1月11日(水)、東京・マリーグラン赤坂にてハイブリッド・イマーシブシアター「同窓会~優しくて残酷な彼を偲んで~」が開幕する。
本作は、“ハイブリッド”の名のとおり、「会場」と「全公演リアルタイムで行われる配信」との両方で異なる楽しみ方ができる作品だ。観客は、会場では同窓会に出席した人物として、オンラインでは物語の目撃者として、それぞれの方法で作品に参加できる新しい試みとなっている。
2.5ジゲン!!では、読み合わせを終えたばかりの玉城裕規・三浦涼介・陳内将・定本楓馬・松島勇之介にインタビューを実施。どのような作品になるかの期待や想像、作品の楽しみ方などについて語ってもらった。
――本作は、観客を含めた会場そのものが物語の世界になる、特殊な「体験型演劇」です。演じる側として、従来の“ステージと客席”でおこなわれるお芝居との違いについてどのように考えていますか?
三浦涼介(三村玲一役):稽古場で試行錯誤しながら作り上げていくお芝居になると思います。普段の舞台では、僕たちがステージ上に立ってお客さまに席からお芝居を観ていただいています。でも今回はそうではありません。距離が近いのでちょっとした動きや表情でも観ていただけますから、お客さまとの距離感が良い方向に転がっていくのではないかと。
また、普段の舞台とは動き方も大きく変わってきます。やりすぎないようにすることでリアリティが生まれて、僕たちもお客さまも、より物語に深く入っていけるのではないかと思っています。お客さまと一緒に空間を作っていく作品だと考えていますし、お芝居をする上でもとても役者冥利につきますね。
陳内将(葉山正太郎役):涼介くんの言うように、稽古の中でいろいろなことを見つけていきたいです。「お客さま参加型」の作品とはいえ、まだまだ情勢が落ち着かないこともあって、場内にいらっしゃるみなさんと言葉を交わしたりはできません。
実際に演じる僕たち6人と日替わりゲスト、合わせて7人でどんな芝居感を作ってお客さまを巻き込んでいけるか…。これからの稽古で何を見つけられるのか、今から楽しみです。
――“ステージと客席”ではないので、演者の皆さんから見ても360度周りすべてにお客さまからの視線があることになります。また、全公演リアルタイム配信がおこなわれますね。
松島勇之介(????役):いろいろな楽しみ方ができるのではないかと考えています。映像では会場で観られない部分がたくさん観られるでしょうし、逆に会場では、映像でカメラに抜かれていない人の表情や動きが見られます。また、同じ日の公演でも、座る位置によって見えるものが違うはずなので、印象が少し変わってくるシーンもあるかもしれませんね。
作・演出のほさかようさんも「お客さまも出演者の1人」とおっしゃっていたので、いかにお客さまを置いて行かずに巻き込んでいけるかを意識していきたいです。皆さんも、僕たちと一緒に考えたり疑問を持ちながらお芝居を観ていただけたら、と思っています。
玉城裕規(高城優斗役):まずはリラックスしてお芝居に入っていけるような状態にしていきたいです。物語に巻き込まれていくには、役としての心構えとは別の部分で、自分自身の状態をきちんと整えていかないと。
それから、目下の問題としては鼻水をたれ流しているのをお客さまに思いきり見られるだろうなという心配が…(笑)。いや、僕はまったく気にしないんですよ。でも、それを見てお客さまがどう思うだろう…と少し心配しているので、これからほさかさんと話していかないといけませんね(笑)。
三浦:それこそ、参加巻き込み型なんだからシーンによってはハンカチを借りちゃえばいいじゃない。
松島:お客さまの方から「使って下さい」って貸してくださってもいいですよ(笑)。
玉城:ギャグになっちゃう(笑)。
――観客との距離が近いことで、新しいお芝居の形が生まれそうですね。
定本楓馬(白石双葉役):乾燥肌なので、皆さんに「意外と肌荒れてる」と思われないようにスキンケアや身だしなみをしっかりと…。というのは冗談ですが(笑)。やっぱり皆さんの言うように、お客さまもこの作品の一部です。ひょっとしたら話しかけられるかもしれない、肩を触られるかもしれない。観ていてそういった気持ちになると思いますし、物語を観ているのとはまた違う新たな感覚を楽しんでいただけるように巻き込んでいきたいです。
全公演リアルタイム配信であることも含めて、こういった会場(結婚式等が行われることが多いマリーグラン赤坂)でお芝居をするのは初めてですから、どうなるのかは僕自身もわかりません。楽しみですね。
玉城:普段とはまったく違うので、脚本の読み合わせをしてもイメージがつかめていないんです。これから稽古をする中で、今日の時点での設定からもどんどん変わっていくでしょうしね。初日は僕もみんなもソワソワしてしまうのではないかな、と思います(笑)。
陳内:稽古では、いつも以上に想像力が必要だと考えています。「ここにお客さまがいる」「思ってもみない動きをするかもしれない」など考えながら稽古をしていかないと。そういった感覚をみんなで共有していかないと、とても挑めない作品ですね。
――未知の部分が多い楽しみな作品ですね。本作の見どころと、お客さまへのメッセージをお願いします。
玉城:このメンバーが集まってほさかさんの作・演出となれば、期待を裏切らない作品になるはずです。2度と集まれないような豪華なメンバーですし、まったく新しい体験ができると思います。公演期間は短いですが、ぜひ会場や配信で存分に味わっていただければと思います。お見逃しなく。
松島:お客さまは、普段舞台を観に行かれるときよりも緊張するのでは? と思っています。演者と距離が近いというのもありますし、この作品の一部となるので出演者の1人としての緊張感と言うのでしょうか。僕たちも同じように緊張していますし、その緊張感を大事にしながら作品を一緒に作っていきたいです。そして、帰る時には「楽しかった!」と思っていただけるように。日本でも初めての試みなので、僕自身もこの作品を楽しんでいきます!
陳内:演出のほさかさん、スタッフの皆さん、そして僕たちもみんな、これからどんなお芝居になっていくのか分からず未知なことばかりです。何もかもが初めてなので、未知なものに対しての楽しみや、武者震いのようなものを感じています。これから稽古が始まってどんどん作品が作られていくと思いますが、自信を持ってお届けできる作品にできるよう頑張りますので、ぜひ楽しみに待っていてください。
三浦:いつかまたご一緒させていただきたいと思っていたほさかさんの演出のもと、もう1度共演したいと思っていた役者さんや興味を持っていた役者さんと作品を作れることになって本当に幸せです。これまで体験したことのない不思議な空間の作品になると思いますが、この距離感でお芝居を楽しめるのは貴重な体験になると思います。1日、1秒を大切にしながら、心を込めて演じていきます。
それから、「同窓会」なので少しドレスアップしてご来場いただけると、より楽しめるのではないかと。ひきずるようなドレスや甲冑を身に着けてね。玉城くんの鼻水を拭く用のハンカチを持ち帰るための袋も忘れずに(笑)。そうやって、みんなで作り上げる作品の一部になっていただければと思っています。
定本:これまでに体感したことのない、新しい世界が広がっている作品です。1月11日からということで年のはじめの作品ですが「2023年で一番面白かった!」と言っていただけるような作品にできるように精いっぱい頑張りますので、ぜひ楽しんでください。
取材・文:広瀬有希/撮影:ケイヒカル
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