い歌う姿に懐かしさを覚えるのではないだろうか。
このほか、新選組と鬼の一族との戦いが曲中の殺陣で披露されるほか、「真改」名物のあの曲など、さまざまな角度から「薄ミュ」の歴史に触れることができる。さらに、新選組隊士たちの普段の姿が垣間見えるお楽しみコーナーなど、この特別な機会ならではの演出も満載。
また、各回には“特別な客人”としてスペシャルゲストが参加する。大阪公演千秋楽には、初代土方歳三役を演じた矢崎広が登場。初期から変わらぬ近藤勇(演:井俣太良)と、想い出話に花を咲かせた。矢崎は、2012年の初演から 2014年の「風間千景 篇」まで本編に参加。うち、「土方歳三篇」では主演を務めている。過去の映像が流れる中、矢崎は「懐かしさもあり、滾るものもあり…あの頃の僕はギラギラしていましたね」とぽつり。
そのギラギラした想いは、2.5次元ミュージカルの黎明期だったからこそ、溢れ出ていたものだったようだ。それに対し、代替りする隊士たちを見送り、受け入れ続けている近藤(演:井俣太良)の「これがずっと続けばいいなと思う」という言葉に、少し目を潤ませる場面も。目を潤ませたのは、矢崎だけではなかった。袖で話を聞いていた現在の土方歳三(演:久保田秀敏)は、近藤を迎えにきながら矢崎と対面。「袖で話を聞いていたら、こみ上げてくるものがあって…。預かった誠の旗は偉大で重いものなんだと…」と、胸がいっぱいになった様子。「薄ミュ」を作ってきた者、見守り続ける者、引き継ぐ者、それぞれの役者の想いがにじむ言葉を、ぜひ本人たちの言葉で聞いてみてほしい(アーカイブ配信あり)。なお、矢崎はトークのほか、土方歳三を象徴するような楽曲も披露している。
なお、東京公演では11月11日(金)に初代不知火匡役の柏木佑介、11月12日(土)に三代目斎藤一役の納谷健、11月13日(日)に四代目土方歳三役の松田岳(※11月13日(日)17:00公演は配信あり)が登場する。どんな話が飛び出すか、楽しみだ。
「生きざまを見届けていってくれよ!」という近藤の一言から続く、怒涛の宴。羅刹化してしまった隊士たちの決死の戦いから、切ないロマンスまで、楽曲とともに各作品の名シーンが蘇ってくる。10年という時の流れの中で、さまざまな役者たちが志高く、作品を愛し、受け継ぎ続けてきた「誠」をステージに刻んでいた。
公演は11月11日(金)~11月13日(日)に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で上演される。
(C)アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会
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