10月11日(火)、東京・東京体育館メインアリーナで『ACTORS☆LEAGUE in Basketball 2022』が開催された。
本イベントは「コロナ禍であってもライブエンターテインメントの楽しさと興奮を観客と分かち合いたい」という想いから発足したプロジェクトで、2021年7月に黒羽麻璃央プロデュースの野球×エンターテインメント『ACTORS☆LEAGUE 2021』を東京・東京ドームで開催。
同プロジェクトの“2022”は、5月2日に高野洸プロデュースの『ACTORS☆LEAGUE in Games』(千葉・幕張メッセ・イベントホール)、8月22日に黒羽麻璃央プロデュースの『ACTORS☆LEAGUE in Baseball』が東京・東京ドームで行われ、岡宮来夢プロデュースの本イベント『ACTORS☆LEAGUE in Basketball』で締めくくりとなる。
『ACTORS☆LEAGUE in Basketball』では、岡宮がキャプテンを務めるDREAM CATERPILLARSと牧島輝がキャプテンを務めるSPARK SEEDSの両チームがバスケットボールで真剣勝負。サプライズ演出も盛り込まれ、最後の瞬間まで勝負の行方が分からない緊張感と高揚感にあふれたイベントとなった。
この日、会場である東京体育館は、開場前から早くもお祭りムードで満ちあふれていた。応援するチームのグッズを手に、続々と会場周辺に集まるファンたち。高野が売り子隊長を務める公式飲料の「ビアボール」は早々に完売するなど大盛況。イベントの動員数は、実に8200人にのぼった。
徐々に客席が埋まりつつある中、会場を盛り上げるDJ・雷太がブースから「皆さん、盛り上がってますかー!?」と声をあげ、それぞれのチーム音楽に合わせた応援の手拍子を観客たちにレクチャー。
雷太のコールによるカウントダウンが始まり、ゼロの合図とともに場内に雷鳴が轟いた。コート中央に現れたのは、仮面とマントを身に着けた解説担当の藤田玲と両チームのキャプテン。岡宮が「本当のキャプテンてのは、チームを勝たせてこそ」と光るバスケットボールを高くかかげ、牧島が「己を駆り立てろ、ゲーム終了のブザーが鳴り響くまで!」と吠え、イベントが開幕した。
続く選手紹介では、1人ずつネームコールとともにコートに飛び出して思いを口に。まずはDREAM CATERPILLARS。岡宮は「今夜はDREAM CATERPILLARSが勝ちます!」と早くも勝利宣言。田村心は「毎日シュート練100本やってきました!」と努力を明かす。
山田ジェームス武は軽快にステップを踏みながら登場。右手でコートに挨拶をすると「DC(DREAM CATERPILLARS)が白いヤツらにバスケットを教えてやるよ!」とSPARK SEEDSを挑発する。ヘッドコーチの岸祐二は「わしが監督じゃ、DCの応援よろしく」と威厳を見せた。
SPARK SEEDSの選手紹介では、牧島が「今日は盛り上がっていくぞ! SPARK SEEDS絶対勝つぞ!!」とマイクが壊れるほどの絶叫で気合を入れる。石川凌雅も「SEEDSがSPARKするぜぇー!!」と早くもハイテンション。
髪を赤く染めた糸川耀士郎は「語ることはねぇ、プレイで語る」。白いジャージも相まって、出演していた舞台「黒子のバスケ」のキャラクター・赤司征十郎をほうふつとさせる風格を見せた。
高橋健介はカメラにアピールをしながら登場。『ACTORS☆LEAGUE in Baseball』でのビアボール売り子隊長らしく「ビアボール完売ありがとう!」と同イベント公式飲料完売のお礼を述べた。
SLAM DUNKの登場人物・桜木花道を思わせるリーゼントで現れたのは松島勇之介。「笑顔の絶えない幸せな日にしましょう」と睨みを利かせたパフォーマンス。ヘッドコーチの荒木健太朗が姿を見せると、チームメンバーは深々と礼をして出迎える。荒木の「俺たちはぁ…SPARK SEEDS!!」に合わせてチーム全員が声を上げ士気を高めた。
