インタビュー

「新章が始まるような気持ち」エロティックでミステリアスな『艶漢』の世界 櫻井圭登×小沼将太

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2016年からシリーズ化されている浪漫活劇『艶漢』。レトロな空気と強烈なエロティシズムで独特の世界観を持つ今作の第四夜が、2020年2月16日(日)よりシアターサンモールにて上演される。

2.5ジゲン!!は、主演の櫻井圭登と今作から参加の小沼将太にインタビューをおこなった。本作に対しての思いから、舞台への身体作り・役作りなど、和やかに語った様子をお届けする。

「あらためて詩郎と向き合っていきたい」第四夜にかける思いとは

――お2人は今回が初共演ですね。お互いの第一印象はいかがでしたか?

櫻井圭登(吉原詩郎役):すごく背が高くて、スタイルが抜群だな! って思いました。もう第一印象から羨ましかったです。

小沼将太(大太刀一平役):ここに入って来られた時に、すごく気さくに元気に挨拶をしてくださったので、人当たりの良い人だなぁ、と感じました。

――櫻井さんはシリーズ4作目(+歌謡倶楽部2作)となりますね。これまでのシリーズを振り返って、今作についての思いをお願いします。

櫻井:僕は吉原詩郎を1作目からやらせて頂いているのですが、『艶漢』は本当に世界観がしっかりとしている舞台です。他の舞台ではなかなか見られない表現も、演出のほさかようさんが作り上げてくださっています。

第三夜を終えた時「一章が終わったな」という感覚がありました。今作の第四夜からは、新章が始まるような感覚です。

あらためて詩郎と向き合っていきたいですし、これまでに培ったものを今回の第四夜にぶつけていかれたらいいなと思っています。楽しみにして頂けたら嬉しいです。

――小沼さんは今回からのご参加ですね。この『艶漢』ワールドへの印象はいかがですか?

小沼:原作のコミックスを読んで、ミステリアスでエロティックな印象を受けました。読んでいて「次、どうなるんだろう?」って。

舞台の映像も見させていただいたのですが、なかなか他には無い世界観です。この世界に自分がどう入っていこう、どう表現していこう、と思っています。

そう、櫻井さんに聞きたいことがあって! 最初にこの作品をやる、となった時に役や世界観に対してどういうアプローチをしたんですか?

櫻井:初演で、すごくしごかれました! 3年くらい前ですね。脱ぐって聞いて最初は戸惑ったんですけれど、稽古終盤になっていくうちにそれが快感になっていって(笑)、脱ぐ詩郎の気持ちも分かってきました。

「大丈夫なの?」「脱ぐの抵抗無い?」って聞かれるんですけど、今ではもう「脱がないと艶漢じゃないな!」って思うようになってきましたね。

小沼:今までは、セクシーとかエロというものを表現できる位置にいなかったので、今回が初めてなんです。どうやってエロを追求したり、勉強しようかなと……。

櫻井:演出のほさかさんが、すごく美学をお持ちの方なんです。だから、小沼さんの色気を引き出すための演出をつけてくださると思いますよ。一平のエロさや色気の出る演出、わくわくしますね!(笑)

役作りと身体づくり。筋トレ、食事……舞台に立つため厳しいトレーニングを積む

――脱ぐと言えば、この舞台に出られる皆さん、これまでも美しい身体作りのために相当頑張っていらっしゃいますよね。櫻井さんは、これまで詩郎の身体作りにどのようなことをされていたのでしょう?

櫻井:舞台で身体を作らなければいけないのは、『艶漢』が初めてでした。詩郎がとても華奢なので、とにかく痩せて体脂肪を減らさないと、と。

ずっと、サラダチキンと春雨を食べて筋トレ、というルーティーンです。炭水化物禁止でラーメンは絶対だめ。サラダも春雨かモヤシかって……。

――本当にストイックな生活を送られていたんですね。小沼さんも、これまでもスポーツ系など身体を作られるような舞台がありましたね。今回はどのようにされる予定ですか?

小沼:裕福なキャラクターではないので、痩せていた方がいいのかな、と思っています。絞ろうかなと。でも、ただ細いのではなくボクサーのような体型にしたいです。ちょっと男っぽい方が、見ている方にもエロが伝わるかな(笑)。

腕が見えるユニフォームの舞台の時は、腕の筋肉を中心に鍛えるために、ジムに通っていました。プロテインを飲んだり、サラダチキンを食べたりもしていました。

――身体作りとともに、舞台に立たれる体力作りも大変ですよね。普段から走ったりなどされているのですか?

