インタビュー

星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの

画像一覧はこちら

広告

広告

2020年10月10日(土)にLIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』R-2が開幕する。

超低予算ゆえに「説明もなく突然始まり、突然終わる」「画面にゴミが堂々と映る」「尺に合っていない」「作画崩壊」など、突っ込みどころ満載で有名なテレビアニメ「チャージマン研!」を、忠実かつ真剣に舞台化した同作。

2019年に上演された初演では、主役のチャージマン研役が4人キャスティングされ、リアルタイム投票で舞台後半1話の研を決定。また、公演中のスマホ撮影、SNSへの公開許可、無料配信など、これまでの舞台にはないさまざまなアイデアが盛り込まれていた。

2.5ジゲン!!では、初演に引き続き、新作公演『R-2』で研の妹・泉キャロンを演じる星元裕月にインタビューを行った。

初演で感じたファンの思い、兄の研を演じるキャストたちとのやりとり、今この時だからこそ感じるエンターテインメントの力など、笑顔たっぷりに語った様子をお届けする。

前作の打ち上げでは参加者全員で大号泣

ーー初演の千秋楽での研役・古谷大和さんの「続編やります」発表からほぼ一年ですね。

まさかあの場で言っちゃうなんて!(笑) 本当にいい座組で「年に一回やりたいね」なんて言っているくらいなんですよ。

ーー演出のキムラ真さんも、去年のインタビューで「ノンストレスの素晴らしい座組」とおっしゃっていました。

毎日の稽古がプラスの気持ちで終われる、前向きで素晴らしい座組でした。

キャストもスタッフの皆さんも仲がいいだけでなく、誰もが「NO」を一切言わないんです。NOではなく、お互いの考えを尊重するYESが前提。

「うーん、難しいね」とか「それは無理じゃないかなぁ」ではなく、何でも「うん、じゃあやってみよう」。どんな提案でもまずは受け入れて、やってみてから判断をする。

そうやって舞台を一緒に作り上げたので、打ち上げではみんな号泣でした(笑)。つい数時間前まで、あんなにおかしい舞台をやっていたのに!

ーーその涙のきっかけは何だったのでしょうか?

キャストそれぞれの挨拶や、演出のキムラさんのチャー研愛と座組愛あふれるスピーチ、それからジュラル星人の皆さんの語りですね。

ジュラル星人役の中には舞台経験がまだ多くない方もいらっしゃいましたし、皆さん本当に全てを懸けて臨んでいらしたんです。そんな想いを語っているのを聞いて、私も自分の初舞台のことを思い出してしまって……。もう、キャストもスタッフも最終的には号泣です(笑)。

ーーそんな素晴らしい座組で作られた舞台。初日からネットでも大きな話題になりましたが、反響はご存知でしたか?

もちろんです。すごく話題になっていましたね、嬉しかったです。

私のブログにもたくさんコメントをいただきましたし、キャロンの写真もたくさん撮っていただいて。ものすごい連写のシャッター音が常に聞こえていました(笑)。お手紙に写真を同封してくださる方もいらしたんですよ。

何枚も写真を使ったアルバムや色紙を作ってくださったり……とてもありがたくて嬉しかったです。

ーー本当にかわいいキャロンでした。写真をご覧になっていかがでしたか?

嬉しかったと同時に、この席からはこう見えるのか、とすごく参考になりました。あの舞台は360度全てにお客様の目がありますから、後ろ姿も含めて一切気が抜けないんです。

どこから見てもかわいいキャロンにするために、髪の毛の揺れやスカートのひるがえり方も考えて動いていました。常にピシッと背筋を伸ばしていないといけませんし、緊張感がありましたね。

チャー研の「安定しない作画」を再現するために、毎回香水やメイクのテイストを変えていて、そういう工夫も含めてとても楽しかったです。

チャー研が体現するエンタメのあるべき姿

ーー他にはない企画が盛りだくさんの舞台でした。中でも「チャージシステム」(リアルタイムの投票で後半1話の研のキャストを決めるシステム)は驚きでしたね。

私もゲネプロと公演を合わせて2度、研をやらせていただきました。あのシステムはリアルタイムの投票なので、誰が研になるのかギリギリまで分からないんです。そうすると準備がもう大変!(笑)

私のときは、「ゆづくん! ゆづくんです!」って一斉に各セクションがバタバタッと慌ただしくなって、頑丈に着けている金髪のウィッグを外すのに手間取ったり、あの研の黄色いタイツに着替えたりするのに大騒ぎでした。「休憩、長引かせられない?」「無理です!」なんてね。

あの“投票研”用のタイツ、実は一着しかなかったんです。だから人によってはパツパツ(笑)。でも私が着るとぶかぶかになってしまって、何というか……ゆるキャラみたいになっていましたね!

