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蒼木陣×菊池修司が語る、1年の締めくくりにぴったりな舞台『笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康』

実に12年目を迎える年末年始のお祭り「祭シリーズ」。もうこの作品なしでは年を越せない、そんな熱狂的なファンを生み出してきた同シリーズの最新作笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康』がいよいよ始動した。

2.5ジゲン!!では、同シリーズ3度目の出演となる蒼木陣、今回が初参加となる菊池修司にインタビューを実施。本作への意気込みをはじめ、役への印象や作品テーマ「それでも生きる」にちなんだエピソードなどを聞いた。

第2部に登場する国民的アイドル武の衣装に身を包んだ2人の撮り下ろし写真とともに、年末への期待を膨らませながら読んでもらえたらと思う。

蒼木陣「もがいた分だけ見えてくるものがあったら」

――素敵な衣装ですね。2部の衣装とのことですが、実際に袖を通してみていかがですか。

蒼木陣(石川数正役):素敵ですよね。今日は4人での撮影もしていただいたのですが、初参加の菊池くん的に、これどう?

菊池修司(鳥居元忠役):すごく素敵だし、パンチがありますよね。なるほど、こういう感じかと…。

蒼木:ふふふ。

菊池:すごく素敵なのですが、いまはこの「祭シリーズ」の波に乗るのに必死というか。

蒼木:さっき外でも撮影しましたけど、通行人の方がなんとも言えない顔で見てらっしゃいました。

菊池:そうですね。見ちゃいけないものを見るような視線を感じました(笑)。

――それだけ目を引く素敵な衣装ということですよ! 今回、蒼木さんは2年ぶり3回目の出演となります。今作に期待することを教えてください。

蒼木:毎度そうなんですが、そのとき自分が持っているものを稽古場でぶつけてみて、いろいろな角度からの演出の指摘をいただいて、共演者の方にもアドバイスをいただいて。内容はコミカルですし、ぶっ飛んだ先輩方も多い現場ですが、僕は毎回、真面目に向き合って成長できるなと感じています。

なので今回も、終わったときに「ちょっと成長できたかな」と思えていたらいいですね。

――菊池さんは初参加となります。このシリーズはご存知でしたか?

菊池:はい。名前は聞いていたのですが、劇場で観たことがなかったので、周りの役者仲間や、個人的に仲良くさせてもらっているひらりょうさん(平野良)から「こんな感じだよ」と教えてもらって、なんとなく大まかなイメージは持っていました。

だけど、いざこうやって撮影や取材が始まって、本格的にこのシリーズに触れていくと、これまでとは違ったエンタメ色を感じます。これが「祭シリーズ」ならではなのかなって。まだ稽古も始まっていないのですが、いままでやってこなかったタイプのエンタメをお届けできるのではないかなと、すごく楽しみですね。

――蒼木さんは初参加のとき、どんな気持ちで挑まれましたか?

蒼木:初めてもいまも、ビクビクしています(笑)。僕は割とどの現場もそうなんですが、震えちゃうし、夜眠れなくなっちゃう。今回も怖いなあと思いつつ、もがいた分だけ見えてくるものがあったらいいなって思っていますね。

菊池修司「歴史が苦手なお客様でも楽しめる作品に」

――第1部では有名武将たちの物語が描かれます。ご自身の役柄についてはいかがでしょうか。

蒼木:まだ台本をいただく前なので詳しい役どころはわからないのですが、まずは石川数正について調べています。調べてみると彼が寝返ったという有名なエピソードが出てくるのですが、その理由は諸説あるみたいで。だからこそ、今回の脚本ではどういう解釈になっているのかが、まず楽しみですね。

きっとそれを読むことで、主への思いとか、役作りの方向性が見えてくると思うので、脚本の村上大樹さんがどう書いてらっしゃるのか。いますごくワクワクしています。

――一方の菊池さん演じる鳥居元忠は、平野さん演じる徳川家康の親友という役どころです。

菊池:実はひらりょうさんと初共演のときに、敵対する関係性を演じたんですよね。

蒼木:へ~!

