インタビュー

山本一慶、北斗は“分身”のような存在 劇団『ドラマティカ』で新たな挑戦へ…

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大人気ゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!!』(以下『あんスタ!!』)より、作品内演劇サークル・劇団『ドラマティカ』をテーマにした新たなる舞台化プロジェクトが始動した。

第1回公演は「劇団『ドラマティカ』ACT1/西遊記悠久奇譚」。原作ストーリーにはないオリジナルストーリーを通して劇団の公演が描かれる。

主演を務めるのは、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ/THE STAGE』シリーズ(以下『あんステ』)で氷鷹北斗を演じた山本一慶。「 “役を演じる北斗”を演じる」という二重構造に挑む山本に、今作への思いや意気込みを聞いた。

「これは自分か、北斗か」不思議な感覚

――「役を演じるキャラクター」を演じる、という点で、今作はやや複雑な構造になっていますよね。役作りをする上で、普段との違いはありますか?

全編通して劇中劇という形は、僕にとっても初の挑戦になります。もともと『あんスタ!!』のキャラクターは一人一人個性の強いキャラクターばかり。一癖も二癖もある彼らを演じながら、もう一段階、お芝居を加えて別の役を演じる…というのはどんな状態になるのか。正直今はまだ想像もつかないのですが、とても楽しみです。

――ビジュアル撮影時の印象は?

まず感じたのは、いつもの北斗とはまるで別人のような衣装だということ。撮影中には「今こうしているのは自分なのか、北斗なのか」と考える瞬間もあり、これは面白くなりそうだなと感じました。

今までの『あんステ』の衣装は、原作で北斗が着ている学生服やライブ用の衣装でしたから、ビジュアル撮影でそれに着替えることによって“北斗になる”1つのスイッチが入っていました。でも今回の衣装は、北斗が着るものとしてはアグレッシブなものです。北斗らしくない衣装を着て、北斗としてビジュアル撮影をするというのは、とても不思議な感覚でしたね。楽しく撮影させていただきつつも、どういうふうに表情を作ったらいいのか、と悩む部分もありました。

――役を演じながら別の役を演じるというアプローチは、そこからすでに始まっていたんですね。

俳優としての北斗、分身としての北斗

――同じ俳優の立場から、「俳優・氷鷹北斗」の魅力はどんなところだと思いますか?

北斗は、細かいところまで緻密に考えて、丁寧に役を作っていくタイプの役者なんだろうなと思います。不器用なところもあるし、ときにはちょっと考えすぎてしまうこともあるかもしれない。だけど、だからこそ役にきちんと寄り添えるのだろうなと。そんなところが素敵だなと感じています。

僕自身は、どちらかといえば「緻密に考えたものを本番まで貫き通す」というタイプではないんです。演じる役について考えて考えて考え抜いた上で、最終的には“感覚”を重視して演じることが多いんですよ。いい意味での適当さを大事にしているんですが、僕のやり方を北斗に言ったら唖然とされるかもしれませんね。真顔で「は?」って言われるかもしれない。

そんな北斗を挟んだ上で悟空を演じるというのは、本当に不思議な感覚です。演じていくうちに、もしかしたら僕にも何か変化があるのかな。どうなんだろう。いずれにせよ、北斗の魅力はそうした真面目さ、緻密さ、丁寧さにあると思います。今作では彼のそんな魅力まで表現していきたいし、僕自身も勉強していきたいです。

――2016年から5年間に渡り北斗を演じ続けてきた今、ご自身にとっての彼はどんな存在ですか?

