Stray Cityシリーズ「Club キャッテリア」が5月12日（金）に東京・品川プリンスホテル ステラボールにて開幕。初日に先がけ、ゲネプロと囲み会見がおこなわれた。
本作は、日本テレビにて放送されたTV番組「ろくにんよれば町内会」（略称「ろくまち」）から生まれた、舞台Stray City シリーズ。企画・プロデュースは荒牧慶彦、今作の脚本はお笑い芸人のかが屋、演出は末原拓馬（おぼんろ）が務めている。
2.5ジゲン!!では、ゲネプロと囲み会見をレポート。記事には劇中写真を含み、一部演出内容にも触れているので、初見でこの世界を体感したいファンは観劇後に読むなどの注意をしてほしい。
物語の舞台は、夜の街“カブキマチ”。金と欲望が渦巻くここでは、白服をまとった一流ホストたちが毎晩、美しい嘘で塗り固めた夢を振りまいている。白服は一流ホストである証。そんなカブキマチでは毎年、白服ホストのNo.1を決める祭典『ホワイトナイト』が開催されていた。
路地裏で野良生活を送るクロ（演・石川凌雅）には、どうしても『ホワイトナイト』で優勝しなければならない理由があった。クロは幼なじみのミケ（演・泰江和明）とともに、ラグドール（演・荒牧慶彦）が支配人を務めるホストクラブ「キャッテリア」の扉を叩く。果たしてクロは白服となり、『ホワイトナイト』で優勝できるのだろうか…。
心にない“嘘”を口にすると具合が悪くなってしまう体質のクロは、優しい嘘で客に夢を見させるホストクラブで働くには圧倒的に不向き。本作では、そんなクロがNo.1を目指す理由のほか、ライバル関係にある店に所属するホストたちがしのぎを削って成長していく様子、それぞれが持つホストの仕事への矜持、この世界で生きていく意味などが描かれている。
ネオンがギラギラと輝く夜の街とホストクラブが舞台だけに、接客やパーティの様子なども華やかに表現。ホストそれぞれが自分の個性を生かした接客をするスタイルは見所の1つだ。
通路をふんだんに使い、会場のすみずみまで（2階席のすぐそばにまでも）圧倒的に顔のいいホストたちが顔見せのサービスに来てくれる。存在してくれているだけでファンサービスだ。グッズのシャンパングラスライトで、ともに乾杯しながらこの世界に酔いしれてほしい。
タイトルや登場人物の名前などから察せられるように、本作の大きな要素は「ねこ」。登場人物同士がねこのようにじゃれあったり、ねこポーズを取ったりもする。また、「ラグドール」「ラガマフィン」など、それぞれのねこの性格や血統などを少し調べてみると、おもしろいことに気づく。イメージどおりそのままの性格であるキャラクターもいれば、見た目や舞台上での態度とは裏腹に…？ というキャラクターも。
客降りとともに、声出しのコールも解禁になった。コールはホストクラブのイメージどおり、シャンパンコール形式でおこなわれる。予習ができるように公式Twitterでコール文が告知されているが、予習をしなくても、ホストたちの後に続いて声を出せば大丈夫だ。
コールのほか、ホストたちとともに手振りダンスで盛り上がれるライブパートもある。ダンスに関しては、できれば予習をしておいた方がいいだろう。一体感がより楽しめること間違いなしだ。
ゲネプロの後には、囲み会見がおこなわれた。登壇者は、石川凌雅、泰江和明、田中涼星、福澤侑、廣野凌大、持田悠生、笹森裕貴、立花裕大、荒牧慶彦、演出の末原拓馬。
ホストになりきって役の魅力の紹介を…と振られ、全員ざわざわとなりながらもまずは石川が「やぁ、姫君」と挨拶。続けて「僕の役は嘘がつけない役なので、僕がホストとして振るまっても嘘は絶対につきません。ばか正直で、まっすぐで純粋で素敵なキャラクターです。1度だけではなく、ぜひ2度、3度と楽しんでいただけると嬉しいです」とファンへ呼びかけた。
