猫の日である2月22日(水)、東京・新宿FACEで舞台「なめ猫 on STAGE」が開幕した。
本作は、1980年代に「死ぬまで有効」「なめられたら無効」などの表記がされた免許証風ブロマイドで一大ブームを巻き起こした、なめ猫「なめんなよ」の舞台化作品。脚本を村上純(しずる)、演出を村井雄(KPR/開幕ペナントレース)、音楽は手島いさむが担当する。
2.5ジゲン!!では、初日に先立ちおこなわれたゲネプロの様子をレポートする。
転校生、野間克人(演・蔵田尚樹)は困っていた。なぜなら、転校初日から遅刻、なおかつ学校にたどり着けずに迷子になったからだ。そのとき、克人の前に2人のヤンキー風な高校生が現れる。偶然にも彼らは、野間が以前ライブで衝撃を受けたバンド『not men not 4』のメンバー・室川恭弥(演・中山優貴)と袋井美貴(演・鷲尾修斗)だった。
克人と同じ朋郷高校だと言う彼ら。学校に連れて行ってもらえると克人が安心したのもつかの間、連れてこられたのはなぜか喫茶店。ここは、彼らのたまり場になっているという。
そこへ、『not men not 4』のメンバーの松下常彦(演・横井翔二郎)と橋田真人(演・前田隆太朗)もやって来る。彼らによると、この数年は中止になっていた学園祭が今年は開催されるという。しかし、その舞台に立てるのは1チームだけ。
『not men not 4』と、文化祭のステージに立つ権利をかけて勝負するのは、錦城悠(演・結城伽寿也)、東尾一(演・大見拓土)、井草道也(演・杉山真宏)で編成されるヒップホップチームの『ゲルマウス』。
果たして、どちらのチームが勝利を勝ち取るのだろうか…?
原作の「なめ猫」が世に出たのは1980年代。登場するキャラクター、特に『not men not 4』を含む彼らの周りは、昭和のテイストでキメられている。この世代を過ごした経験のある観客にとっては、懐かしいセリフや小ネタが挟まれているが、すべてが昭和なわけではない。持ち物などは平成・令和を感じさせるものもあり、さまざまな世代が融合されている。
観客席は、プロレスリングのように中央に設置された高い舞台を左右(表記は「北」と「南」)に分かれて観るスタイルになっている。片側の席からだけでは見えない表情や動きなどは、反対側の席に座ってもう1度確認して楽しみたいところだ。
上演時間は、ライブパートも含めてぎゅっと凝縮された90分。2月26日(日)には配信もおこなわれる。「なめ猫」の世界をのぞいてみてはいかがだろうか。
開幕キャストコメント
中山優貴
いい仲間に巡り合えたと思っています。「懐かしいな」と思っていただけたり、どの世代にも刺さるような作品です。僕の親が「なめ猫」世代で、とても楽しみにしているようで、親孝行できたかな…と思っています。皆さんを全力で楽しませられるように頑張りますので、応援よろしくおねがいします!
鷲尾修斗
今作は、演出をKPR・開幕ペナントレースの村井さん、脚本をしずるの村上さん、音楽はUNICORNの手島さんという、それぞれに特化した方たちに作っていただいています。舞台上で僕たちが化学反応を見せられたらと思っています。
横井翔二郎
この日ほど、ロックンロールを聞いていてよかったと思った日はございません。僕の体に、亡きクリフ・バートン(ベーシスト)を降臨させたいと思います。「よく分からないけれど面白い」というのは、芸術で一番大事なんじゃないかと思っているので、それをお届けできたら。
前田隆太朗
(左右)双方にお客さまがいるちょっと特殊な劇場で、しかもすごく距離が近いです。ライブパートもあるので、ぜひその点も楽しんでいただけたらと思います。
結城伽寿也
劇中、昭和・平成・令和で使われている言葉が散乱していますので、いろいろな世代の方に楽しんでいただける舞台になっていると思います。全力で、皆さんにお届けします。
大見拓土
Yeah! (ラップで)俺らが作ったこのなめ猫 他の作品に絶対(ぜってぇ)負けねぇぞ よろしく!
杉山真宏
『ゲルマウス』、そしてカンパニー一同、千秋楽まで頑張りますので最後までよろしくお願いします。
蔵田尚樹
この令和に「なめ猫」の旋風を巻き起こしたいと思っています。よろしくお願いします!
林野健志
昨日武藤さん(プロレスラー・武藤敬司)が引退されて、昭和のいいものがどんどん世代交代していきます。そんな中、令和に昭和の「古き良き」を皆さんに提案できるなめ猫を見せられるのが、僕の中で楽しみになっています。皆さまのお力で盛り上げていただけたらと思っております。
小林けんいち
「なめ猫」という原作のないものを、スタッフとキャストが全員野球で組み立てました。ぜひ楽しみにしていてください。
取材・文・撮影:広瀬有希
(C)NAMENEKO・J (C)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
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