両チームのキャプテンによる選手宣誓では「我々選手一同はスポーツマンシップとアクターズシップにのっとり、日ごろ応援してくださるファンの皆さんへの感謝を込めて、持っている全ての力でぶつかり、ここにいる全ての皆さま、そして配信で応援してくれている皆さまに、明日からの希望と活力を与える試合ができるよう戦い抜くことを誓います!」と2人が堂々と宣言。
試合前セレモニーの締めくくりである国歌斉唱には、岡幸二郎がサプライズで登場。観客、選手一同、配信を観ているファンの心の底にまで染み渡る歌声を披露した。選手たちのレポーターは唐橋充。配信の副音声では、前半に安井謙太郎と福澤侑が、後半に荒牧慶彦と鈴木拡樹が解説を担当。実況は、バスケットボールやサッカーなどの実況経験が豊富な齋藤寿幸アナウンサーが務めた。
両チームのスターティングメンバーには、DREAM CATERPILLARSが岡宮来夢・田村心・長妻怜央・松田凌・山田ジェームス武、SPARK SEEDSが牧島輝・糸川耀士郎・川上将大・田淵累生・松島勇之介のそれぞれ5人がそろった。
ジャンプボールのジャンパーは長妻と川上が務め、いよいよ試合が開始。
まずは第1クォーター。相手チームの出方を見るように、攻守入れかわりながら両チームともボールを回していく。
大型の川上(SPARK SEEDS)を3人がかりで止めたDREAM CATERPILLARS、こぼれたボールを取った長妻から岡宮、再度長妻へ。スピンムーブ(スピンターン)で糸川と田淵をかわした長妻がそのままシュートを決め、先取点はDREAM CATERPILLARSに。しかしその直後、ゴール下で壁に取り囲まれながらも牧島がシュート。あっという間に同点となった。数秒後、今度は山田ジェームス武が3ポイントを華麗に決め、試合開始1分10秒にして、早くも目まぐるしい展開となっていく。
序盤の各チームの動き方について、SPARK SEEDSは糸川が指令を出し、川上やパワーのある牧島がシュートを決める“つなぎ”型。対するDREAM CATERPILLARSは山田、長妻がメインとなり速攻でボールを運び、そのままゴール下まで攻め込む超攻撃型。これに加え田村が堅実なプレイで着実に点を重ねて、SPARK SEEDSにリードを許さない。
寶珠山駿が入ると、DREAM CATERPILLARSの攻撃に変化が。外に中にとボールを回し、粘り強くゴールを狙っていく。結局、15対10とDREAM CATERPILLARSのリードで第1クォーターが終了した。
ここで、高橋健介からビアボール売り子隊長を引き継いだ高野洸が会場内に登場。「俺より盛り上げるのはやめろ!」などの高橋からの絡みを受け流し、会場内には思わず笑い声が上がる。
第2クォーターからは、DREAM CATERPILLARSの攻撃の変化に合わせてか、メンバーを大幅に変えたSPARK SEEDSのディフェンスが、マンツーマンではなくゾーン型に。ここで活躍を見せるのは、激しい体のぶつかり合いや、ゴール下に強い川上。ディフェンスリバウンドボールを取るとパスを回し、勢いよく相手をかき回す石川からボールをもらってシュートする。
20対14でDREAM CATERPILLARSリードのまま、しばらく試合はこう着状態に。フリーになった瞬間の糸川がロングシュートを綺麗に決め、勢いをSPARK SEEDSに引き寄せるものの、22対16、と8点差で前半終了となった。
ここでハーフタイムショー。DREAM CATERPILLARSを応援するのは、高野洸、皇希、笹原英作、澤邊寧央、滝澤諒、福島海太、ZiNEZ。ダンス巧者を集めてキレのあるダンスパフォーマンスを披露した。
対するSPARK SEEDSを応援するのは、WINWIN(丘山晴己・鳥越裕貴)と10名のパフォーマー。振りまかれるハッピービタミンに場内は大盛り上がり。笑顔あふれるハーフタイムショーとなった。