櫻井:マスクを濡らして走ったりしています。息が吸いにくくなって、肺活量が上がるって聞いて。すごくキツいんですけれど、トレーニング量を自分で調節できるのでいいですね。

小沼:ジムでベンチとマシンで筋トレをしてからランニング。でも、舞台でバスケをやってる時だけでした、終わったらダラけてしまって!(笑)

「シリーズものに出られるのは貴重」振り返りながら一体化し、役を深めていく。

――お2人はこれまでに、長く続いているシリーズものの舞台に出られていますが、同じ舞台、同じ役を続けることによって深まって行くキャラクターへの解釈や、理解の深め方などのお話を聞かせてください。

櫻井:シリーズものをやらせていただくというのは、本当に貴重なことです。

初演を終えて、その時に気づかなかったことを次作でぶつけられたり、違う視点から役を見ることができる時間をいただけます。

僕は第3作くらいになると、役作り自体を変えることもあります。それがお客様にどう届くか分からないのですが、そういうことを挑戦できるのは、シリーズものならではだと思っています。

小沼:3年、4作続いたシリーズものの舞台。初めに役の話を頂いた時は、自分とは遠い所にある役だと感じました。最初は、役をめがけてどんどん追いかけて、っていうのが始まりで。

でも、元々持っているものではないので「近づいていくように」という意識でやっていくと嘘が出て来てしまうんです。2回目3回目と重ねていくうちに、その嘘が無くなっていくという感覚でした。

最後4作目で「ああ、これで終わりなんだな」と思った時も、パーフェクトになったかなと思う部分もあり「もっとこうしておけばよかった」と思う部分もあり……4回できたからそういう感覚になれました。

――前作を振り返って次に生かしたり、新しいことにチャレンジしたりしながら役と一体化していく、それがシリーズものの魅力でもありますね。

エロさを出すには? どんな時にエロさを感じる? 舞台に向けての創意工夫

――色気、エロティシズムについてお伺いします。人のどんなところに色気を感じるか、舞台上でどう色気やエロさを出そうと工夫されているか教えてください。

櫻井:僕、プライベートではまったく外に出ないインドア派なので、普段の生活では色気も何も無いんですよ!

でも艶漢の時は、色々な人に話を聞いて取り入れて、美に関して研究します。母に「男性のどういうしぐさが好き?」って聞いたりしました。

小沼:お母さん、何だって?

櫻井:「うなじが好き」って(笑)。詩郎は首筋から細く、結んだ髪を垂らしているのでチラ見せ仕草に入れたいですね。

小沼:僕は、人が何かを食べているところにエロさを感じます。肉や赤身。だから、自分が何かを食べる時は「どうやったらエロくなるんだろうな?」って考えます。例えばフルーツだったら、りんごを丸かじりするとか(笑)

そういうことも今回はすごく勉強なので、勉強しながらお客様に届けられたらと思っています。

「これまで観てきた方も、これからの人も楽しめる作品です!」世界観にどっぷりと浸かりたい

――最後に、これまでのシリーズから続けて観ているファンと、これからのファンの方にメッセージをお願いします。

櫻井:この『艶漢』シリーズが続けられるのも、本当に皆さんの愛のおかげです。

今回は第四夜です。新章のような、新しい始まりになる作品になればいいなと思っています。『艶漢』の世界観の幅も広げていきたいです。今回から初めて観られる方も、絶対に楽しめる作品になっていると思います。

自分自身、周りの方に助けられてここに立てているので、感謝の気持ちを忘れずに。吉原詩郎と向き合って、ドラマチックな作品をお届けしたいと思っております。

小沼:僕は、今回の第四夜からの参加となります。今までの世界観を崩さず、そこにどっぷりとハマっていきたいです。

今回から来てくださったお客様にも、こういう世界観があるよ、ということを知って頂けたらと思います。稽古も頑張っていきますので、なにとぞよろしくお願い致します。

浪漫活劇譚『艶漢』第四夜は、2020年2月16日(日)から、シアターサンモールにて上演される。昭和レトロ、フェチズムたっぷりの演出・衣装、世界観を体現するキャストたち。

波乱万丈な人生を送る艶やかなキャラクターたちの生き様と独特の世界観を、ぜひ味わってほしい。

撮影:K.Hikaru

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公演情報

タイトル

浪漫活劇譚『艶漢』第四夜

原作

尚月地『艶漢』/「ウィングス」連載中(株式会社 新書館)

脚本・演出

ほさかよう(空想組曲)

企画・制作

CLIE

劇場・日程

シアターサンモール
2020年2月16日(日)~3月1日(日)

キャスト

吉原詩郎役:櫻井圭登、山田光路郎役:末原拓馬(おぼんろ)、吉原安里役:三上 俊
大太刀一平役:小沼将太、鏡湖役:岡田あがさ、虹海役:松島志歩、花魚役:青木志穏、漁火役:芹沢尚哉、水稚役:坂下陽春/潮見役:加藤良輔


公式サイト

http://www.clie.asia/adekan/

公式Twitter

@clie_seisaku

©︎CLIE
©︎尚 月地/新書館
©︎尚 月地・新書館/幻灯署活劇支部

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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