菊池:なので、今回は親友役を演じられるのが1番の楽しみです。それと、原作なしのストレート作品で歴史ものを演じるのも今回が初めてなので、そこも楽しみ。歴史の解釈って、いろいろな見方があるじゃないですか。そのなかで、台本やひらりょうさんを軸に、試行錯誤していけるんじゃないかなと思っています。

蒼木:(小声で)日本史、得意ですか?

菊池:いや、僕あんまり得意じゃなくて…。

蒼木:よかった、仲間仲間(笑)。

菊池:学生時代、暗記系が苦手で。数学などが得意な理系でした。

蒼木:仲間がいてよかった(笑)。まずは辞書を引くところから始めています。

――歴史ものを演じる際は、まずは歴史の勉強から?

蒼木:そうですね。学生時代は勉強は好きじゃなかったんですが、役者というお仕事をやらせてもらってからは、演じるうえでいろいろ調べていくうちに、歴史って面白いんだなって思うようになって。

役者を始める前には持っていなかった感覚になれるのも、この仕事を選んでよかったなと思う瞬間ですね。菊池くんは、歴史もののストレートは初めて?

菊池:そうですね。昔って歴史を学ぼうと思ったら、堅苦しい本を開いて調べて…というイメージだったんですが、最近はYouTubeの教育系チャンネルもそうですし、この作品もまさにそうなんですが、歴史を知らなくても人物像や歴史上の出来事を噛み砕いて教えてくれるコンテンツに触れやすくなった時代だなって。

だからこの作品も、歴史が苦手なお客様でも楽しめる作品にしていきたいなと思いますね。

――有能外交官な石川数正、心優しい鳥居元忠とあります。ご自身と通じる部分はありますか?

蒼木:不安しかないですよね。有能だなんて(笑)。抜けているねと言われることのほうが僕は多いので。でも有能というのにも種類があると思うんです。有能=知的だとも限らないですし…とはいえ、現時点で「僕で大丈夫なのかな?」と思っています(笑)。

菊池:でもさっきの撮影では有能感、出ていましたよ!

蒼木:出てました!? 良かったです。一応30歳なので(笑)。

菊池:僕は優しい…か。

蒼木:優しそうな雰囲気はありますよね。

菊池:優しいかどうかはわからないですけど、僕あんまり怒ったことがなくて。怒るってすごく無駄な労力だなと感じちゃうんですよ。

蒼木:へ~。

菊池:怒るよりも、どうしてそうなったのかを考えるほうにベクトルが向いてしまう。怒りの感情を表に出すメリットがないなと感じるので、もう何年も怒ってないですね。

蒼木:イラッとすることはあるの?

菊池:それはありますね。でもイラッとしても、その感情をそのまま出すんじゃなくて、違う形で出すためのはけ口を探します。その分、舐められることも多いんですけど(笑)。そういう意味では心優しい鳥居元忠と似ている部分はあるかもしれないですね。

最初はとくにそう思っていなかったのですが、取材のなかで似ているかもって思ってきました(笑)。なので、ますますひらりょうさんとの絡みが楽しみになりましたね。原作ものではないので、役を自分に重ねられるというか、自分が噛み砕いた鳥居元忠を演じられるので、似ている部分も生かしてお芝居できたらいいなと思います。

第2部は、コントも歌もダンスもあり!

――コントも歌もダンスもある第2部もとても楽しみです。出演者から見た第2部はいかがですか?

蒼木:すごく鍛えられます(笑)。

菊池:噂はかねがね聞いております(笑)。

蒼木:うまくやれたなと思えたことは僕もないですが、頼りなる先輩方がたくさんいらっしゃるし、誰かがなんとかしてくれるので、甘えさせてもらっています。結果「楽しかったな」と思ってもらえればいいな。菊池くんは歌やダンスは?

菊池:いやぁ~。そこまでちゃんとやってきた身ではないので、自信は全然ないんですけど…。これって役がやっているという体(てい)なんですかね? それとも僕?

