作品

『ピース』-peace or piece?

『ピース』-peace or piece?

あらすじ

近未来。全体主義的政治が市民を支配し、衛生的=正義という考え方が社会に蔓延している。国家に忠誠を誓う人間は、「衛生的」の象徴である白い服を着た。健康でいることが奨励され、病原菌の撲滅は国家の目標であった。禁酒、禁煙が徹底され、ベジタリアンになることが求められた。また、「犯罪者は社会の病原菌」とされ、犯罪者の排除、社会からの隔離が、徹底的に行われた。犯罪の告発は美徳とされ、さらに犯罪を報告すると、警察から報奨金が与えられた。防犯カメラはあらゆる場所に設置され、一般市民がおたがいを監視している。

そんなご時世のなか、ウォーター・バーを営む男がいた。オカモト(篠井英介)である。ウォーター・バーは、文字通り世界中の名水を愉しむバーである。まさにこの時代を象徴するようなクリーンな店。だが、店内は黒く塗られていた。そして黒い服を着るオカモトには、過去があった。

その店の常連になりかけの、白い服を着る若い男、レンジョウ(橋本良亮)との会話の中で、オカモトの過去が次第に明らかになってくる。オカモトは、過去に政府転覆を狙う、革命運動に参加していた。とは言っても、革命グループのリーダーは無血革命を目指す学者。 市民の協力なくして、革命の成功はない、と説いていた。

しかし、活動は頓挫。グループのリーダーは逮捕され、獄中で自殺した。善良な市民は、革命より安定、そして支配されることを求めたのである。そしてオカモトは、その結果を受け入れ、はたから見ると世捨て人のように、日々を読書に費やし、漫然と暮らしていた。

一方レンジョウは、株のデイトレードで稼いでいるとうそぶき、その正体は不明。だが、ある日レンジョウは、自分が革命グループのリーダーの息子であることを明かすのだった──

「今の世の中、おかしいと思いませんか?ひっくり返してやりましょうよ」
だがレンジョウの真意は、別のところにあった──

公演情報

タイトル

『ピース』-peace or piece?-

公演時期・場所

2021年7月15日(木)~18日(日)
大阪・サンケイホールブリーゼ

2021年7月28日(水)~8日(日・祝)
東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

脚本・演出

鈴木勝秀

出演

橋本良亮/篠井英介/大嶋吾郎、グレース

公式ホームページ

https://peaceorpiece.com/

公式Twitter

@peaceorpiece_st


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