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加藤諒「お祭り感を一緒に楽しんで」 舞台「パタリロ!」最新作開幕【ゲネプロレポート】

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9月1日(木)、東京・天王洲 銀河劇場にて舞台「パタリロ!」~ファントム~が開幕した。本作は、1978年に『花とゆめ』(白泉社)にて連載を開始した人気作「パタリロ!」(魔夜峰央作)の舞台化作品。

マリネラ王国の国王・パタリロ(パタリロ/演・加藤 諒)を主人公に、MI6(イギリス情報局秘密情報部)のバンコラン(演・宇野結也)、マライヒ(演・後藤 大)を中心としたドタバタギャグで、2016年に初演、2018年に第2弾「スターダスト計画」、2021年には第3弾「霧のロンドンエアポート」が上演、2019年には劇場版も上映された。

最新作である今作では、原作でも人気のキャラクターが数多く登場するエピソード「ファントム」編をベースに物語が展開される。

2.5ジゲン!!では、初日に先立ちおこなわれたゲネプロと会見の様子を写真とともにレポートする。

ある日パタリロ(演・加藤 諒)は、不幸な事故で5000万ドルもの大金が入ったアタッシュケースを失ってしまう。しかしタダでは済まさないパタリロは、その運命を言い当てていた占い師・ザカーリ(演・佐藤永典)に言いがかりをつけ、ザカーリの占いを悪用してカジノや株で金儲けを始める。「占いは人を助けるためのものなのに…」と胸を痛めるザカーリは、パタリロの悪行に心が耐え切れず、ついに倒れてしまう。

そこにバンコラン(演・宇野結也)が現れた。とある事件のことでザカーリに聞きたいことがあるという。全身が超過敏なザカーリはバンコランの指技にすっかり参ってしまい、パタリロに荷物を持たせるとバンコランが住むロンドンに引っ越してくる。しかしバンコランのマンションには、バンコランの恋の相手・マライヒ(演・後藤 大)が一緒に住んでおり…。果たして、バンコランをめぐるザカーリとマライヒの争いはどうなるのか? そして、バンコランの追う新たな事件の行方は…。

原作の「パタリロ!」連載45周年記念と銘打たれている本作は、衣装も歌唱もセット全体もきらびやかで派手かつ豪勢で、思わず「おめでたい!」と拍手したくなる。何も考えずにゲラゲラ笑って元気を出すもよし、ほろ苦い恋のシーンにほろりとするもよし、さまざまな楽しみ方ができるが、観劇後は“とにかく楽しかった!”という気持ちになるだろう。

懐かしの昭和歌謡、レーザービーム、どこかで…と言うよりは絶対に聞いたことがある上に「これはさまざまな所から怒られないのだろうか」と心配しながらもクスクス笑ってしまうメロディーラインの歌たち、突然のダンシングナマハゲボーイ。息もつかせぬお楽しみが詰め込まれた展開で舞台を楽しんだあとは、ファンからの投票によりセットリストが決まったレビューの時間が待っている。

これでもか! と観客を楽しませるエンタメ性たっぷりの本作は、舞台のシリーズ4作目ではあるが今作から観てももちろん大丈夫だ。原作の世界観が分からずに本作に触れても、耽美感あふれる長髪の美形が舞台にわっと一斉に現れた瞬間に「何かすごい」と世界観に引き込まれてしまうに違いない。

パタリロを演じる加藤 諒は、彼以外にパタリロを演じられる人は他にいるだろうか? と言えるほどにハマり役であり、さすがの貫録を感じさせる。加藤の唯一無二のパタリロ殿下の濃さがあるからこそ、他の人物たちも何もかもを振り切って舞台上で生き生きと動き回れるのだろう。どんなに卑怯な手を使っても、タマネギたちにひどい命令をくだしても、不思議と憎めない。キレのある動き、豊かな表情、一生パタリロを演じてほしいと願ってしまう。

バンコランを演じる宇野結也は、前作では、自分の過去を作り上げた男・デミアン(演・川上将大)との話だったためか少年らしさと初々しさをほんの少し感じさせたが、今作では、まさにディスイズバンコラン。ゴリゴリの美少年キラーっぷりを見せてくれる。視線のレーザーに撃ち抜かれて堕ちる人が続出するに違いない。

後藤 大演じるマライヒは、今作ではかわいいキャットファイトと同時に、元暗殺者らしいしっかりとしたアクションシーンも見せてくれる。バンコランとの濃厚熱烈な長時間にわたるラブシーンもあり、見どころが盛りだくさんだ。

今作から登場するキャラクターのザカーリ、ミスターフー(演・井阪郁巳)、ヒューイット(演・丘山晴己)、いずれも濃い。1人1人、1作ずつにゲストとして出てきてもおかしくないほどキャラが立っている彼らが、1本の舞台に3人いっきに詰め込まれているのだ。楽しくならないはずがない。

ぽろっと演者の素が出ても、それが味となってさらに楽しめる。特にヒューイットを演じる丘山晴己は、今まで本作に出演していなかったのが不思議なくらいに世界観に馴染んでおり、もちろん歌やダンスの面でも実力を存分に発揮してくれている。

ザカーリを演じる佐藤永典は、ほぼ出ずっぱりだ。もともとの演技力が高い上に今作で新たな扉を開いたのではないだろうか。弱気とブチ切れ具合の振りきれが凄まじい。初日から千秋楽に向けて、さまざまな面でヒートアップしていきそうだ。細身の黒スーツに身を包んだ井阪郁巳は、いつも以上にスタイルの良さが際立って見える。唯一の切ないポジションなので、彼を中心にストーリーが回っていくと言っても過言ではないだろう。

