インタビュー

久保田秀敏・北村健人、“役ではない僕”の見せ方で臨む「HAKU-MYU LIVE 3」

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殺陣×ダンス×歌、そして熱い芝居で多くのファンを魅了してきたミュージカル『薄桜鬼』。シリーズ10周年を迎える2022年は、実に6年ぶりとなるライブ公演、ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 3が上演される。

2.5ジゲン!!では土方歳三を演じる久保田秀敏、沖田総司を演じる北村健人にインタビュー。「LIVE3」に向けて楽しみなことや、役ヘの思いなどを聞いた。

――再び土方歳三、沖田総司を演じることについて、心境をお聞かせください。

久保田秀敏(土方歳三役):年に1回の作品という気持ちが強かったので、前作が終わって半年後に、まさかこうして今度はライブという形で皆さんの前に立てるというのは純粋に嬉しいし楽しみです。ライブというもの自体、他の作品(ミュージカル『テニスの王子様』Dream Live)で経験してから10年近く経っているので、あの感覚も思い出しながら楽しみたいなと思います。

北村健人(沖田総司役):僕が楽しみなのはもちろんなんですが、千鶴ちゃんを演じる方は基本的にその作品でしか千鶴ちゃんを演じられないので、ライブがあることでもう1度演じられるというのは、すごく本人も喜んでいましたね。僕もライブの中で、いっちゃん(牧浦乙葵)演じる千鶴ちゃんとの関わりが再び持てるというのが嬉しいなと思います。

――ご自身の役について、演じる際に大事にしている信念のようなものがあれば教えてください。

久保田:この作品に関しては、ファンタジーでありながらも史実を織り交ぜた作り方になっているんですよね。千鶴っていう女の子は史実にはいないけれども、実際に新選組の隊士たちも女の子に興味はあっただろうし(笑)、女の子が加わればそれによっていざこざもあっただろうし。想像すればいくらでも膨らむのですが、基本的には実在していた人たちの生い立ちや関係性を自分の中に落とし込んでやらないとな、とそこの下調べはちゃんとするようにはしていますね。あとは先日も京都公演の空いた時間で、旧前川邸や八木邸、壬生寺周辺を散策して、自分の中でイメージを膨らませて作品に昇華するようにしたり。自分の中でサブテキストをたくさん持つことを大事にしています。

北村:僕もヒデくんが言ったように、実際に生きていた人物を演じるので、演じる前には沖田総司の墓前で「明日から劇場で演じさせていただきます」ってご挨拶しました。原作物ではあるのですが、実在していた人物を演じるという意味では、他の作品とちょっと違う部分があると感じていますね。本編について言うと、それぞれの関係性だったり、「真改 斎藤一 篇」ならではの沖田総司というものを大事に演じました。

――2作品出演された久保田さんにとっての、「真改」の土方歳三とは?

久保田:土方キャストは僕で6代目で、これまでいろんなキャストの方が土方歳三を演じてきたわけですが、その中で僕に与えられた使命を全うするという点ですごく悩んだんですよ。こういった原作物の作品では、お客さんの中の絶対的なイメージってやっぱり初代キャストの方が、どうしたって強烈な印象を残すじゃないですか。でも、だからといって歴代キャストの真似をするのではなく、自分がその役としてどう生きられるのかっていう部分にフォーカスを当てて役を作ることを大切にしています。そうして生まれたものが、お客さんにとって「ちょっと違うな」っていうものであっても、それはそれで1つの正解なんじゃないかなって。

ちょうど「真改」という新シリーズに入るタイミングでもあったので、もちろん過去作品は観させてもらいましたが、新しいこれまでと違った土方をゼロから作ろうとやってきましたね。結果、蓋を開けてみたら「荒々しくない大人しめな土方だね」という声は聞こえてきたんですが(笑)。なので、荒々しさという点に関しては課題としていつも考えているんですね。でも、荒々しさって表に出せばいいというものでもなくて、内にちゃんと秘めているものがあれば絶対伝わると思うので、その「新選組における絶対的な人」という軸をぶらさないようにっていうのは、土方を演じる上で特に心がけているところですね。

北村:そういうのって周りとのバランスもありますよね。周りがこうだから沖田はこうであろう、とか。相対的なものもあるじゃないですか。

久保田:そうだね。ただ台本上の文字を追うんじゃなくて、どういう気持ちでそこにいるか、その言葉が出たのかっていうのは大切にしていかなきゃいけないよね。

――初めての「HAKU-MYU LIVE」出演に向けて、楽しみなこと・不安なことを教えてください。

久保田:不安はないですね! いかに自分が楽しめるかっていうところだと思います。ライブに来るっていうことは、もちろん楽しみたいっていう気持ちが前提にあると思うので、とにかく僕らが板の上で楽しもうと思います。お芝居とはまた別に、楽しむモードでやらないと成立しないのかなって思いますね。

北村:以前、アイドルのライブステージで北村健人として1曲歌って踊ったことがあるんですが、役ではない僕がそこに立って歓声をもらっているっていうのがすごく不思議な感覚で印象に残っているんです。今回も、語弊を恐れずにいうと、ライブと銘打っているので厳密には“芝居”ではないじゃないですか。だから普段は見せ方よりも芝居や感情を優先させるところを、今回は見せ方に傾けてもいいのかなって思っているんです。そこは今までと作り方が違って、新鮮なんだろうなっていう期待があります。