5年前。もう5年になるんですね。改めて考えると、北斗とはちょっと不思議な関係を築いてきたなと思います。僕にとっての北斗は、家族や友達というより“分身”に近いかもしれないですね。もう一人の僕のような、かなり身近に感じる存在です。

5年前に『あんステ』がスタートしたときに、原作のTrickstarを拝見しながら「4人のこの関係性やバランスを舞台上で表現するためには、ちょっと工夫が必要かもしれない」と思いました。そこで、北斗にはあえて原作とちょっと違うアプローチを加えさせていただいたんです。生身の人間が演じる上で、トリスタの持っている色をより鮮明に表現するためにはどうしたらいいか、試行錯誤していったんですね。

4人の中でも北斗は、とくに自由に表現させていただいてきたと思います。僕はもともと、役を演じる中で「自分を出したい」という欲求が少ない方なのですが、北斗を演じているときは自然とその欲求が引き出される感覚があります。役作りをする上でいつも抑えている部分を、北斗はなぜかすんなりと引き出してくれる。そうやって演じていると「ああ北斗ってこういうところもあったんだな」と自分との共通点が見つかったりもする。我ながら不思議な関係性だと思いますが、北斗を演じるのはとても心地がいいんです。

共演者4人の印象は?

――共演者の方々について、それぞれの印象や記憶に残るエピソードを教えてください。懐かしい顔ぶれも新しいメンバーもいらっしゃいますね。

そうですね。(安井)一真と(木津)つばさに関してはもう、なんだかずっと一緒にいた感覚です。キャスト一覧を見ると「おや、我が配下が2人いますね」という感じ…そのくらい仲のいい、チームメイトのような存在ということです!(笑) 2人は僕が脚本・演出を務める作品にも出演してくれている、良き仲間です。

――お一人ずつお伺いしていきます。まずは安井一真さん(三蔵 役:日々樹 渉)。

印象に残っているのは、日々樹渉役として『あんステ』に合流した当初からの努力のものすごさです。最初の頃は緊張していたのか少し遠慮がちだったけど、それでも「何か面白いことをしなきゃ」と自主的に考えているのが伝わってきたし、稽古中も本番中もいろんなことにチャレンジし続ける姿が印象的でした。毎公演、お客さまを楽しませるために一生懸命頭をひねって、日替わりネタを考えていた。その中で彼が生み出した「空間を歪める」というネタがあって、僕はそのネタを初めて見たときからずっと大好きなんですよ。あんなに緊張していた一真が、ついに空間を歪めるようになった! と(本番中だったので)心の中で拍手を送りました。

――次に山崎大輝さん(八戒 役:斎宮 宗)はいかがでしょうか。

山崎くんとは別の現場で一緒だったんですが、ちょっと危険を帯びた…天然のお方だな、と(笑)。でも彼の場合、そこが何とも魅力的なんですよね。前回の現場ではややイメージとのギャップがあって、「あなたそんなに天然なの!?」とびっくりしたりもしましたが、今はそこが彼の魅力だと実感しています。なので今回の共演では、以前よりもっと深い関わり方ができるんじゃないかなとワクワクしています。もう、僕が驚くほどの天然さを、どんどん発揮していってほしい。楽しみです。

――先程お名前が挙がった木津つばささん(悟浄 役:逆先夏目)は?

つばさも一緒にいろいろやっている仲間です。つばさの印象は、もうとにかくダンスがうまい、めちゃくちゃうまい。僕の中で彼の通り名は「ダンスうまお」になっています(笑)。ただ、今回は今までの『あんステ』よりもダンスシーンが少ないのでは、という予感もありますよね。…ありませんか? 僕自身があんまりダンス得意じゃなくて、いつも戦々恐々として踊っているので、勝手な予感かもしれません(笑)。もし今回もダンスのシーンがあったら、「ダンスうまお」のつばさにどんどん教わっていきたいです。

――最後に松田岳さん(玉龍 役:乱 凪砂)について教えてください。

松田くんとは、初共演になります。外見の印象からはシュッとした、しっかりした性格の方を想像していたんですが、スタッフさんから「衣装のフィッティングの際、山崎くんと松田くんが二人で某キャラクターの声マネをし合っていた」なんて話も伺いまして。まだ分からないけれど、これはひょっとして天然キャラが増員されてしまったのでは? という疑惑が生まれています(笑)。顔合わせもこれからなので、本当に未知の領域ですね。

頼りがいのある“ザ・座長”を目指して頑張りたいと思っていますが、キャスト5人のうち2人が天然属性となってくると、もう僕の手には負えないかもしれない…ドキドキしますね(笑)。楽しみです。

北斗として初の「殺陣」に期待

――稽古に向けて、今一番楽しみにしていることは何ですか?