もちろん今作も、タマネギ部隊(原嶋元久、佐川大樹、田村升吾、武本悠佑)と魔夜メンズ(小沢道成、愛太、笹尾ヒロト)は大活躍だ。今作のタマネギ部隊は4人だが、パタリロを助けたり裏切ったり見捨てたりしつつ、セクシーフェロモンをまき散らして舞台上を彩ってくれる。魔夜メンズの存在は、パタリロの耽美な世界を表現するのに欠かせない。

怒涛の舞台の後は、お楽しみのレビューの時間だ。前述のとおり、ファンからのアンケートにより選び出された人気曲ばかり。どの曲が歌われるのかはお楽しみに。ぜひペンライトやリング、うちわなどを持って思い切り盛り上がってほしい。持ち物についての諸注意は公式サイトを要確認。

昭和の良さと毒を令和に持ち込んだ、懐かしくもあり、コンプライアンスギリギリな部分さえもネタにする強い作品だ。何よりも、役者たちが皆楽しそうに演じている姿が強く印象に残る。パタリロを演じる加藤 諒の頼もしさ、長年連載を続けている原作の強み。いつもエンディングで歌われているように、原作コミックスは100巻を越え(2022年9月現在104巻)ているので、舞台化するのにネタはこと欠かない。これからもシリーズとして続けていってほしい作品だ。

ゲネプロ前には会見がおこなわれ、パタリロ役・加藤 諒、バンコラン役・宇野結也、マライヒ役・後藤 大、 演出・小林顕作・原作者・魔夜峰央が出席。開幕に向けてそれぞれコメントを寄せた。

加藤 諒(パタリロ役)
初日を迎えることができて本当に嬉しく思います。稽古でも色々なことに気を付けなければならない状況の中での初日ということで、今まで以上に嬉しさがあふれています。このまま千秋楽まで突っ走っていけたらいいなと思っております。

パタリロを演じるのって、めっちゃ大変なんです。(そのまんまじゃん!と周りから突っ込みが入る)何もしてないだろと思われるかもしれないんですけれど、ドタバタなので体力や声が消耗していくんです。(今作は)パタリロの舞台史上1番ハードです。そのくらい盛りだくさんです。パタリロとともに自分も壊れていこうという決心ができました(笑)。

連載45周年を記念したレビューショーのお祭り感を一緒に楽しんでほしいです。隅々まで見て楽しんでいただきたいですし、45周年の重みを皆で感じたいと思っております。

宇野結也(バンコラン役)
前回と同じ、この天王洲 銀河劇場に立たせていただいて、カンパニーの結束がさらに強まったのを感じています。結束が強まったことによって、作品のクオリティや、目指すべきところが1段も2段も上がっていった稽古でした。確実に前回よりも素敵で、耽美で楽しいわちゃわちゃとした世界がこの先に待っていると思います。ぜひお楽しみください。

後藤 大(マライヒ役)
今回で2回目のマライヒになります。前回よりも打ちとけて、みんなで相談したりディスカッションする部分がとても増えました。今回も、舞台「パタリロ!」でしか出せない素敵な部分や面白おかしい部分をたくさん皆さんにお届けできたらと思います。

小林顕作(演出)
原作が来年45周年ということで、その記念も兼ねています。いつもとは趣向を変えまして、後半に“お歌の時間”を設けましたので、ものすごく盛り上げていきたいと思います。声を発する応援はできない状況なので、拍手をしたりして盛り上がれるような盛りだくさんの内容になったと思います。楽しみにしていてください。

新しい3人のキャラクターが、ど級に“ど”やばいなと…。どやばいのが来たな、と思いました(笑)。

魔夜峰央(原作者)
単純に1人の観客として楽しませてもらいたいなと思っています。4回目になりますが、毎回びっくりさせられています。面白いなぁ、と。役者さんの力が、それぞれの役に合っているんだろうな、と感じます。マライヒはマライヒに、バンコランはバンコランに。パタリロは、もうこれ以外にはないというパタリロです。本当に楽しみにしています。

取材・文・撮影:広瀬有希
(C)魔夜峰央/白泉社 (C)舞台「パタリロ!」製作委員会

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公演情報

タイトル

舞台「パタリロ!」~ファントム~

公演期間・劇場

2022年9月1日(木)~9月11日(日)
東京・天王洲 銀河劇場

2022年9月17日(土)~9月19日(月・祝)
大阪・サンケイホールブリーゼ

原作

魔夜峰央「パタリロ!」(白泉社刊)

脚本

池田テツヒロ

演出

小林顕作

出演

パタリロ:加藤諒
バンコラン:宇野結也
マライヒ:後藤大
ザカーリ:佐藤永典
ミスターフー:井阪郁巳
タマネギ部隊:原嶋元久、佐川大樹、田村升吾、武本悠佑
魔夜メンズ:小沢道成、愛太、笹尾ヒロト
歌姫:中村中
ヒューイット:丘山晴己

企画・制作

ネルケプランニング

主催

舞台「パタリロ! 」製作委員会

公式HP

https://www.nelke.co.jp/stage/patalliro2022/

公式Twitter

@patalliro_stage

(C)魔夜峰央/白泉社 (C)舞台「パタリロ!」製作委員会

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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