――ライブならではの、本編では観られない表情や関係性も垣間見えるかもしれませんね。

北村:そうですね。沖田も労咳にならないかもしれないし(笑)。

久保田:あるかもね。(菊池)修司の沖田だけ労咳になって、こっちは元気みたいな(笑)。

一同:(笑)。

北村:「そっちは頼んだ!」ってね。

――ライブでぜひやりたいという楽曲はありますか。

久保田:僕は健人と(近藤勇役の)井俣太良さんと3人で、「刀に込めよう」をセッションしたいです。近藤さんの斬首シーンの歌なんですが、「刀に込めよう」と歌う井俣さんの歌声を、井俣さんのスマホの充電音に設定しているんですよ。健人が設定したんですが、それが身内の定番ネタになっていて。だからワンフレーズだけでもセッションしたいなと(笑)。

北村:解除の方法を教えていないので。さっき井俣さんに確認したら、今もその設定のままでした(笑)。僕が当時Twitterに載せたので知っているお客さんも多いと思うし、僕らのトレンドなので流行らせていきたいですね。

あとは、やっぱりライブなので盛り上がる曲がいいとは思うのですが、落ち着いてきた中盤あたりで「黒猫」は歌いたいです。でも「黒猫」を歌うっていうことは、労咳を発症してしまうので……。

久保田:そうなると健康な沖田ルートは修司に行っちゃうなあ(笑)。

北村:悩ましいな。じゃあ僕が気持ちよく「黒猫」を歌っている後ろで、修司にゴホゴホしてもらおうかな。

一同:(笑)。

北村:せっかく修司と2人で沖田総司役として出演するので、2人いるっていうのを違和感にするのではなく、おいしい感じに調理できたらライブだし面白いなって思います。

――共演や再会が楽しみなキャストを教えてください。

久保田:僕は風間千景役の中河内雅貴くんとご一緒できるのが本当に嬉しくて。以前、僕が演じていた役(ミュージカル『テニスの王子様』仁王雅治役)の初代キャストの方なので。だから個人的に相対する役柄で同じステージに立てるのが嬉しいです。

あとは(佐々木)喜英とようやく一緒にやれるのも楽しみで。2020年の「真改 相馬主計 篇」で本番直前まで一緒にやってきて、「真改 相馬主計 篇」自体は2021年に上演できましたが、ヒデ自身は出られなかったのできっと思い残すものがあっただろうし。こうして風間として戻ってきてくれて一緒にステージに立てるのは嬉しいですね。

北村:再会という意味では全員なんですが、「真改 斎藤一 篇」の沖田としてはやっぱり(斎藤一 役の橋本)祥平ですね。個人的に祥平が座長を務める作品で2作品連続で共演させてもらったのですが、あの背中に大きなものを背負って芝居で作品を引っ張っていく人なんですよ。そういう意味ではライブは「~篇」ではなくフラットなものなので、ストイックな彼にはちょっと肩の荷を降ろしてもらって、純粋に楽しんでくれたらなって思いますし、そんな彼と一緒に楽しみたいなって思います。

――では最後に「薄ミュ」への愛とともに、ファンへのメッセージをお願いします!

久保田:ラブをしっかり込めてね!

北村:はい(笑)。10年近く役者をやってきて、どの作品も誇りを持って臨んだし、どれも自分にとっては大切なのですが、ずっと出たいと思っていたこのミュージカル『薄桜鬼』に出演させてもらった毎日は本当に楽しくて。さらに舞台を好きだと感じられた、分岐点になる作品だと感じていて、それ以降の出演作も以前に増して楽しく感じられるんです。そう思わせてくれた作品だからこそ、このライブでその愛を爆発させたいなと思います。まだ声は出せない状況だと思いますが、一緒に楽しんでいただけたらと思います!

久保田:僕はまだ千鶴と結ばれたことがないので……。

一同:(笑)。

久保田:そちらの愛への期待も持ちつつ、絶対千鶴を振り向かせてやるという思いをライブに込めながら、観にきていただいた皆さんの愛も受け止めつつ、そして次の11年目の「薄ミュ」に繋げられるように、とにかく楽しい空間にしていければなと思っています。

***

6年ぶりの「HAKU-MYU LIVE」とあって、キャストにとってもファンにとっても新鮮で思い出深い時間となるのだろう。「LIVE3」への期待を膨らませる2人の話を聞きながら、改めて「志譚」「真改」シリーズを経て生まれる「HAKU-MYU LIVE 3」への好奇心が掻き立てられた。背負う誠のために激動の時代を駆け抜けた者たちが全力で魅せるお祭り騒ぎは、「薄ミュ」10周年を飾るにふさわしい時間になるに違いない。2人の強い眼差しにそれを確信したからこそ、開幕のその瞬間が待ち遠しい。

取材・文:双海しお/撮影:MANAMI

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公演情報

タイトル

ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 3

日程・会場

2022年10月29日(土)~30日(日)
大阪・Zepp Namba (OSAKA)

2022年11月11日(金)~13日(日)
東京・Zepp DiverCity (TOKYO)

原作

オトメイト(アイディアファクトリー・デザインファクトリー)

構成・作詞

西田大輔

出演

土方歳三 役:久保田秀敏
沖田総司 役:北村健人/菊池修司
斎藤一 役:橋本祥平/大海将一郎
藤堂平助 役:樋口裕太
原田左之助 役:川上将大
永倉新八 役:小池亮介
山南敬助 役:輝馬
山崎烝 役:椎名鯛造
三木三郎 役:砂川脩弥
近藤勇 役:井俣太良

雪村千鶴 役:牧浦乙葵/松崎莉沙/本西彩希帆(東京公演のみ)

天霧九寿 役:横山真史
不知火匡 役:末野卓磨
雪村綱道 役:川本裕之

風間千景 役:中河内雅貴/佐々木喜英(東京公演のみ)

ほか

主催

ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

公式HP

https://www.marv.jp/special/m-hakuoki/

公式ブログ

http://m-hakuoki.jugem.jp/

公式Twitter

@m_hakuoki

(C)アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

WRITER

双海 しお
 
							双海 しお
						

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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