LEO(actor:三谷怜央)、RYO(actor:滝澤諒)、OMI(actor:大海将一郎)、MAGURA(actor:助川真蔵)の4人によるDance&Vocalグループ・Hi!Superb。そのデビュー5周年を彩るサマーライブ「Hi!Superb 5th Anniversary Live -Hi!Voyage!!-」が8月11日(金祝)・12日(土)の2Daysにて開催された。
「サマライをやらないと夏が来ない!」とメンバーが口々に言うほど、メンバーにとってもファンにとってもサマライはハイシュパの夏の代名詞。しかも今回は久しぶりの声出し解禁&2年ぶりにメンバー4人そろってのライブとあって、盛り上がらないわけがない。
2.5ジゲン!!では、ライブの様子を撮り下ろしショットとともにお届け。ニッショーホールが海賊の行き交う大海原になったり、海底になったり、ライブ会場になったり…。まるで遊園地のアトラクションを片っ端から乗っているような気分になれるライブの様子を、レポートとともに振り返ってもらえたらと思う。
今回のライブテーマは「Hi!Voyage!!」。Voyage=航海にちなんだ、4人の海賊が海へと出ていくOP映像(LEO制作)が流れ、ふと気づくと通路には深くマントを被った4つの人影が登場する。
▲趣向を凝らしたOPも見どころの1つ
客席通路をクールな表情で通り過ぎていく4人の端正な顔立ちにファンが息を呑んだのもつかの間、M1「Trick or Kiss」のイントロに会場がざわついた。「Trick or Kiss」はファンの間ではハロウィンのイメージが強い楽曲だが、そんな楽曲からライブが始まるという意外な構成に、5周年のハイシュパは一味違うと期待がさらに膨らむ。間奏では拳銃や剣での殺陣で魅せ、一瞬、舞台を観に来たのかと錯覚したほどだ。
抜刀ダンスにアガるM2「Brave Rejection」から、M3「VIVA!SUMMER」へ。「VIVA!SUMMER」はこれまでサマライのラストスパートで披露されてきた楽曲だが、まさかの3曲目での登場。この構成には驚かされたが、声出しパートの多い楽曲とあって、この曲を通して会場のボルテージは一気に最高潮へと達した。
▲率先して客席を盛り上げるRYO
自己紹介タイムを兼ねたMCを挟み、M4ではLEO振り付けのかわいくておいしそうなバレンタインソング「Don’t you fall in love?」、M5では4人が肩を組んで回る際のいきいきとした表情から目が離せない「Merry-Go-Round」が披露された。この楽曲はメンバー同士が目を合わせる瞬間が多く、改めて4人の関係性の尊さを実感させられる。
ここからは回替わりのライブ構成となっていて、12日昼公演はソロ曲メドレー。11日・12日夜公演はユニット曲メドレーとなっていた。
1回限りの披露となったソロ曲メドレーは、リーダー・LEOの「But, if you」からRYOの「U&I」へとバキバキのダンスと色気で魅せ、MAGURAはスタンドマイクを使った演出で「I know, say good-bye!」を伸びやかに歌い上げた。OMIの「特別ホリデイ」はラストに全メンバーが登場し、アイドルソング調の同曲をかわいく盛り上げていたのが印象的だ。
▲神々しさすら感じるLEOのソロ曲「But, if you」
▲ファンの涙腺を刺激する歌詞が印象的なOMIソロ曲「特別ホリデイ」
ちなみにユニット曲メドレーでは、RYO&MAGURAが去年のサマライでは叶わなかった念願の2人で「Asian Alien」を熱唱。ハイシュパではめずらしいテイストの楽曲だが、そのかっこよさを上回るほど、2人からはリベンジを果たせた大きな喜びが伝わってきた。
2人がこの楽曲を歌うということは、もう1曲はもちろんLEO&OMIによる「MOTETAIZM」。覚悟をしていても「Asian Alien」からのギャップが大きく、本当に同じアーティストのライブかと思ってしまうが、この振り幅こそハイシュパの魅力だろう。
マッチョスーツで登場したLEO&OMIは、2公演で計800万円分の偽札を客席にばらまき、悲鳴と爆笑をかっさらった。「Asian Alien」の“Boom Boom”や「MOTETAIZM」の“やっぱり優しい人が好き”のコールの一体感を浴びると、アニバーサリーのタイミングで声出しができたことへの感慨深さを感じずにはいられない。
▲大人な「80% Night」で聴かせるMAGURA
前半戦ラストの「80% Night」をしっとりと歌い上げ、約20分のコントタイム(映像&台本はOMI制作)へ。「Hi!Voyage!!ー運命の黒ひげ危機一髪ー」と題し、4人の海賊たちが海賊黒ひげのお宝をめぐりしのぎを削り合うコントが繰り広げられた。
コント台本は回を重ねるごとに崩壊していき、台本があるのにアドリブだらけになってしまうのは、もはや彼らの通常運転だ。とくに輝いていたのは、ものまねレパートリーが豊富なLEO。彼が次々ネタを放り込んでは瞬時にOMIが呼応し、さらにMAGURAも乗っかり、置いてけぼりのRYOが「何を言ってるの…」と軌道修正しつつも、最後は一緒になって笑ってしまって…。