後半・第3クォーターに入り、SPARK SEEDSの攻撃は田淵にエンジンがかかっていく。糸川の連続ポイントと高橋のシュートでSPARK SEEDSが攻めるも、DREAM CATERPILLARSの守りも堅い。長妻が中心となり、じわじわと点差を広げていく。終了間際、山田のシュートで10点差となり勝負は最終クォーターへ続くことに。
第3クォーターで大活躍を見せた糸川は、レポーターの唐橋にマイクを向けられると「本当にガチになってます、山田ジェームス武には絶対に負けたくない」と闘志をあらわに。対する山田もそれにこたえて「仕事上、1日1回は(糸川に)転ばされていたので、その仕返しをここでしてやりたい。待っとけよ耀士郎!」と目を輝かせた。
堅実なプレイで活躍する田村は「凌雅と全然マッチアップできてないので、凌雅出てこいやぁ!」と石川をベンチから挑発。
ここでインタビューの最中に、両チームのヘッドコーチが点差をめぐってもみあいどつき合いの小芝居を始める。SPARK SEEDSの荒木が提案したのは、“コーチ同士の”フリースロー対決。ここでの点差をチームの得点に加えようということだ。「よけい不利になっちゃうんじゃないの?」と岸コーチが煽り、バチバチの対決が始まった。
上着を脱ぎ、気合を入れた両ヘッドコーチは、1本ずつ交互にチャレンジしていく。岸コーチは地道に3ポイントを狙い、荒木コーチは1発大量得点を狙って10点チャレンジで攻めていく。2本目、岸コーチの3ポイントが決まった後、乗せられるように荒木コーチも10点シュートを決め、この日1番の歓声が場内に上がった。
気合の入った荒木コーチがワイシャツを脱ぐと、下には何とSPARK SEEDSのユニフォームが。背番号1を背負い、なおも10点を狙う。残念ながら外れたものの、コーチの獲得点を合わせて39対36、3点差で最終クォーターに突入。
SPARK SEEDSの追い上げを止めるように早速田村がシュートを決め、「まさにヒーロー」と実況解説席から声が飛ぶ。さらに田村が点を入れて差を広げるも、オフェンスリバウンドを取った石川、川上、北村諒が点を入れてSPARK SEEDSが食い下がる。
しかし、取られれば取り返すのがDREAM CATERPILLARS。山田がシュートを入れ、簡単には追いつかせない。
残り6分、SPARK SEEDSは糸川と田淵を再度投入し勝負をかける。DREAM CATERPILLARSの守備の一瞬の乱れをついて高橋が点を入れ、3点差。残り時間が短くなり、力の入ったプレイにファウルとフリースローが続く。
山田のこぼれ球を糸川が拾い、高橋へ。ここでシュートが決まり、残り3分半でついに48対48の同点となった。
永田聖一朗から長妻へのパスを糸川がカット。拾った高橋がそのままボールを運び、自分でシュート、SPARK SEEDSが逆転した。このシュート時にファウルがあり、高橋にフリースロー1本が与えられる。“持ってる男”高橋はこのフリースローも見事に決め、3点プレイとなった。
さらに残り2分35秒、糸川が外から3ポイントを決める。
しかしまだ勝負は決まらない、長妻のフリースローでDREAM CATERPILLARSが追い上げたかと思えば、速攻で高橋が点を入れ突き放す。しかし次の瞬間には山田が3ポイントを決め、点差を開かせない。
残り30秒を切ったところで長妻が2得点。55(DREAM CATERPILLARS)対56(SPARK SEEDS)、勝負は最後の最後までもつれ込むも、試合終了のブザーが鳴り、わずか1点差でSPARK SEEDSが勝利した。
試合終了後には表彰式がおこなわれ、優勝チーム、各賞受賞者に賞品が贈られた。
優勝チームはSPARK SEEDS。トロフィーを受け取った荒木コーチは「皆さん俳優をやりながら、どちらのチームもタイトな時間でできるだけ集まってチーム練習をしてきました。それが今日のドラマにつながったと思います。決して僕の10点なんてどうでもよくて(笑)。皆さんで“すごいドラマが起きた!”ということをSNSで飛ばしてください」とファンへ呼びかけた。
