演劇プロジェクト・アメツチ第3回公演「冤罪執行遊戯ユルキル the stage」が4月23日(土)に東京・ニッショーホールで初日を迎えた。前日には公開稽古が行われ、キャストの猪野広樹、高柳明音、松本幸大(ジャニーズJr.)、野澤祐樹(同)が囲み取材に出席した。
本作は、冤罪を訴えている“囚人”と被害者の関係者である“執行人”に別れてペアを組み、「ユルキルゲーム」というそれぞれの過去の事件にまつわるゲームに挑んでいく物語。アトラクションに挑む中でそれぞれの秘密が明かされていく。
猪野広樹が演じる主人公・春秋千石は、殺人罪で懲役999年が言い渡され、冤罪を訴えながらも10年も投獄されている。高柳明音が演じる執行人の莇リナと大量殺人チームとして行動する。
松本幸大が演じる山田風太と野澤祐樹が演じる山田雷太は双子の兄弟で、共謀して事件を起こしたとされている。罪状は強盗殺人罪で懲役78年。二人とも「双子殺人チーム」の囚人という役割で、執行人の嗅土かぐら(演:石塚朱莉)とアトラクションに挑む。
役との共通点と役作りで大変だったことを聞かれた猪野は、「犯罪もしてないですし、共通点は年齢ぐらいですね。芝居としては『やってない』の一点張りで完全に“受け”なので、リナをどう納得させるかを考えながら演じました。でも、今回は誰が真犯人なのかは明言されないので、“千石も犯人の可能性があるんじゃないか?”っていうニュアンスは残す感じで臨みました」。
リナ役の高柳は「リナちゃんは事件によって心を一つ失ってしまったところがあるので、元々のリナちゃんがどんな子だったのかは見えなかったりするんですけど、唯一見つけた共通点が“集合住宅に住んでいた”ということです(笑)」と明かした。
松本は「僕自身はヤンキー感とかロッカー的なところはありませんし、ビジュアル的にも風太とは全く違うんですけど、“負けず嫌い”とか内面の厚い部分は似てるかなって思いました。風太は口調はキツいんですけど、実は家族思いで暖かい人間なんです」と役柄の特徴と共にコメント。
野澤は「お兄ちゃん役の幸大くんは事務所の先輩で、元々お兄ちゃん感があったのでやりやすかったです。風太の口は悪いけど優しいところは、幸大くんも実際に優しいので」と話すと、松本は「ありがとう!」と笑顔を見せた。
囚人と執行人のペアでのシーンが多いため、稽古もペアで行うことが多かったという。高柳は「稽古は千石役の猪野さんとずっと会話合戦だったのでそれが思い出です」と振り返り、「一度、猪野さんが『どうしたらいいんだよ!』っていうセリフを言った時に、Apple Watchが反応して『よく分かりません』って答えたんです。めちゃくちゃ面白く、笑ってしまって一回稽古を止めました。一瞬、役者が一人増えたのかなって思いました(笑)」というエピソードも語った。
「冤罪執行遊戯ユルキル」はゲーム原作だが、発売が延期されたことで、今回の舞台上演が先行する。猪野は「まだゲームはしていないんですけど、役作りに関わることなので、僕だけプロデューサーさんから犯人を教えてもらいました。でも、共演者はまだ知らないんです」と語る。高柳が「『早くゲームをやって真犯人を知りたいです』って言うと、『教えてあげようか』って、すぐに犯人を言おうとするんです(笑)」と明かし、チームの仲の良さをうかがわせた。
猪野広樹
人の“生き死に”がかかった作品なので、「なんでこの人は冤罪を訴えてるんだろう?」とか「なんでこの執行人は囚人を殺したいんだろう?」とか、シンパシー(同情)じゃないエンパシー(共感)を感じてもらいたいと思っています。公演がスタートしますが、座組みの一人、市川美織さんが一緒に初日を迎えることができません。途中から、合流してもらえると思いますが、それまではアンダーのここちゃん(小林香々)がしっかりと一凛花華を引き継いでくれると思います。アンダーとして立つのはすごいプレッシャーだと思いますが、責任感をもってやってくれてますので、僕らも同じように責任感をもって、最後まで駆け抜けたいと思います。劇場でお待ちしています。
高柳明音
今回、ゲーム原作ではありますが、ゲームの発売が舞台よりも後になったということで、舞台を観て楽しんで、さらにゲームをやってみたいなって思ってもらえたら嬉しいです。私たちが物語を紡いでいく中で、“あなたは何を信じて、何を疑うのか?”という感じで楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いします。
松本幸大
「冤罪執行遊戯ユルキル the stage」。“the stage”というのが一番感じてほしいところで、ゲームとはまた違った舞台ならではの素晴らしさ、生の素晴らしさをぜひぜひ楽しんでいただきたいです。4つのチームがバラバラに進行していきますけど、このキャストたち全員で“ユルキル”が成り立っているので、ぜひ劇場で楽しんでもらいたいと思います。
野澤祐樹
ゲームもありますが、舞台版は人が演じることによって、感情の揺さぶられ方が違ってくると思いますので、劇場に来ていただいて、それをお客さまに感じていただけたらいいなと思います。
舞台「冤罪執行遊戯ユルキル the stage」は5月1日(日)まで、東京・ニッショーホールにて上演。
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