『いとしの儚』が10月6日(水)~17日(日)に東京・六本木トリコロールシアターで上演される。
同作は2000年に扉座公演で初演、のちにパルコ劇場や明治座、韓国公演と上演されてきた、横内謙介による“大人の御伽話ファンタジー”。今回、石丸さち子が演出を務める。
鳥越裕貴が主演として主人公・鈴次郎を演じるほか、キャストには、ヒロイン・儚役の鎌滝恵利、鈴次郎のライバル・ゾロ政役の山﨑晶吾、鬼シゲ役の辻本祐樹、鬼婆・僧侶・お地蔵様などの七変化に挑む原田優一、ストーリーテーラーの久ヶ沢徹が名を連ねる。
なお、チケットの一般発売は9月に予定されている。
あらすじ
三途の川で、青鬼(演:久ヶ沢徹)が、あるロクデナシの男の話を語る。その男の名は件鈴次郎(演:鳥越裕貴)。女にも金にもだらしない博打打ちで人間のクズ。人間としては最低だが、博打の神さまに気にいられ、博打では負け知らず。ある時 鈴次郎は、人間に化けて賭場に来ていた鬼シゲ(演:辻本祐樹)と勝負となり、「絶世の美女」を貰えることになった。
その美女は、鬼シゲの知り合いの鬼婆(演:原田優一)が、墓場の死体を集めて、ついさっき生まれて死んだばかりの赤子の魂を入れて作った女。ただし、この女は100日間抱いてはならない。魂と体がくっつくのにきっかり100日かかる。抱かなければ人間になれる。抱いてしまうと水になって流れてしまう。
女は「儚」と名付けられた。人の夢、儚し、のハカナ。そうして始まった鈴次郎と儚(演:鎌滝恵利)の、歪な100日間の物語。鈴次郎のライバル、ゾロ政(演:山﨑晶吾)との戦いが、2人の運命を更に狂わせていく…。
演出:石丸さち子 コメント
横内謙介さんのこの作品、読めば読むほど、再演が繰り返されてきた意味が分かります。読むほどに、描かれた不器用な愛の純粋さが際立つのです。夢が輝きを放つのです。そして、出自がバラバラでなんとも魅力的なキャスティングが決まった今読むと、演出家の妄想世界では、(たとえマスク越しでも)溢れる笑い声、零れる涙…様々な感情の嵐が巻き起こる劇場が見えています。
そして稽古に入ると、曲者俳優たちはわたしの想像など遙かに超えてきそうです。主演の鳥越君とは、いつか真っ向からぶつかりあって、一緒にいい作品を創ろうねと約束していました。それを稽古場で叶えます。こんな「今」だからこそ、演劇のはち切れんばかりの楽しさ、愚直な愛、気恥ずかしいほどの純粋さを、お届けしたいと思っています。
主演:鳥越裕貴 コメント
この名作に出演できることを嬉しく思います。この脚本を読み終わった後、何故か心温まったのを覚えております。と同時に脚本のすごみに震えました。そしてプレッシャーをビシバシ感じました。が稽古をしたくてウズウズしています。何故かと言いますと石丸さんと“いとしの儚”でご一緒できることが嬉しくてたまらないんです。
まだ稽古が始まってもいないのに自分にとって大切な作品になるだろうな、と早くも感じております。素敵なキャストの皆様と共に“いとしの儚”にのめり込みたいと思います。
キャストコメント動画
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