キャプテン・牧島は「勝ったよー!」と拳を突き上げて喜びを爆発させた後「相手チームも本当に強かったし、全員本当にカッコよかったです。こんなに熱い気持ちにはなかなかなれないし、貴重な経験になったし、いつかまたリベンジしてほしい」と、SPARK SEEDSの健闘をたたえた。
イベント公式マスコット・バチュケから贈られる「バチュケ賞」には松島勇之介、ポスターのように華麗なプレイを見せた「ポスタライズ賞」には高橋健介、「ハッスル賞」には山田ジェームス武、「ビアボール賞」には糸川耀士郎が。そしてMVPには長妻怜央が選ばれた。
解説の藤田は「台本無いんですよ、皆さんに惚れ直しました」と選手たちの熱い戦いを称え、岡は「なんてみんな“持った男たち”なんだろうと思いました。バスケットって面白いね!」と終わってからも興奮が続いている様子。
最後に岡宮が「僕は、野球をしていた頃に帽子のつばの部分に“挑戦”と書いていたくらい、何かに挑戦することが好きです。今回プロデューサーに挑戦させていただきましたが、せっかく挑戦するならば、『挑戦しよう』と思っている人や夢を追いかけている人、苦しんでいる人、もがいている人の背中を押せるような1日になれたらいいなと思い、プロデュースさせていただきました。そんな1日になっていたら光栄です」と涙を浮かべて挨拶した。
最後に、岡宮が作詞をした本イベントテーマソング「夢の先へ」を自身が歌いながら選手たちが場内を回り、『ACTORS☆LEAGUE in Basketball 2022』は閉幕した。
しかし、暗転した場内スクリーンには2022年の『ACTORS☆LEAGUE』各イベントの振り返り映像が。ゲーム、野球、バスケットボールと、俳優たちが全力で楽しむ姿を見せてくれた思い出が場内を包む。
映像が終わると、コートには何と、『ACTORS☆LEAGUE』の発起人・黒羽麻璃央、スーツに着替えた高野洸、岡宮来夢の姿。神妙な空気の中、口を開くタイミングを逃し目を泳がせる高野に「洸くん(の話すタイミング)ですよ」と突っ込みが入ると場内のファンは思わず失笑。
改めて、高野が「『ACTORS☆LEAGUE 2022』にお越しいただいた皆さん、配信をご覧いただいた皆さん、本当にありがとうございました」。続けて黒羽が「コロナ禍の日本のエンターテインメントにエールを、をテーマに。そして皆さまと僕らにも元気を、と一生懸命やってきました」。岡宮は「僕たち俳優の思いが、1人でも多くの皆さんに届いて笑顔になっていることを心から願います」とコメント。
さらに黒羽が場内に、「これからもエンターテインメントを盛り上げるために一生懸命頑張ります。皆さん、終わってしまうのは寂しいですか?」と問いかけ、『ACTORS☆LEAGUE 2023』の開催決定を高らかに宣言し、場内を盛り上げ締めくくった。
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『ACTORS☆LEAGUE 2022』。まず in Gamesは、みんなでわいわいと盛り上がって楽しめるゲームを題材に開催され、最後の最後の瞬間まで固唾をのんで見守る緊迫した勝負が広げられた。 in Baseballは、2年目ならではの工夫が凝らされ、こちらも最後に一打同点あるいは逆転という緊迫した試合となった。最後の本イベント、 in Basketballも同じく手に汗握る接戦であった。
どのイベントも、好きなことに夢中になっている俳優たちのキラキラとした姿がまぶしく、それを見守るファンたちの心も明るくなったことだろう。『ACTORS☆LEAGUE』があるから、と5月、8月、10月を楽しみに日々を頑張れたファンも多かっただろうと筆者は想像する。
2023年の『ACTORS☆LEAGUE』は、どんな景色を見せてくれるのだろうか。開催の日を楽しみに待ちたい。
取材・文・撮影:広瀬有希
(C)ALBK2022
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