歴史や大河ドラマが好きな老若男女に観てほしい作品のひとつが舞台「信長の野望・大志」シリーズだ。
今回は、筆者がこの作品を好きな理由とともに、シリーズの見どころを語りたいと思う。
舞台「信長の野望・大志」ってどんな作品?
舞台「信長の野望・大志」は、コーエーテクモゲームスの同名ゲームを原作としている。歴史好きならどこかで一度は聞いたことがあるゲームだろう。
プレイヤーが戦国武将として、戦国の世を生きていく歴史シュミレーションゲームだ。
武将として武功を挙げて名を挙げるも良し、知略を巡らせ権力を拡大するも良し。実際に戦国の世を生きるなら……を味わえる自由度の高さもこのシリーズの人気を支えている。
そんな玄人向けのゲームが2018年春、舞台となった。
舞台版では織田信長(鶏冠井孝介)を軸に物語が進んでいくのだが、このシリーズのどこをそんなに推したいのか。この後じっくり語っていく。
1. ゲームの“らしさ”が劇的な仕掛けになる
【人物紹介】
・織田信長(鶏冠井孝介)激戦の末、浅井・朝倉連合軍を破り京を制圧し、
足利義昭を傀儡として天下に号令せんとする。
だが、まだその支配は安定していない。>>https://t.co/cJLfWGbk7N#舞台信長の野望 pic.twitter.com/35txzFDpeN
— 舞台 信長の野望・大志 (@nobunagastage) 2018年8月15日
プレイヤーが戦国武将として生きるゲームだと先ほど述べたが、ゲームのこの醍醐味がまるっと舞台になっているのがなんといっても面白い。
舞台上に流れているのはたしかに戦国時代である。
しかし、その時代を生きる人々に混ざって“平成の世の記憶を持った人物”が登場するのだ。
ある日突然、歴史に名を残してきた武将となって生きるとしたら……。あなたならどうするだろうか?
歴史を変えたい、とその時代を自分らしく生きるだろうか。それとも、自分が背負うことになったその武将の人生をなぞるように、歴史通りに生きようとするだろうか。
この問いが、本作の織田信長に重くのしかかっていくのが舞台1作目である。
突然“あの”織田信長として生きることになった青年が、戸惑いながらも次第に自分の生きるべき道を模索していく姿は、本シリーズ全作に通ずるテーマではないだろうか。
と、ここまでは織田信長が主人公である以上想像がつく展開かもしれない。
しかし、演出脚本を手がける久保田唱の仕掛けはこれだけではない。織田信長以外にも数人、平成の世の記憶を持った人物が登場するのだ。ここが、この作品の個人的に気に入っているポイントである。
本来の歴史を知っていてあえてその歴史通りに進めようとする者、逆に歴史を覆そうとする者。
そして大切な人に本来の歴史を伝え、未来を変えようとする者。それぞれの思惑があり、駆け引きがある。
しかも誰がその未来を知る者なのかは事前に分からないのだ。この人は記憶を持ってるかも!?と、予想しながら観るという楽しみ方もできる。
一方、そんな武将たちのなかで、その時代の武将としてただ懸命に生きる者たちもいる。
本来の歴史とはズレた歴史の中で、そうとは知らずに翻弄されていく生き様も、またドラマチックだ。
歴史を詳しく知っている人こそ、少しずつ食い違っていく歴史の流れが面白く感じられるだろう。
2. Wサイドストーリーで浮かび上がる人対人
【お知らせ】
いよいよ明日、2月1日午前10時より下記のチケット先行受付が始まります!
