インタビュー

財木琢磨「また新しいものを作りあげたい」 丸美屋食品ミュージカル『アニー』続投での決意

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丸美屋食品ミュージカル『アニー』2023年版が、4月22日(土)に東京・新国立劇場 中劇場で開幕する。本作は、1977年にブロードウェイに登場し、日本テレビ主催で1986年から上演され続けている国民的ミュージカル。新型コロナウィルスの影響で短縮バージョンでの上演が続いていたが、2023年はフルバージョンでの上演形式が復活する。

2.5ジゲン!!では、昨年から引き続きルースター役で出演する財木琢磨にインタビューを実施。昨年を振り返っての思い出や、30歳を迎えた今の思いなどについて話を聞いた。

――2年続けての本作ご出演となりました。今のお気持ちをお聞かせください。

ミュージカル『アニー』の世界にまた戻ってこられたことが嬉しいです。昨年出演して、よりこの作品のファンになりました。『アニー』への愛をさらにアップさせた状態でもう1度臨めるのは、ありがたくてうれしいことですね。

昨年作り上げたルースターは、その時の自分にできる最高のものでした。今年もはじめはそれを追ってしまうかもしれませんが、去年作ったものに凝り固まることなく新しいものを…と考えています。姉(ハニガン)役であるマルシアさんをはじめ、皆さんとディスカッションしながら、楽しいものを作り上げていきたいです。

子どもたちにも早く会って稽古したいですし、みんなのパワーをもらいたいと思っています! 子どもたちがどんなお芝居をするのか、今から楽しみでなりません。

――制作発表会見では、2022年12月に出演された『アニー』クリスマスコンサートのことを語られていましたね。本公演も含めて、やはり子役さんたちの頑張りは印象が強いですか?

去年の稽古では、僕は子どもたちと一緒に稽古をする時間がほとんどなかったんです。ルースターは、ハニガンとリリー(演:島ゆいか)といることがほとんどだったので。だから、クリスマスコンサートで子どもたちと仲良くなれてうれしかったです。改めて子どもたちのキラキラしたパワーを感じました。

それから、パワーに加えて、みんなすごくしっかりしているんですよね。自分が小学生だったころを思い返してみても「そんなことできた?」と思ってしまうほどに。稽古をしていて、直したほうがいいことやアドバイスをもらったら、しっかりとメモに書きとめて次の日には直してくる。そんな一生懸命な姿を見ていたので、コンサートのリハーサルでは島さんと一緒に号泣してしまいました。最近、涙腺が弱いんですよね(笑)。

子どもたちと一緒の現場ですから、「大人としてお手本にならなければいけない」と自分の行動を律するきっかけにもなりました。子どもたちの前で、恥ずかしいことはできないと思って。そういった気持ちの面でも、子どもたちに教えられたり学ばせてもらったりがとても多かったです。

――昨年の本作の稽古で、印象に残っていることや苦労したことは何でしょうか。

ダンスには苦労しました。これまであまり多くやってこなかったジャズの動きだったので、止め方も手足の伸ばし方もまったく違うんです。「はい、止めて!」と先生に言われたら、そのポーズを保ったまま数分間直され続けたりするのですが、それがもう、体が痛くて!

舞台上で映える美しい動きは、日常では使わない可動域を使うことが多いので、やる側としてはきついです。でも、そのくらい大変な思いをしないと、美しいと思っていただける動きにはなりません。例えお客さまが目にするのは一瞬であっても、その一瞬を美しく見せるためには厳しい修正と努力が必要なんだと改めて感じました。

それらのポーズや動きができないのが悔しくて、個人的にスタジオを予約して鏡の前でひたすらレッスンの復習をしました。そうやって努力したものが伝わったのでしょうね。ファンの方々から「ダンスがとても大きく見えた」「かっこよかった、レベルが上がった」とお手紙をたくさんいただいたんです。自分がやってきたことは間違いではなかったんだ、と感じました。