ーー投票している方はとても楽しかったのですが、裏では本当に大変だったのですね。

そうなんです。でも、エンターテインメントは、お客様が楽しんでくださるのが最優先で大前提ですから。お客様が喜んでくださっているのを見るのが、何よりも嬉しいです。

男女問わず、みんなが楽しい。たくさん笑って感動して、楽しい気分で劇場を後にする。そういう意味で、チャー研は本当にエンタメのあるべき姿の舞台ではないかなと感じました。

星元が語る、個性豊かな“4人の研”

ーーキャロンのお兄ちゃんの研役、初演4人のキャストさんについて伺います。みなさん、個性の強い方ばかりでしたね。

本当に! 濃い方ばかりでした(笑)。

まず、古谷大和さん。「チャージマン研!」のアニメをそのまま2.5次元舞台化したらこういう研になるだろうなという、リーダー的な正統派の研でした。

大和さんは本当に真面目な方なんです。ちゃんと真面目に全力でバカなことをやれるし、お客様の期待から外れるようなことはしない。皆さんが頭に描かれていたであろう「研」をしっかり体現していたのが、大和さんではないかなと思っています。

安達勇人さんの研はもう、一番自由でしたよね。でも、お客様にとって最も親しみやすかった研なのではないかなと思っています。私自身、安達さんの研が一番接しやすかったです。

なぜかというと、言葉で話すと言葉で返ってくる。他のお兄ちゃんとは会話にならないんですよ!(笑) そういう意味では、ある意味一番まともな研だったのかな? かわいいし、愛される研でしたね。

髙﨑俊吾さんの研は、「研のヤバいところ」を全部集めたらああなった、という感じでしたよね。ドライアイになるんじゃない? と周りが心配するくらい常に目を見開いていて、しまいには「56スヨ!」ですもの(笑)。

あれでね、素は本当に大人しくて真面目なのに……。こっちが話しかけてもずっと「56スヨ!」しか言わないんですよ。あの研は、お客様の夢にも出てきたのではないかなと思っています。

中村誠治郎さんとは他の舞台でもご一緒することが多くて、プライベートでもとても仲良くさせていただいているんです。演じる上でも、一緒のシーンでは不安なことは一つもなくて、安心していられました。

研としては日本刀を使いますし、見た目的にも一番怖いですよね(笑)。だからキャロンも、誠治郎さんの研と一緒の時は唯一オラついて自由にさせていただきました。鞭をバシンとしたりね(笑)。

4人の研のリーダー的な存在は、私は大和さんだと感じていて、誠治郎さんは裏でどっしりと支えてくださるもうひとつの軸となる研。今回も日替わりで来てくださるので、楽しみですね。

今回から新しく加わる研役のお2人(東拓海、若井おさむ)とは初めましてになりますが、チャー研独特のこの座組ですから、すぐに馴染めるのではないかなと思っています。

逆境を逆手に。「このメンバーならきっとできる」

ーー「この時期だからこそのエンタメ」について伺います。今回はチャー研ならではの工夫がなされるのでは、と感じていますが……

「そうきたか!」と驚いて、楽しんでいただけるものを作っていきたいですよね。色々なことに規制がかかって、辛抱したり我慢しなければいけないこんな時だからこそ、その規制を逆手に取りたいです。

脚本の伊勢(直弘)さん、演出のキムラさん、キャスト一同、制作スタッフの皆さん。このメンバーだったらきっと、新しくて楽しい、この状況を逆手に取って楽しめるものができると信じています。

初めにも言ったのですが「NO」のない、みんなが協力し合う素晴らしい座組です。音響、映像、衣装、ヘアメイク……作品をより良いものにするために提案と意見を出し合って、それを受け入れて話を聞く姿勢で臨んでいます。

チャー研以降、私自身、他の舞台の座組でもこうありたいと思うようになりました。

ーー素晴らしい座組で作られる、新しいチャー研になりそうですね。最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

初演から1年。みんなが他の現場で経験してきた色々なことを、この座組に持ち帰ってくることになります。私自身、キャロンはとても自然に演じられて、やりやすいと同時に刺激をもらえる役です。

今回も、そんなキャロンを演じられることは楽しくて嬉しくて、とても光栄なことだと思っております。私以外は絶対に誰にも演じられないであろうというキャロンを作り上げていきたいです。

そして、初めてご覧になる方には、最後まで私が女性ではないとバレないように全力で騙していきたいです(笑)。ぜひ楽しみにしていてください。

撮影:ケイヒカル

抽選で3名様にサイン入りチェキをプレゼント

【応募期間】
2020年10月1日〜2020年10月7日正午
※必ずTwitterキャンペーン応募規約をよくお読みいただき、同意の上ご応募ください。

【応募方法】
STEP 1. 2.5ジゲン!!のTwitterアカウント(@25jigen_news)をフォロー
STEP 2. 以下のツイートをリツイート

広告

広告

画像一覧

  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像
  • 星元裕月、『チャージマン研!』で見つけたエンタメのあるべき姿 NOのない座組で得たもの イメージ画像

公演情報

タイトル

LIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』R-2

日程

2020年10月10日(土)〜18 日(日)予定

劇場

新宿FACE

出演

古谷大和、安達勇人、東拓海、若井おさむ、星元裕月、篠原麟太郎、藤原祐規/浜ロン、村上幸平 ほか

演出

キムラ真(ナイスコンプレックス)

脚本

伊勢直弘

音楽

手島いさむ

公式サイト

https://www.lol-w.com/cha-ken_r2/

公式Twitter

@Lol_inc_www

主催

株式会社 Lol

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

このライターが書いた他の記事も読む