舞台「五番目のサリー」の囲み取材と公開ゲネプロが10月20日(水)、東京・よみうり大手町ホールで行われた。主演の彩吹真央と仙名彩世、中河内雅貴、駒田一が意気込みを語った。
同舞台は、『アルジャーノンに花束を』や『24人のビリー・ミリガン』などで知られる作家、ダニエル・キイスの同名小説が原作。“五重人格”のサリーの心の軌跡を描いた作品で、今回は荻田浩一が脚本・演出を担当する。
ニューヨークで働くウエイトレスのサリー・ポーターは、たびたび記憶喪失に陥るという悩みを抱えていた。幼少時から繰り返されてきた記憶喪失のせいで、サリーは仕事も長続きせず、結婚生活も破綻。10歳になる双子の子供も手放し、孤独に生きていた。
そんな中、サリーは精神科のロジャーの治療を受け、自分の心の中に4つの人格が存在していたことを知る。サリーは、ロジャーの指導のもと、人格を統合し「本当の自分」になろうとするが…。
サリー役:彩吹真央 コメント
多重人格の役を演じさせていただく機会はなかなかないものなので、役者冥利に尽きる役に出逢わせていただいたと感謝しています。膨大な原作を2時間に収めているので、とても内容の濃い作品になっています。演出の荻田さんが丁寧に稽古をつけてくださったので、みんなで一緒にやってきたことを自信に繋げて、楽しんで演じていきたいと思います。
今回多重人格という役で、瞬時に人格が変わるので、別人格になる瞬間にどれだけリセットできるかが課題でした。役と役の関係性によって入れ替わる速度も違いますし、瞬間的に声色を変える、感情を変えるというのは、自分の中に正解を染み込ませておかないとできないということをこの役を通して感じました。
ゲネプロを通して、多重人格を演じることへの快感も芽生えてきたので、明日からはもっと全開にして演じていこうと思います。丁寧に丁寧に作り上げてきた作品です。ぜひとも皆さんの目で見届けていただきたいです。人と交わることが少なくなっている現在、この舞台をご覧いただいて、人間の温かい部分やいい部分、つらい部分など、いろいろな側面を感じて、明日から頑張ろうと思っていただけたらうれしいです。
ベラ役ほか:仙名彩世 コメント
稽古場から濃密な時間を過ごせました。今は、初日を開ける怖さよりも楽しみが勝っています。お客さまがどう観てくださるのか楽しみです。素敵なカンパニーなので、千秋楽まで日々作り上げていきたいと思います。
ジンクス役、マーフィ役ほか:中河内雅貴 コメント
荻田さんのプランと自分たちがこうしたいというプランニングが、いい意味でケミストリーが起きている稽古場でした。僕にとっては、まさに理想の稽古ができたので、自信を持ってお客さまにお届けできると思っています。チームワークが素晴らしい座組みなので、彩吹さんに引っ張っていってもらいつつ、僕たちもガッチリと手を組んで一緒に背中を押しながら、ともに千穐楽まで誰一人欠けることなくやり遂げたいと思います。
Inter Self Helper役:駒田一 コメント
荻田さんが雰囲気良く稽古場を作ってくださって、そこにうまく乗っていけました。僕たちのアプローチも認めてくれて、10人のキャストそれぞれが面白い芝居をする、居心地のいい稽古場でした。その色が作品にも出るんじゃないかなと思います。重いと言われる作品ですが、人にはそれぞれいろいろな人格があると思うので、共感できるところも多く、楽しんでいただける作品になると思います。
「五番目のサリー」は10月21日(木)~30日(土)に東京・よみうり大手町ホールで上演。
M・G・H/ニッポン放送
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