ぜひお早めにお申し込みください♪
GAMECITY先行(2月1日~10日)→https://t.co/fQIaewxnGk
出演者先行(2月1日~10日)→https://t.co/c8Oom923ba …#舞台信長の野望 #チケット pic.twitter.com/zl3v0G3XKY— 舞台 信長の野望・大志 (@nobunagastage) 2019年1月31日
舞台「信長の野望・大志」シリーズの特徴のひとつに、Wサイドストーリーが挙げられる。
これは説明してもなかなか分かってもらえないことが多いシステムなのだが、よく見かけるルート分岐のマルチエンディングとはまったくの別物だ。
描かれるストーリーはどちらも変わらない。ただ、その出来事をどちらの陣営の視点で観るのか、ということである。
ひとつの出来事が起きている裏側で、どんなやり取りがあったのか。それを知ることができるのが、このWサイドストーリーならではの魅せ方である。
敵や味方といった単純な対立だけでは成り立たない。
各陣営にいるのは、戦うための駒ではなくそれぞれに大切な人を持つ人間であること。
それを嫌でも痛感してしまうシステムともいえる。両サイドを観たうえで再び観劇すると、必ず新たな発見があるだろう。
この舞台を観る機会があるなら、絶対に両サイドを観てほしい。というのが、筆者の本音である。
3. 浴びるように観る縦横無尽な殺陣
千秋楽後の打ち上げ集合写真です📷
まだまだ冬の陣の余韻が残っておりますが…来年5月の公演も決定しております!情報も随時公開して参りますのでお楽しみに!
#舞台信長の野望 #信長の野望 #冬の陣 #次回公演 #本能寺の変 #お楽しみに pic.twitter.com/mdbJArfw9K— 舞台 信長の野望・大志 (@nobunagastage) 2018年11月15日
3つ目の本シリーズの特徴は、キャストの多さ。いずれの作品も40人近いキャストが登場している。
キャスト一覧を見たときに、名前が多すぎて何が何だか……となるかもしれないが、彼らは戦国の世を動かすのだ。
それくらい登場人物が揃わなくては歴史も動かせないのだろう。
この人数での(全員が殺陣に参加するわけではないが)殺陣の迫力がすごいのは言うまでもない。
劇場が狭すぎると思ってしまうほど、ステージ上を縦横無尽に駆け抜けていく。
推しが出る場合は、とりあえず着物の色味を覚えておいた方がいいだろう。初見の際は、推しがどこにいるのか探すのが大変である。
人数は多くとも、そのキャラにとってメインとなる方のサイドではしっかりと人物像を掘り下げてくれるので安心してほしい。
どちらかのサイドで、しっかりと見どころが用意されているはずである。ベテラン俳優も入り乱れての殺陣に芝居。
ほかの2.5次元作品ではなかなか味わえない体験が、キャストにとってもファンにとっても待っている作品である。
歴史ものは好きだけど、キラキラした感じの作風はちょっと……。そんな人にもおすすめしたい。
戦国の世を生きる“漢”たちによる、熱き歴史絵巻があなたを待っているだろう。
昨日4/15、舞台信長の野望 夢幻 〜本能寺の変〜の制作発表が行われました!現在チケット一般発売中です✨
写真は
織田信長役 鶏冠井孝介さん
明智光秀役 谷佳樹さん
お市役 田中れいなさん
今井宗久役 彦摩呂さん
です!https://t.co/XnVmXEjb9O #舞台信長の野望 #鶏冠井孝介 #田中れいな pic.twitter.com/NgLQpe7Esy— 舞台 信長の野望・大志 (@nobunagastage) 2019年4月16日
先日『2.5ジゲン!!』でも紹介したが(“度肝抜かれる展開”待つ舞台『信長の野望』最新作 鶏冠井孝介・谷佳樹らが熱意語る)1年に渡り上演されてきたシリーズの完結編が2019年5月に上演される。
ついに舞台は本能寺の変。
未来の記憶を持ちながら乱世を駆け抜けてきた織田信長の結末、そして初演から登場しているもののいまだ腹の内が見えない明智光秀(谷佳樹)の目的。
ぜひシリーズ初演からおさらいをしたうえで、その結末を見届けてほしい。
※舞台「信長の野望・大志-夢幻-〜本能寺の変〜」レポートはこちら
舞台「信長の野望」第3弾が開幕 鶏冠井孝介「本能寺の変に恥じぬよう素晴らしい作品になっている」※2019年11月開幕の最新作情報はこちら
舞台「信長の野望・大志 -零- 桶狭間前夜 〜兄弟相克編〜」4
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