今回はアクションシーンがあると思うので、殺陣が楽しみです。『あんステ』はアイドルを描く作品だから、ダンスはあれどアクションシーンはほとんどなかった。でも今回はおそらく殺陣を駆使したアクションシーンが入るんじゃないかと予想しています。僕自身も楽しみだし、観てくださる方にも「あのキャラクターがアクションを!」という驚きも含めて楽しんでほしいなと思います。

――他に、観客に注目してほしい見どころはありますか?

やはり「キャラクターを演じながら別の役を演じる」という二重の芝居になっている部分は、ぜひ堪能してほしいです。これは、他の作品ではなかなか見られないポイントだと思います。「西遊記悠久奇譚」という物語を楽しみながら、その奥にある『あんスタ!!』を感じていただけたら嬉しいです。

僕の役で言うと、悟空というキャラクターを魅力的に演じることはもちろんですが、悟空を通して「その向こう側にいる氷鷹北斗」が垣間見える瞬間まで楽しんでいただけたらいいなと思っています。ただ、悟空を演じているときに北斗がどのくらい滲み出ていいものなのか、考え出すと難しいですね。そのさじ加減は、これから5人で稽古を積む中で掴んでいきたいです。

――最後に、今作への意気込みとファンへのメッセージをお願いします。

新たな挑戦となる劇団『ドラマティカ』、そのACT1となる作品が「西遊記悠久奇譚」です。この新しいチャレンジにおいて、1作目の主演を務めさせていただくことをとても嬉しく思います。

キャストは5人と少人数ですが、だからこそ勢いよく、スピーディーに物語をお見せできるのではないかと思います。僕たち役者が「西遊記悠久奇譚」を演じているというよりは、『あんスタ!!』に登場するキャラクターたちが『あんスタ!!』の世界の中で公演をしている、というふうに感じていただけたら嬉しいです。劇団『ドラマティカ』という試みは、観客の皆さんにそう感じていただけたときに成功するのではないかと、個人的には思っています。

そんな素敵な形に導いていけるよう、全員で稽古を頑張ります。ぜひ楽しみにしていてください!

取材・文:豊島オリカ/撮影:ケイヒカル
衣装:シャツ、パンツ AMALA(アマラ)、その他 スタイリスト私物

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公演情報

タイトル

劇団『ドラマティカ』ACT1/西遊記悠久奇譚

公演日程

【東京公演】
2021年10月23日(土)~10月27日(水)
日本青年館ホール
【兵庫公演】
2021年11月1日(月)~11月7日(日)
AiiA 2.5 Theater Kobe
【東京凱旋公演】
2021年11月12日(金)~11月14日(日)
TACHIKAWA STAGE GARDEN

原作

『あんさんぶるスターズ!!』(Happy Elements株式会社)

脚本・演出

伊勢直弘

音楽

Arte Refact

出演

悟空/氷鷹北斗 役:山本一慶
三蔵/日々樹 渉 役:安井一真
八戒/斎宮 宗 役:山崎大輝
悟浄/逆先夏目 役:木津つばさ
玉龍/乱 凪砂 役:松田 岳

制作

Arte Refact

主催

劇団『ドラマティカ』製作委員会

公式サイト

https://dramatica-stage.jp/

公式Twitter

@dramatica_stage
推奨ハッシュタグ:#劇団ドラマティカ

(C)ENSEMBLE SQUARE/劇団『ドラマティカ』製作委員会

WRITER

豊島 オリカ
 
							豊島 オリカ
						

観劇好きのフリーライター。2.5次元が大好きです。頂いた日々の活力、勇気、心を揺らす奇跡のような感覚に、どうにか恩返しできないものかと願いながら執筆しています。カーテンコールで拍手することと、鼻ぺちゃな犬も大好きです。

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