というのも、それによってだいぶ変わる気がしていて。菊池修司として歌ったり踊ったりするのが、すごく苦手なんですよ。でも例えば鳥居元忠という人物がやっているっていうマインドになると、そんなに恥ずかしくないんですけど、菊池状態だと丸裸じゃないですけど…。

蒼木:すっぴんを見られているみたいな?

菊池:そうなんですよ。

蒼木:本人でやるかどうかも、割とこちらに委ねてもらえる気がします。

菊池:そうなんですね! いや…でも怖いですね(笑)。

――もしかしたらファンの方は第2部でレアな菊池さんが観られるかもしれない、と。

菊池:そうですね。僕は不本意ですけど(笑)。

――今年も個性豊かなキャスト陣が揃っていますね。とくに共演が楽しみな方はいらっしゃいますか。

菊池:原田龍二さんはテレビで観ていて、男として憧れるかっこよさを持つ方なので、舞台上でお芝居できるのが楽しみですね。

あとは宮下雄也さんを他の作品で拝見したときに、宮下さんの独壇場で。思わず視線がいっちゃう中毒性のある方だったので、今回ご一緒できるのが嬉しいです。あの宮下雄也さんに自分がどう対応していけるのか、未知な部分も含め楽しみです。

蒼木:僕は辻本祐樹さんですね。僕が初めてる・ひまさんの作品に出演して以来、今回が4度目の共演。これまで親友や主従の関係性を演じてきたのですが、今回はどんな関係性で作中で絡めるのか楽しみですし、「芝居を通して頑張っています!」というのが伝えられればいいなと思っています。

「一年の締めくくりになるような作品に」

――今年のテーマ「それでも生きる」にちなみ、お2人はしんどい状態からどうやって気持ちを復活させるタイプですか?

菊池:ご時世的に難しいんですが、僕は海外に行くとすっきりしますね。思い悩んでいるときに日本から飛び出すと、自分の悩みがちっぽけに思えて。飛行機で何時間もかけて行った先にも、人種も文化も考え方も違う人がたくさんいて、みんながそれぞれ生きていると思うと、日本にいる僕という人物がそんなに悩む必要もないなって。高校時代からときどき海外に行っていましたね。

蒼木1人で行くんですか?

菊池:そうですね。最初は高校のときに1ヶ月くらい行って、それからたまに行くようになって。今は海外に行けていないんですが、当時のことを思い出すだけで気持ちがフッと軽くなって復活しますかね。

蒼木:すごい。憧れます。

菊池:全然そんな格好よくないです。いまちょっと格好つけて話してるんで(笑)。

蒼木:僕は20代後半くらいからですかね。カーテンコールで拍手いただいたときに、すべてが報われるというか。こんなに楽しんでもらえるんだという気持ちを知ってから、苦しいことがあっても、これもいずれ自分の人生にとってプラスになる時間だからって思えるようになりましたね。

それで大抵のことが頑張れますし、もしどうしようもなくなったら誰かに相談します(笑)。現場にはたくさん頼りになる方がいらっしゃるので。

――素敵なエピソードをいただいたところで、最後に改めて本作への意気込みをお願いします!

菊池:初参加ですが、名だたる先輩方が積み上げてきた本シリーズに自分が出る意味を考えながら、大切に演じたいと思っています。年末年始を飾る作品なので、僕らにとってもそうですし、お客様にとっても一年の締めくくりになるような作品となるよう、一部も二部も最高のエンタメを届けられるよう頑張ります! ぜひ劇場に来ていただけたらと思います。

蒼木:2年ぶりにこのシリーズに帰ってくることができました。今回もきっと稽古中は悩んでもがくと思うのですが、その先にたどり着いた本番で皆様に楽しんでいただけるよう精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします。