泰江は「ミケは、クロのことが本当に大好きです。クロと、皆さんと一緒に素敵な役にできたと思います。嘘で皆さんの心をわしづかみにしたいです」。
次に、なぜか司会から「田中さんは役になりきって」と念を押された田中は「こんばんはぁ…」と、気だるげな吐息混じりに挨拶。「僕のシャムという役は…変化を楽しんでいただきたいです。最初から最後までどう変わっていくのか…変化です（いい声で）。キーワードは変化です、ありがとうございます」と締めるとメンバーからは爆笑とともに「いいね」「素晴らしい」と掛け声が。田中はさらに「変化です」と追いコメント。
廣野は「どうもみなさん！ 俺さまだ」と張りのある声で挨拶。「俺さまという役は、俺さまか俺さま以外か、あとローランドか。それだけ。以上！」。福澤は「ベンガルはとにかく熱いので、ベンガルを見る時は火傷をしないように気を付けてください」。
持田は「僕のキャラは、簡単に言うと猫をかぶっています。“ねこ”だけに。裏の顔と表の顔をぜひお楽しみください！」とアピールした。笹森が「…知りたきゃ観に来い、以上」と言い放つとメンバーからは「言いそう！」と声が上がった。
立花は「レディース＆ジェントルマン！ 紳士、淑女の皆さまがた、そしてかわいい子猫ちゃんたち。Clubドーシャ支配人の、ラガ…マフィンです」と堂々と名乗る。立花は続けて「エクセレントなキャストたちをご用意しました、ぜひ！ ご堪能あれ！」と高らかに呼びかけた。
荒牧は微笑みながら「お帰りなさい、お姫さま。どうしてそんなに震えているんだい？ 寒いんだったら…僕があたためてあげるよ」とゲームのキャラクターボイスのような優しい声色で語りかけ「…というあたためるキャラクターです、よろしくお願いします！」。そこに廣野が「最近あったかいっすよね」と突っ込んだ。
最後に演出の末原も「僕が思うに、世界に足りないのは…愛の物語だと思うんだよね。たっぷり用意した。楽しんで」と、キャストたちに並び、ホストとしてコメントした。
次に、改めて本作への思いを聞かれた荒牧は「僕は、ミュージカル『テニスの王子様』でデビューして、舞台が大好きです。お客さまと一体になれる瞬間や、物語の1つひとつに一喜一憂できる感情を大事にしたいと思っています。僕が今まで培ってきた思いや感情を、演出の末原さん、脚本のかが屋さん、そして頼りになる大人たちとともに作り上げてきました。さらに、最高のキャストたちがそれぞれの持ち味を生かしてくれました。手ばなしで褒められる作品になればいいなと思っています。この作品がたくさんの人に愛される作品になれるように尽力して参りますので、最後までよろしくお願いします」と強い思いを語った。
末原は「全員がはじめましてだったので、ワークショップや、どういうことをやってきたのかというすり合わせから始めました。全員が力を合わせて1つのことを作り上げることに命をかけました。全員、年中いろいろな舞台に出ていて、これから先も（いろいろな舞台に）出る中で、『この1本が特別だ』と思えるものを作ろう、というのが走り出しでした。今日が楽しいのはもちろん、観てくださった方の宝物になるようにという、共通の目的で走って参りました。初日が楽しみです」と、これまでの思いを語った。
本作の公演は5月21日（日）まで。初日、千秋楽のライブ配信がHuluにておこなわれる。舞台のほか、劇場隣接の品川プリンスホテル Club eXでは、本作との限定コラボカフェ「Cafe キャッテリア」も展開されている。
取材・文・撮影：広瀬有希
（C）Stray Cityシリーズ「Clubキャッテリア」製作委員会
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