――『アニー』東京公演が終わって6月に出演されたミュージカル「シデレウス」(ガリレオ・ガリレイ役)は、4チームでのクワトロキャストと特殊な舞台でしたね。とても歌唱の多い作品でもありましたし、『アニー』全国ツアーに入る前にいろいろな面で鍛えられたのではないでしょうか。

歌詞の意味をあらためて深く考えるようになりました。歌の数はだいぶハードでしたね、覚えられるかな…と心配になるくらいの量で(笑)。『アニー』でも「シデレウス」でも、歌唱指導の先生に「財木くんはここが得意で、ここが不得意だね」と、弱い部分を丁寧に伸ばしていただきました。

お芝居の面では、稽古のはじめは「他の3人と同じようにならないように…」と意識していましたが、そのうち自然体で臨めるようになりました。少年T(佐香智久/ケプラー役)くんと富田麻帆(マリア役)さん、このお2人と一緒のチームだったからこそ、自分の「ガリレオ」というキャラクターが生まれたと思っています。他の方とチームを組んでいたとしたら、また違うガリレオになっていたでしょうし、どうなっていたのかなと考えるとおもしろいですね。

クワトロキャストの他のガリレオ役の皆さんとは、ライバルではあるけれどお互いにリスペクトし合っていましたし、いいと思った部分は積極的に共有していました。「ひとつの作品をより素敵なものにするために、素直に何でも取り入れていく」、その姿勢が学べた作品で、自分を見つめ直すきっかけにもなりました。

――先ほど『アニー』クリスマスコンサートのお話が出ましたが、クリスマス当日はミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)時代の仲間である神里優希さんと一緒に配信をされていましたね。やはり、テニミュ時代の仲間との関係は特別なものがありますか?

特別ですね、不思議なくらいです。8代目青学(せいがく)のメンバーに限らず、当時の仲間たちとは今でもよく連絡を取っています。学生時代の部活のような感じですね。テニミュに出演した経験のある人は同じ気持ちなんじゃないかな、と思うんです。いろいろな現場に行っても、年下年上問わずテニミュに出演していた方にお会いすることは多いので、そういう時は「テニミュあるある」を話したりしています(笑)。

――昨年10月に30歳を迎えられました。これからも変わらず大事にしていきたいと考えていることは何でしょうか。

月並みな言葉になってしまうのですが「感謝」です。これだけは絶対に忘れるな、と両親から今でもずっと言われ続けています。ファンの皆さん、共演者の皆さん、スタッフの方々をはじめ、支えてくださっている皆さん…。このお仕事をしていると、本当にたくさんの方に出会いますし、たくさんの方に支えてもらっていると実感します。自分が今こうしてお仕事をさせていただけているのは、皆さんのおかげであることを忘れずに、驕(おご)ることなく感謝の気持ちを持っていかなければいけないと思っています。

――最後に、改めてミュージカル『アニー』2023年版への意気込みとファンの皆さんへメッセージをお願いいたします。

今年のミュージカル『アニー』は、4年ぶりのフルバージョンでの公演です。以前から本作のファンである方はもちろん、短縮バージョンしかまだご覧になったことのない方も、今回のフルバージョン公演を楽しみにしてくださっていると思っています。僕も、昨年作り上げたルースターを、いい意味で崩してまた新しいものを作り上げていきます。新しいルースターと新しい『アニー』を楽しみにしながら期待していてください。 劇場でお待ちしております!

取材・文:広瀬有希/撮影:ケイヒカル

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公演情報

タイトル

丸美屋食品ミュージカル『アニー』

公演期間・劇場

2023年4月22日(土)~5月8日(月)
東京・新国立劇場 中劇場
※夏のツアー公演:松本、大阪、名古屋、新潟(予定)

演出

山田和也

出演

深町ようこ、西光里咲、藤本隆宏、マルシア、笠松はる、財木琢磨、島ゆいか 他

東京公演主催・製作

日本テレビ放送網

協賛

丸美屋食品工業

公式HP

https://www.ntv.co.jp/annie/

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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