***

年末が駆け足で近づいてくることを感じさせる冷たい空気とは対照的に、ゆったりとした語り口の蒼木と朗らかな雰囲気の菊池の対談は、ほのぼのと心温まる時間となった。

12月23日に明治座で始まり、1月8日に梅田芸術劇場で幕を閉じる笑う門には福来・る祭明治座でどうな・る家康』。本作を観終わった後は、泣いて笑ってスカッとして、きっとこれ以上に温かい気持ちで帰路につけるのだろう。2022年の観劇納め、そして2023年の観劇初めに、12年続くここだけのエンタメを浴びてみてはどうだろうか。

取材・文:双海しお/撮影:梁瀬玉実 / 編集:五月女菜穂

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菊池修司×竹中凌平主演の“ボーイズライフ”作品『佐々木と宮野』がまもなく開幕 

7月23日(土)、舞台『佐々木と宮野』が東京・シアター1010にて開幕する。本作は、春園ショウによる『佐々木と宮野』(MFCジーンピクシブシリーズ/KADOKAWA 刊)の舞台化作品。BL漫画を愛する“腐男子”宮野由美と少し不良の先輩・佐々木秀鳴との恋愛模様や、彼らを取り巻く友人たちの日常を描く、甘酸っぱいボーイズライフ作品だ。

2.5ジゲン!!では、本作のダブル主演である菊池修司(佐々木役)と竹中凌平(宮野役)に対談取材を実施し、漫画・アニメを見ての印象などの話を聞いた。佐々木役と宮野役としてお互いに伝えたい胸きゅんメッセージとは……? 本作の公開稽古と取材会の様子とともにお届けする。

なお、本記事には、稽古で披露された原作でも人気のシーンの写真を含むため、「全ては劇場で観たい」というファンは注意してもらいたい。

原作へのリスペクトを忘れずに、自信を持って面白いと言える作品を

――まずは、本作に出演が決まった時のお気持ちから教えてください。

菊池修司(佐々木秀鳴役):お話をいただいて原作に触れたところ、とてもほのぼのとしていて自分自身も幸せになれる作品だと感じました。同時に、細かい感情やちょっとした動きのひとつひとつも大事にしている作品なので、どう舞台で表現しよう、どう届けよう、とも思いました。

佐々木と宮野として、お客さんにどう受け取ってもらえるだろうか……というプレッシャーも同時に感じたのを覚えています。

竹中凌平(宮野由美役):情報が解禁された時、女性からだけではなく男性からもたくさん声をかけていただいたんです。反響の大きさに、頑張らなければと改めて感じました。『佐々木と宮野』というタイトルで宮野役をさせていただくことにプレッシャーはありますが、これまで持っていなかった価値観が広がっていくことにワクワクしています。

――お2人は2019年の舞台以来の共演となります

菊池:その時はそれほどがっつりと絡む役ではなかったのですが、一度共演していると壁やフィルターが外れるので、安心して稽古に入れます。何よりも、宮野役が凌平くんだと聞いてぴったりだと思ったので、とても楽しみになりました。

竹中:佐々木先輩はすごくかっこいいので、イケメンの修司が演じたら絶対かっこいいだろ! と思いました。SNSで、修司が3月・4月にものすごく怖い不良の役を演じていたのを見ているので、今回とのギャップがすごいなと感じています(笑)。

――ご自分の演じられる人物の好きなところをそれぞれ教えてください

菊池:自分の気持ちに正直だけれど、相手の気持ちを大事にしているところですね。本当はこうしたいけれど宮野の気持ちを考えると……とドギマギしてしまっているのを見ると、魅力的だなと思います。

竹中:宮野はすごく素直だし、嘘をつかないところが好きです。原作と脚本には、佐々木を好きになっていく宮野の気持ちの道筋が綺麗に描かれているので、それをもとに丁寧に役を作っていくつもりです。

それから何といっても、かわいいですよね! ビジュアル撮影では、目を開き眉を上げて、眉間にしわが寄らないように気を付けました(笑)。

――本作は漫画から始まり、ドラマCD、アニメなどのメディア展開がされてきています。

菊池:アニメももちろん見たのですが、とにかく絵がきれいで、きらきらと輝いているように見えたのが印象に残っています。今までに見たことのないアニメだと感じて、あっという間にワンクール分の12話を見てしまいました(笑)。

