インタビュー

「幼少期は天沢退二郎に影響を受けた」屈指の本好き・梅津瑞樹が『極上文學』で挑む文学世界の表現

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2019年12月に上演する本格文學朗読演劇 極上文學 第14弾『桜の森の満開の下』〜孤独〜に梅津瑞樹が出演する。

鴻上尚史が主宰する虚構の劇団に所属し、「舞台『刀剣乱舞』慈伝日日の葉よ散るらむ」で注目を集めた梅津。今回の舞台にかける思いや見どころ、好きな文学作品などを聞いた。

――本作に出演が決まったとき、どんな気持ちでしたか。

偶然にも前回の公演を見させていただいて、その折に素敵な観劇体験をしたなぁという印象を強く受けました。僕はお芝居を観に行って「イイネ」と思ったら、最寄りの駅を無視して少し歩いて帰るのですが、その日もふわふわとした心持ちで気が付けば5kmほど歩を進めていたのを今でも覚えています。

たしかサザンシアターでやっていて、気が付いたら飯田橋辺りだったので……。なので、まさかこんなにもすぐに出演させていただけることになるとは夢にも思わず、とても嬉しかったです。

――極上文學シリーズについてどんなイメージを持っていますか。

文字、そして言葉を表現することに対してすごく実験的かつ多角的なアプローチを試みていそうだな、というイメージがあります。言語的な記号性以上のことを探るために、言葉に肉体を与えようとしているのかなというのが率直な印象かもしれません。

――坂口安吾の原作は読んだことがありますか。

あります。坂口安吾はかなり好きなので、今回の原作である『桜の森の満開の下』以外も大体読んでいます。冬樹社版の全集も買おうか迷うぐらいには好きです。そういう点においても、今回の極上文學との巡り合わせはすごく奇跡のようなものだと感じています。

――ご自身の演じる役、作品の見どころを教えてください。

今回は鼓毒丸、そしてミレン、アコガレと合わせて三役やらせていただくことになるのですが、もうそれだけでもワクワクしませんか? 同じ舞台でこんなにも美味しい経験をさせていただけることはそうないと思っています。

演じる僕たちは公演毎にキャラクターを行き来する訳ですが、そこには僕とキャラクターのみならず、キャラクター同士の双方向性もある気がしていて、そこから生じる変化みたいなものはもしかしたら見どころとしてあるかもしれません。

――演じる上で苦労するところはありますか。

苦労というか、苦悩の連続ですね(笑)。

今作もそうですが、例えば原作のある話であれば、その物語のはらむ空気にせよ、登場人物にせよ、既に観にくる方々の中に100通りの解釈が生じている。僕らが追いかけても追いつけないほどに、もうその作品の深くへと潜っている人が大半でしょう。

しかし、そんなことを言っても最終的には自分の中で構築したものを提示するしかない。そうなると兎に角、情報収集して体系化していくことからはじめます。まず最低限度の土壌を作らないと育つものも育たないので。

――これまで極上文學シリーズに出演された方の中で憧れている方、尊敬している方とその理由を教えてください。

まっきーさんこと、荒牧慶彦さんです。今年の夏、ご一緒させていただいたのですが、本当に格好良い。座組を纏める姿はもちろんのこと、個人的に役に関してご相談させていただいていたのですが、ずっと親身になって聞いてくれる、その内面も。心底頼り甲斐のある方です。

それだけに留まらず、上昇志向もちゃんと強い方で、常により良い物にしていこうとする意識を相手役としっかりと共有する、そういった信頼できるハングリーさみたいなものを持っているところもすごく好きです。間違いなくプロですね。これに尽きます。

――第14弾で共演する役者の方々にはどんな印象をお持ちですか。

三上俊さん、松本祐一さんは以前ご一緒させていただいているのですが、今回は同じチームにならず……。他の方とはまだ全然話したことがないので分かりません。

唯一、太田将熙くんは取材の時に初めて会って話したのですが、とてもフワフワとした可愛らしい子でした。何故か唐揚げの話をしたのを凄く覚えています。舞台上での彼がどのように変化するか楽しみです。

――極上文學といえば言葉で伝える朗読劇。梅津さんはブログをたくさん書いており、ファンも嬉しいと思います。ブログで伝えるようにしているのはどうしてですか。

ありがとうございます。そうだと良いのですが。でも、実はブログも更新自体は月1回のペースなのです……(笑)。

僕はそもそも、演劇というものをしていること自体が、内在するものを汲み取る手段だと考えているので、文章を書くこともそのムーブメントの一環です。

とかく略語が氾濫する昨今だからこそ、言葉を尽くすことを忘れてはいけないと思っています。自分以上に自分が感じたことを伝えられる人はいないのだから、その手段は持ち得る限り持っておくべきかなと。

――日常や舞台で「言葉で伝える難しさ」を感じたエピソードがあれば教えてください。

誰しもあることですが、これは常日頃からぶつかりますね。

言葉で伝えようと思うと、その伝えたいことが複雑であればあるほど、難しいというか、普段聞き馴染みのないような言葉を用いなければならなくなるのですが、そもそもそうした言葉は日常会話において共通認識になり得ないので伝わらないという矛盾がよく生じます。

――これまで読んできた中でとくに影響を受けた文学作品を教えてください。

やはりその時々によって好きな作品は変わってくるのですが、幼少期に一番影響を受けたのは詩人の天沢退二郎の作品です。歪み具合が良い塩梅なんですよね。

あとは、ぱっと思いつく限りで中学の頃はフランツ・カフカとかホルヘ・ルイス・ボルヘス、高校では作家で俳人の久米正雄とかだった気がします。

今でもそれらの作家は好きです。

――昔から読書が好きだったんですね。

小さい頃から二宮金次郎スタイルで読書していました。だから、今でも駅とか街中で巨大なハードカバーの児童文学を小さな手で一生懸命支えながら歩き読みしているちびっ子を見かけると「嗚呼、この幼き探求者に幸あれかし」と願います(笑)。

――それでは最後に、公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。

原作を読んでビビビときた方も、読んでないけど何やら面白そうな匂いがするぞという方も、ご期待ください。絶対面白くします。

そして、これをきっかけに文学の世界をのぞいてみようかなと思う方が一人でもいれば、それはかつて青春の時に道しるべとなってくれた坂口安吾への恩返しにもなるかもしれません。言葉以上に語ること。頑張ります。

劇場にてお待ちしております。

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公演情報

タイトル

本格文學朗読演劇極上文學 第14弾『桜の森の満開の下』〜孤独〜

原作

坂口安吾

演出

キムラ真(ナイスコンプレックス)

脚本

神楽澤小虎(MAG.net)

音楽・演奏

橋本啓一

劇場・ 日程

新宿 FACE
2019年12月7日(土)〜15日(日)

キャスト

荒木健太朗
梅津瑞樹
太田将熙
田口涼
田渕法明
轟大輝
松本祐一
三上俊
宮城紘大
山本誠大

語り師:榊原優希、笹 翼、高坂知也、ランズベリー・アーサー
具現師:市川真也 、今井 稜 、萩原 悠 、古見亮大 、篠原麟太郎
ほか

公式サイト

https://www.gekijooo.net/

公式Twitter

@MAG_play

(c)2019 CLIE/MAG.net

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