全3回分の完全収録映像がほしくなるほど、1度たりとも同じコントになっていないのは、笑いに貪欲でアドリブ好きなHi!Superbらしい。
本人たちも予測不可能な即興コント劇の締めくくりはゲーム「黒ひげ危機一髪」。1公演目は黒ひげが飛ばないというまさかの事態になってしまったことを受け、2公演目では1巡目でMAGURAが黒ひげを飛ばすと全員が大歓喜。3公演目では最終巡まで黒ひげが飛ばず、嫌な予感が会場を支配したが、RYOが見事に黒ひげを飛ばしたことで全員「よかった~!」と大はしゃぎ。
▲「黒ひげ危機一髪」の1コマ。コントも全力で挑むDance&Vocalグループ
Dance&Vocalグループの枠に収まらない“フードコートグループ”(前回のインタビュー参照)の真髄が垣間見える時間となった。
直前まで試行錯誤したというコント中に組み込まれた自己紹介ソング「Step into the Hi!Superb -2nd Remix」を挟んで、メンバーはお着替えタイムへ。お着替え中に流れたLEO制作の「シュパーブトーク」映像は3公演とも異なる内容となっていて、 “ファンを楽しませたい”という細部まで張り巡らされた思いを感じ取ることができた。
SWAT衣装で再登場したメンバーは、最新シングル「Bling Bling Party」から一気にラストへ向けて加速していく。M11の「Bad Boy」はバーをイメージしたテーブル&椅子を使っての特別ライブ仕様で披露。これまでこういったアレンジは「Good Bye Django」で披露されることが多かったが、今回で新たな可能性が示される形となった。
▲「Bad Boy」のライブ仕様演出
続くM12はデビュー曲「Turn Into Love」。イントロが流れた瞬間、客席から悲鳴があがり、目頭を押さえるファンもちらほら。懐かしい楽曲が5年分の成長とともに歌い上げられ、M13「Brand New Hi!」は会場一体となった「シャラララララ」のコールがホール全体に余韻となって響いた。
▲コントやソロ曲とはまた違った表情を見せるOMI
▲去年の想いも乗せたパフォーマンスで魅せたMAGURA
ラストとなるM14「Just believe in love」の曲紹介では、ともに荒波を乗り越えてきたメンバーへの想いを語りながらLEOが珍しく声をつまらせる場面も。いつもおおらかで笑顔を絶やさないリーダーの、ハイシュパやファンへの想いが感じられるなか、甘くもほろ苦い愛の歌がファンの心を包むように奏でられた。
▲MCではリーダーLEOの手腕が光る
回替わりのエンドロールを経てのアンコールタイムでは、1公演目「My Venus!!」、2公演目「Body language」、3公演目「Only One」と、選りすぐりのアガるナンバーを歌いながらライブTシャツに身を包んだメンバーが登場。
最後の挨拶では、MAGURAはライブの一体感に浸りながら満面の笑みで「ライブが大好きです」、OMIは「ライブでしか味わえない楽しさを共有できたことが幸せ」だと語り、RYOは「出会ってくれてありがとうございます!」とストレートにコメント。
最後を締めくくったLEOは、いくつも選択肢があるなかでメンバーやファンがこの瞬間にこの場所にいられる奇跡を運命と呼び、高らかに「これからもよろしくお願いします!」とこの先の航海へと想いを馳せた。
▲アンコールでの1コマ。カメラにもファンサを忘れないRYO
本当に本当のラスト楽曲は、デビューシングルのカップリング曲「MugaMuchu☆Life」。客降りをしながら会場を端から端まで楽しませ、自分たちも最高に楽しもうと全力の笑顔で駆け回っていく4人の姿は、多くのファンの胸を熱くしたに違いない。
フィナーレはハイシュパ恒例、メンバーが手をつなぎマイクをオフにしての「We are Hi!Superb」コール。OMIのコールだけそろわずワチャワチャしてしまうのもご愛嬌、こうしてあっという間に約2時間のライブが終幕した。4人とファンにとってこの2Daysが、この夏のどの瞬間よりも熱い時間になったことだろう。
まだ楽曲が多くなかった5年前のサマライ「VIVA! Hi!SupSUMMER! 」を振り返ると、この5年で彼らが積み上げてきたものの多さを実感できる。それは楽曲数の話だけではない。ふとした瞬間のアイコンタクトや阿吽の呼吸の掛け合いから生まれる、仲間より1歩家族に近い柔らかな空気感は、この時間がなければ生まれなかったはずだ。
5年とは短いようでいて長い。こうして彼らが5年間、1つのグループとして向き合い続けてきてくれたことに感謝せずにはいられない。
5周年のアニバーサリーイヤーを迎えたHi!Superbは、これからどんな楽曲とパフォーマンスを携えて、どんな航路を描いていくのだろうか。それがどんな旅路でもきっとファンを“無我夢中”にさせてくれるに違いない。「Hi!Superb 5th Anniversary Live -Hi!Voyage!!-」はそんな予感が確信に変わるライブとなった。
取材・文:双海しお/撮影:泉健也
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