かわいいエフェクトもすごく効果的で、だからこそ、舞台でこのきらきら感をどう出そう? と考えました。

竹中:僕もアニメを見て、絵がきれいだなぁと感じました。それから、春夏秋冬を描いている作品なので、季節ごとのイベントなどに合わせて服装が変わっていくのもいいな、と。時間の経過もきちんとあるし、それに合わせて相手への呼びかけ方が変わるのもいいですよね。

菊池:呼び方と言えば、佐々木は普段宮野のことを「みゃーちゃん」と呼んでいるのに、たまに「宮野」って呼ぶときがあるんです。その瞬間はドキッとして、胸がちょっとキュッとなります(笑)。

――脚本・演出は伊勢直弘さんが務められます。伊勢さんの脚本と演出はいかがですか?

竹中:僕は伊勢さんとは初めてです。実は、ちょっと厳しそうな方なのかな……? なんて思っていたんです。でも、こういう作風の作品だからかもしれないのですが、シーンの意図などをものすごく優しく教えてくださっています。

菊池:伊勢さんは締めるところは締めてくれます。脚本のことで言えば、だいぶ長い分量のストーリーを2時間ほどの舞台としてまとめるのはとても大変だと思うんです。でも台本を読んでも、ストレスを感じずにゴールまで持っていけるのはやっぱり素敵ですね。

大事なシーンをこぼさずに拾って散りばめているし、漫画やアニメ以外の部分(ドラマCDやノベライズなど)からも要素を持って来ていて世界をさらに広げているので、ファンの方は嬉しく思ってくださると思いますよ。

竹中:僕は他の仕事の都合で少し遅れての合流になったのですが、もう通し稽古をしているのに驚きました。それから、感情の対比などの心理描写がものすごく丁寧ですよね。思っていることと言っていることが全然違うシーンでのモノローグの扱い方が面白いです。

菊池:この作品は、キャラクターの心の声もどんどん実際の声に出して表現しているんです。でも、それが不自然には見えないようにするにはどうしたらいいか、といろいろと模索しています。2人の心の声のすれ違いやシンクロにも注目してもらえたらと思います。

――佐々木と宮野は、漫画やCDの貸し借りをしながら仲を深めていきます。もしお2人が本作『佐々木と宮野』のコミックスを貸すとしたら、どんな人に、どう言って貸しますか?

菊池:ピュアな心を失ってしまった人や、落ち込んでいる人、いろいろ抱え込んでしまっている人に貸したいです。「1回難しいことは忘れて、これを読んでみて!」「読む前と後では、自分の中で何かが変わるかもしれないよ」と伝えます。

何なら、様子を見ずに少しずつ貸すのではなく最初から全巻渡しますし、スピンオフの『平野と鍵浦』も一緒に貸しちゃいます(笑)。

竹中:きゅんきゅんする気持ちが足りていない人や、恋愛で傷ついてしまった人に貸したいです。ピュアな気持ちを思い出して、またいちから始めたり、一歩前に進んで欲しいなと思います。

――本作の見どころとファンの皆さんにメッセージをお願いします

竹中:多くのファンの方に愛されている作品なので、プレッシャーも感じていますが、原作へのリスペクトを忘れずに、自信を持って面白いと言える作品を作り上げます。公演が始まってからも口コミでどんどん良さが広まっていったらいいなと思うので、SNSに感想をたくさん投稿してもらえたら嬉しいです。

菊池:本作『佐々木と宮野』は、多くの人が楽しみにしてくださっているとても大きな作品だと思っています。舞台には舞台ならではの面白さがありますし、2人を中心とした空気感は劇場でしか味わえないと思います。ぜひ、ワクワクを胸に劇場へ来てもらえたら嬉しいです。

――最後に、佐々木と宮野としてお互いに一言伝えてください

菊池:好きな本について話している宮野はすごくかわいいです。稽古中はマスクをしているんですけれど、マスク越しでも楽しそうな気持ちが伝わってくるんです。

僕がCDを貸したりした時、宮野が嬉しそうな顔をすると僕も嬉しくなります。もっとそういう宮野の顔を見たいし、ずっと見ていたいなと思っています。

竹中:そうですね、僕から佐々木先輩には……「落としてください」でお願いします!(笑)。

「夏にぴったりなきゅんきゅんする作品」!

