役者たちの熱意、演じる喜び…『地縛少年花子くん-The Musical-』稽古場レポート

2021年1月22日（金）に開幕する『地縛少年花子くん-The Musical-』の稽古場レポート第2弾が到着した。

稽古場レポート
2021年を迎え、開幕まで残り1週間。稽古もいよいよ終盤に差し掛かった。出演キャストたちもより一層自身の役柄を深堀し、セリフ一つ一つ、そして歌声にもその想いを乗せていく。

外は厳しい寒さの中、稽古場には半袖姿で稽古に挑む花子くん（小西詠斗）の姿があった。殺陣稽古で滴る汗は、アクションシーンの激しさを物語っている。

かもめ学園に伝わる噂の一つ「ミサキ階段」。ある日突然、八尋寧々（髙石あかり）の親友・赤根葵（朝倉ふゆな）や、源光（谷水力）のクラスメイトが消えてしまった。恐る恐る噂の階段へと向かう3人。一歩足を踏み入れると、そこには見たことのない世界が広がっていた。

境界の主であるヤコ（佐倉花怜）から出される難題に立ち向かい、劇中で明かされる彼女の過去。想い人への悲痛なヤコの歌声に思わず胸が苦しくなってしまうだろう。

ヤコの操る大きな鋏（はさみ）が飛び交い花子くんのマントがひらりと舞う、ギリギリの攻防戦を繰り広げる圧巻のアクションシーンをぜひ劇場でご覧いただきたい。

そんな熱い「ミサキ階段」の稽古の横で、自分たちのシーンについて話し合うミツバ（三原大樹）とつかさ（設楽銀河）の姿が微笑ましい。続いて彼らの見せ場となる第二幕の稽古が始まった。

稽古が始まると先ほどの様子とは一転、つかさがミツバに向ける無邪気さと鋭さが共存する視線には思わず息をのむ。

かわいい顔をしながら毒舌を吐く昇降口の幽霊・ミツバを成仏させるため、ミツバが望んだものを一緒に探す光。ミツバと時間を共に過ごす中で、祓い屋の少年・源光は怪異を祓うことに対して一度立ち止まる。

本当に幽霊や怪異は祓わなければならない存在なのか。葛藤する光。そしてまたあの少年“つかさ”の影が迫るーー。

開幕が目前に迫る『地縛少年花子くん-The Musical-』。緊急事態宣言が発令される最中の公演となり、厳しい状況での公演となった。そんな中でも舞台作品を作ることの苦しみに立ち向かい、演じることの喜びを噛み締める役者たち。

舞台に立つことへの役者たちの熱意も、ぜひ劇場そしてライブ配信で余すところなく見ていただきたい。