2020年12月17日に東京・本多劇場で開幕するミュージカル『グッド・イブニング・スクール』。
同作は、原田優一、オレノグラフィティ、小柳 心、鯨井康介によるプロジェクト「PAT Company」のオリジナル作品。父の教えのもとに教師となった主人公・若林は、定時制夜間クラスを担当。癖の強い生徒たちに翻弄されながらも、次第に信頼を得ていくが…。
2.5ジゲン!!では若林を演じる横田龍儀に単独インタビューを実施。同作の見どころ、原田らPAT4とのエピソードに加えて、自身の恩師との思い出などを聞いた。
もくじ
本多劇場、ミュージカル主演、役との共通点
ーー今回のお話があったときの心境を教えてください。
原田さんが演出とお聞きして「出させてください!」とすぐお返事しました。
原田さんとは別のミュージカルで稽古までご一緒していて、稽古中の立ち振る舞いやお芝居への取り組み方など尊敬しています。残念ながら本番で同じ舞台に立つことはできていないのですが、その原田さんが演出をなさる……これは自分にとっても勉強になるありがたいチャンスだと。
ーー主演として本多劇場に立つことに、どのようなお気持ちでしょうか。
本当に嬉しくて光栄であると同時に、当初はとてつもない不安もありました。この年齢で、あの本多劇場で、しかもミュージカルの主演…。
実は僕、歌に対して本当に自信が無くて、恐怖心さえあるくらいです。昔から歌がうまくないと言われていましたし、自分の声に対するコンプレックスもあります。
でも、逃げていては成長できません。もう一段、ステップアップして強くなりたい。僕は僕なりに、歌に魂を込めることはできる。そう感じていたときに頂いたのが今回のミュージカルで、ご縁だと感じました。
尊敬する原田さんの下でお芝居ができたら、もっと成長できるに違いない。不安と恐怖心よりもその気持ちが勝って、今回、出させていただくことになりました。
ーー今回演じる若林について、どのようなキャラクターだと捉えていますか。
若林は、良く言えばとてもまっすぐで一生懸命。でも悪く言えば固定観念が強くて、一度「こうだ」と思ったら視界が狭くなってしまうような人間です。脚本を拝見して「若林はまるで僕自身のようだ」と本当に驚きました。
性格だけでなく、若林と父親の関係性についても僕と共通点が多いです。僕自身、厳しい父の言うことを聞いて育ってきて、父に怒られないように、期待に添えるように…そういう点も似ているんです。
でも、似ているからこそ恐ろしいです。脚本を読んでいて共感できる点もたくさんあるし、逆に「これはダメだな」と思う点があると深く刺さります。家でセリフの練習をしていて「この言葉は自分に向けられている」と感じたりもします。
だからこそ、若林の成長は僕の成長でもあります。この舞台に全力で取り組んでいけば、歌だけでなく内面も大きく成長できると思っています。
「自分のままでいられる」PAT4の魅力
ーー「PAT Company」の4人について教えてください。まずはオレノグラフィティさんからお願いします。
すごく優しい方です。歌の稽古をしていただいたときに、僕ができないところがあっても「ここ難しいよね」ってピアノを弾きながら一音ずつ丁寧に教えてくれるんです。
あと、すごく褒めてくださる(笑)。大丈夫だよって安心させてくれて細かいところを少しずつ調整する。そういう指導だから僕も焦らないでいられるし、嬉しいし、楽しいですね。
ーー小柳さんはいかがでしょうか。
心さんはすごくフレンドリーで、いつもニコニコされています。初めてお会いしたときにもやっぱりニコニコしながら「若林にぴったりだ!」って言ってくださいました。
それに、ものすごく全力でふざける方なんですよね(笑)。本当に楽しい方です。役者としてもかっこいいですし、脚本ではワードチョイスが素晴らしいと感じました。
ーー尊敬されているという原田さんですが、実際に稽古場でお会いされていかがでしたか。
ボイストレーニングをしてくださったときに、苦戦している僕に「26年やってきたことは、1日や2日じゃそう簡単には変わらない。だけど、これから練習していけば絶対にできるようになる」とおっしゃっていただいて。
今回の舞台だけじゃなく、僕のこの先のことも考えてくださっていると感じて、本当に何だか…師匠! って(笑)。たくさんのことを勉強させていただいていますし、原田さんに少しでも近づけたらいいなと努力しています。
ーー最後に鯨井さんについて教えてください。
優しくて、面白くて、懐が深くて、現場の空気も率先して良くしてくださっています。こんなに明るくてみんなによく話しかけるプロデューサーさん、いるの? と驚きました(笑)。
ビジュアルの撮影をしているときも「かっこいいね!」「もう一枚!」と盛り上げてくださっていて、そういうのは今までの現場だと僕の役割だったので「僕以外にもそういうことをしてくださる方がいるんだ」と新鮮な気持ちになりました。
ーーPAT4の皆さんとご一緒されることも、横田さんの大きな財産となりそうですね。
鯨井さんと原田さんから頂いた言葉で、忘れられないものがあります。
「本多劇場のミュージカルの座長」という肩書に怯えていたとき、原田さんが明るく「そんな風に考えなくていいよ」って。鯨井さんも「座組をまとめるのは俺の仕事。だから君は伸び伸びとやってほしい」と言ってくださって。その言葉にすごく救われました。