インタビューの前には、公開稽古と取材会がおこなわれた。公開稽古では、宮野が佐々木に初めて漫画を貸すシーンや、風邪の影響で居眠りをしてしまった宮野に佐々木が葛藤しながらも触れるシーンなど原作でも人気のシーンなどが情感たっぷりに披露された。

取材会には菊池修司竹中凌平上田堪大川隅美慎北村健人阿部快征伊崎龍次郎が出席。本作への意気込みや、丁寧な心理描写を大事にしている本作ならではの演じがいなどについてのコメントが寄せられた。

――お1人ずつコメントをお願いします。

菊池修司:この作品は「ボーイズライフ」ということで、言葉のひとつひとつがあたたかく、観てくださった方もすごく心が温まる作品だと思っています。佐々木と宮野の関係性もより濃く出していけたらと思いますので、ぜひ本番を楽しみにしていただけたらと思っております。

竹中凌平公演が7月の後半なので、夏にぴったりなきゅんきゅんする作品をお届けできればと思います。皆さまのご来場、お待ちしております!

上田堪大ちょうど先日、粗(あら)通しを行いました。今作はキャスト皆と少人数でつくる演劇なので、まだまだブラッシュアップしていきます。劇場で素敵なものをお届けできるように、健康管理に気をつけながら残りの稽古も頑張っていきたいと思います。引き続き応援していただけると嬉しいです。

川隅美慎この作品では、他では味わえないような“カップル萌え”みたいなものができるのではないかと思います。非日常的なものを描いている作品が多い中、本当にこの世界のどこかで起きているような高校生活を描いた作品です。

きっと登場人物たちと同じ悩みを抱えている人たちもいると思いますので、そういう方々に向けても“腐男子”“腐女子”がいる世界を皆さんにお届けできたらと思います。ぜひ劇場まで観に来ていただけると嬉しいです。

北村健人:情報解禁がされてから、SNSでも皆さんの反応を見させていただいて、これまで舞台を観たことがない方も多いのかなと感じました。これを機に初めて舞台に観に来てくださる方にも「舞台ってこんなに面白いんだ」と思っていただきたいですし、初日から千穐楽に向けて口コミでも広がっていくような作品にしていきたいです。

僕らも最後までこだわって、稽古最終日まで頑張っていきます。ぜひ、観に来てください。

阿部快征:……恋って難しいですよね。(周りから「どうした?」と突っ込みが入る)恋って難しいんです。いろいろな形があります。この作品を観たら、その1つの答えが分かると思いますので、恋に悩んでいる方! この舞台を観に来て答えを見つけてみてはいかがでしょうか。ぜひ恋を学びに来てください。よろしくお願いします。

伊崎龍次郎:漫画から展開して、アニメ・朗読があって、今回は舞台です。「佐々木と宮野」という舞台ならではの表現を、「佐々木と宮野」のファンの方そして、演劇を観たことが無い方、演劇を愛してくれている方、皆さんに舞台ならではの空気感を劇場で体験していただけたらと思います。

男子高校生ならではのわちゃわちゃとした感じや、佐々木と宮野2人の繊細な言葉のやり取り、心の機微や物理的な距離などの1つ1つに息をのんだり、笑ったり、きゅんきゅんしていただければ、舞台でやる意味があるなと思います。ぜひ劇場に体験しにいらしてください。お待ちしております。

――本作は、男子高校生の日常と心理描写を丁寧に描いた作品です。アクションやダンスなどのある作品に多く出演されている皆さんが感じる、本作での俳優としてのやりがいや、チャレンジしていることなどを教えてください。

菊池:普段は、キャラクターの気持ちを想像して楽しんでいただくことが多いのですが、本作は、佐々木と宮野をはじめ登場人物たちの心の言葉を丁寧にひとつひとつ出していく作品です。今までにない観点でお芝居をしていて、とてもやりがいを感じています。だからこそ、その言葉に嘘がないように丁寧に届けていきたいです。

竹中:本作では、ダンスや殺陣といった身体的なアクションがない代わりに、繊細な心理描写の“心のアクション”がとてもたくさんあります。そういう所がしっかりとお客様に伝わるように、繊細に描いていきたいと思っています。

上田:アクション、ダンス、歌といったものは目を引きやすいものですが、本作では、シンプルに芝居を届けています。それから、音楽、照明、衣装などの各セクションのスタッフさんといつも以上にコミュニケーションを取って作り上げることを意識しています。

川隅:とてもリアルな作品です。でも、大きな劇場でリアルにやりすぎてもお客さんに伝わらない部分も出てきてしまうかもしれないし、だからと言っていつものエンタメ性の強い作品のように大きく演じるのも少し違うかもしれません。

本作はそれらの中間にある作品だと感じていて、ちょうどいい塩梅をみんなで試行錯誤しているところです。佐々木と宮野が触れ合う大事な瞬間がどこまでお客さんに伝わるか…とても難しいのですが、そこは注目してほしい部分です。

北村:本作は、非日常的な大きな事件や問題が起きる話ではありません。日常的な出来事の中に、彼らにとっての事件や問題へと発展していく要素があるので、それはどれなんだろう? とすくいだしていく作業が大切になっていきます。普段とは違う発想で台本に取り組んでいかなければいけない作品だな、と感じながら臨ませていただいています。

阿部:役者をやっていて快感を覚えるのは、発した台詞が皆さんに伝わった時です。だから今作も、広い劇場ではありますが、観に来てくださったお客様に伝わればいいなと思いながら、もっともっと台詞に想いを込めていきたいです。

伊崎:原作にある瑞々しい言葉と感情と“間”を、集中して丁寧に、楽しみながら作っています。原作で描いているものがリアルな分、お客様も感情などを共有して楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

取材・文・撮影:広瀬有希/編集:五月女菜穂

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「シアターシャイニング」シリーズ4作目の第2弾『Pirates of the Frontier』が上演決定 キービジュとソロビジュアルが解禁

『うたの☆プリンスさまっ♪』が、“劇団”をテーマに展開する舞台公演プロジェクト「劇団シャイニング」。2013~2014年にかけてシャイニング事務所のアイドルたちが3つの演劇タイトルに挑み、 好評のうちに終了した「劇団シャイニング」が2017年、気鋭のキャスト・スタッフを迎え再始動。

『天下無敵の忍び道』『マスカレイドミラージュ』『JOKER TRAP』を順次上演し、2018年5月にはレビューショー公演『SHINING REVUE』を開催。そして、2018年9月からは「シアターシャイニング」シリーズ4作の舞台化がスタート。 第1弾『ポラリス』に続き、このたび第2弾『Pirates of the Frontier』の上演が決定した。『Pirates of the Frontier』のテーマは“海賊”。

キャストは「劇団シャイニング」シリーズ第1弾『天下無敵の忍び道』で音也衛門役を演じた小澤 廉がイッキ役を、第3弾『JOKER TRAP』よりRAN役を演じた小波津亜廉がマルロー役を、同じく第3弾『JOKER TRAP』よりCAMUS役演じた菊池修司が白い悪魔役を務める。

大海原を舞台に繰り広げられる男たちの絆の物語を、ぜひ劇場で堪能しよう。

「うたの☆プリンスさまっ♪」とは
2010年のゲーム第1作目発売以来、アニメ、楽曲CD、ドラマCD、 スマートフォン向けアプリ、イベントなど メディアミックス展開を続ける女性向けコンテンツです。 個性豊かなアイドルの男の子たちが繰り広げる物語を、Elements Gardenが手がける魅力的な音楽と共にお届けし ています。