僕は僕のやれることを精いっぱいやろう。PAT4の皆さん、それから周りの方々が支えてくださっている。けれども甘えることなく努力して、皆さんを支える存在でありたい。そう思いました。
本番が近くなるにつれて、ひょっとしたらプレッシャーを感じるようになるかもしれません。それが良いプレッシャーならいいけれども、余計なプレッシャーだったらきっと、PAT4の皆さんは「それはいらないものだよ」って言ってくださると思うんです。
ここは自分が自分のままでいられる座組。本当に強くそう思っています。周りの足は引っ張りたくありません。けれども無理をすることはなく、しっかりと準備をしていきます。
東日本大震災と恩師の言葉
ーー楽しみにしています。今回、教師役を演じるということで、学生時代の印象的だった先生を教えてください。
中学3年生の時の、「お前たちは井の中の蛙だ」が口癖の担任の先生が今でも印象的です。
僕は福島の川内村という村出身で、当時は村から出たこともほとんどなくて、だから先生は「村の中だけという狭い視野の世界にいたら、将来苦労するぞ」と言いたかったんでしょうね。
僕は高校1年生の時に東日本大震災、福島第一原発の事故で被災を経験しました。たくさんのつらいこと、大変なこと、苦労を知って、改めて先生の言葉が身に染みました。
成人式で同級生たちと再会したんですが、その時に先生もいらっしゃっていて「お前ら、あの意味が分かったか?」と声を掛けてくれて、みんなで「はい」って。
世の中にはいろいろな人がいる。そして、指示を待つだけじゃなく、自分で考えなければいけないことがたくさんある。もっと視野を広く、たくさんの物事を見ろ…先生の言葉が20歳になってようやく分かりました。
ーー「生まれてから20年頑張れば、その後の80年順風満帆に過ごせる」が若林にとっての金言です。横田さんにとって “頑張ってきたこと”は何でしょうか。
“生きること”だと思います。それから“知ること”です。
東日本大震災を経験して、僕は生きることに必死でした。本当にいろいろなことがありました。でも、夢を捨てようとしたときに父と母が僕を叱ってくれて、絶対にこの夢は捨てない、あきらめないと頑張れました。
16歳から18歳までは生きることに必死で、それから20歳までは社会を知ることに必死でした。そして今は、これから先のことを知るために考えるのに必死です。まだまだ自分は甘い。もっと視野を広く持ってたくさんのことを知って考えなければ。そう思っています。
ーー2020年、大変な年でした。改めてこの作品に懸ける思いをお聞かせください。
今の僕の力を試すことができる舞台だと思っています。
皆さんと同じように僕にとっても、本当に色々なことがあって濃い一年となりました。舞台やイベントの中止…自粛で家にいなければならず、稽古もこれまでと同じようにはできませんでした。
でもこの期間、何もしていなかったわけではありません。僕なりにたくさん頑張ってきたこと、培ってきたものをこの舞台で発揮して「この一年は決して無駄じゃなかった」と胸を張って言えるような舞台にしたい…いや、必ずそうします。
「いろいろなことがあるけれど、笑って楽しんでいこうよ」というメッセージをたくさんのお客様に伝えたいです。
“若林先生”は誰の中にでもいる
ーー最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
「若林先生」は誰の中にでもいる存在です。この作品を観た時に「こんなとき、自分だったらどうするのか?」と考えることになると思います。正しいことなのか? 正しくないのか? そう考えを巡らせていただきたいです。
それから、様々な場面で人の言うことに従わないといけないときもある世の中ですが、自分を大切に、「自分は自分」と思ってほしいです。
もちろん、ただただ笑っていただく楽しみ方もいいと思います。いろいろあったけれども最後は笑って終わる。僕は舞台の良さって「観る人によって別の感じ方ができる」部分だと思っています。
この作品を観て、皆さんそれぞれこの一年を振り返っていただけたら嬉しいです。
それから僕自身のこと言えば、この一年で頑張ってきたことの総決算としてこの舞台に立ちますので、その姿を見ていただきたいです。稽古、そして本番中、僕自身の中で何かが変わると思います。どこが変わったのか? それともあまり変わっていないのか?(笑) ぜひ確かめに来てください。
撮影:ケイヒカル
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【応募期間】
2020年12月5日〜2020年12月11日正午
※必ずTwitterキャンペーン応募規約をよくお読みいただき、同意の上ご応募ください。
【応募方法】
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🌟インタビューはこちらhttps://t.co/56dfN0xIKS pic.twitter.com/mP59km53qY
— 2.5ジゲン!! (@25jigen_news) December 5, 2020
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