キャスト紹介


イッキ役:小澤廉
1991年8月12日生まれ 神奈川県出身
■主な出演作
・舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪ 『天下無敵の忍び道』」 (音也衛門役)
・ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ (藤堂平助役)
・舞台『ダイヤのA The LIVE』 シリーズ(沢村栄純役)
・舞台『あんさんぶるスターズ! オン・ステージ』シリーズ (明星スバル役)


マルロー役:小波津亜廉
1991年8月23日生まれ 沖縄県出身
■主な出演作
・舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『JOKER TRAP』」(RAN役)
・ハイパープロジェクション演劇 『ハイキュー!!』シリーズ (岩泉一役)
・舞台『アイ★チュウ ザ・ステージ』 シリーズ(御剣晃役)
・舞台『逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-』(御剣怜侍役)


白い悪魔役:菊池修司
1995年11月10日生まれ 東京都出身
■主な出演作
・舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『JOKER TRAP』」(CAMUS役)
・劇団番町ボーイズ☆第12回 本公演『さらば、ゴールドマウンテン』 (岡本役)
・ハイパープロジェクション演劇 『ハイキュー!!』
“最強の場所”(五色 工役) ・舞台『夢王国と眠れる100人の 王子様 ~on Stage~』(クロノ役)

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松村龍之介、高本 学、小波津亜廉、菊池修司が沖縄旅! 『たびメイト』特別編が19年1月2日に放送決定

ドラマ、舞台、声優とさまざまなフィールドで活躍する俳優陣がハワイや香港、マカオを旅する番組『たびメイト』の特別編が2019年1月2日(水)の22:30〜23:30に放送されることが決定した。

『たびメイト』は、植田圭輔・太田基裕・小澤 廉・岸本卓也・白柏寿大・松村龍之介・横井翔二郎・和田雅成 (五十音順)が、<3つのセクション>に分かれ、それぞれハワイ、香港&マカオを旅する。

特別編は沖縄を舞台に、松村龍之介さん、高本 学さん、小波津亜廉さん、菊池修司さんが出演。石垣島の古民家ではしゃいだり、西表島で大自然を満喫したり、仲良し4人組が南国バカンスを堪能する。番組の詳細は公式サイトならびにツイッターで確認しよう。

番組概要
タイトル:『たびメイト』特別編
放送日:2019年1月2日(水) 22:30〜23:30
放送局:TOKYO MX
※インターネット配信エムキャス(PC・スマホ対応)でもリアルタイム視聴が可能です。
出演者:松村龍之介、高本 学、小波津亜廉、菊池修司
ナレーション:????

≪パッケージ情報≫
【DVD】たびメイト 1巻
発売日:2018年12月14日予定
【収録内容】
●DISC1:第1話〜第3話/●DISC2:未公開特典映像

【DVD】たびメイト 2巻
発売日:2019年1月25日予定
【収録内容】
●DISC1:第4話〜第6話/●DISC2:未公開特典映像

【DVD】たびメイト 3巻
発売日:2019年2月15日予定
【収録内容】
●DISC1:第7話〜第9話/●DISC2:未公開特典映像

【DVD】たびメイト 4巻
発売日:2019年3月15日予定
【収録内容】
●DISC1:第10話〜第12話/●DISC2:未公開特典映像

【DVD】たびメイト 5巻
発売日:2019年4月12日予定
【収録内容】
●DISC1:第13話、特典映像/●DISC2:未公開特典映像

◆各巻アニメイトオリジナル特典:キャストブロマイド(全3種よりランダムで1枚)
◆アニメイト連動購入特典:全5巻購入特典・未公開特典映像DVD

価格:各5,184円(税込)/各4,800円(税抜)
発売元・販売元:株式会社ムービック

<コピーライト>
(C) MOVIC

<公式サイト>
https://www.tabimate.com/

<公式ツイッター>
https://twitter.com/tabimate