レポート

高橋洋、横井翔二郎の出世を確信 映画『ザ・ミソジニー』ワールドプレミア上映会レポート

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映画『リング』(1998年)の脚本を手掛けJホラーブームを巻き起こし、その後『ソドムの市』(2004年)、『霊的ボリシェヴィキ』(2017年)など、ホラー映画を中心に活動する映画監督・高橋洋の最新作『ザ・ミソジニー』が、9月9日(金)に公開される。

本作では、中原翔子と河野知美がW主演を務め、高橋作品に初出演する横井翔二郎が立場の違う3つの役を演じることで注目されている。

2.5ジゲン!!では、7月24日(日)に「カリコレ®2022」にて実施されたワールドプレミア上映会の舞台挨拶を取材。中原翔子、河野知美、横井翔二郎、高橋洋監督が登壇し、撮影秘話や作品の見どころなど、和気あいあいと語ったクロストークの模様をお伝えする。

鮮やかなドレス姿の中原、河野とともに登場した横井は、少し緊張気味の様子。舞台挨拶の進行を担当した河野から改めて劇場で作品を観た感想を問われると、「面白かったです。自分が出演している映像作品はそもそも少ないのですが、こうやって舞台挨拶をさせていただくのも初めてですし、改めてスクリーンで観ると感動しましたね」と答えた。

河野が「上映会が終わってロビーに出てきた横井さんの顔がとてもご満悦だったんですよ(笑)。でも私も最後の横井さんのシーン、改めて映画館で観たら、すごく良かったので感動しました」と返すと、横井は「僕も自分の芝居に感動しました!」と応じ、会場を沸かせた。

本作品で横井を抜擢した理由について高橋は、2021年に上演された舞台『12人の怒れる男』で、横井が演じた一番冷静で理性的に振る舞う男・陪審員4号の役を見て「これは!」とインスピレーションを感じたという。

今回横井が演じる役は、ごく普通の青年から癖のある役までバラエティーに富んでいる。見事に演じ分けている横井の芝居は、かなり見応えがあるといっていいだろう。

河野が「一緒に芝居をしていると、横井さんの美しい整った顔の奥に闇が感じられた」と言えば、中原も「そうそう! ダークな感じがとてもセクシーでしたね」と共感。

高橋が「最後のほうで横井さんが嫌なことをいうシーンがあるのですが、その芝居を見て横井さんが出世するのを確信したんですよ。その時に思い出した俳優さんは田宮二郎さん。似ているということではなく、芝居の感じが重なり合ったという感じですね」と語ると、会場から大きな拍手が起こり、横井が「出世しまーす!」と宣言する一幕もあった。

共演の中原の印象について質問された横井は、「現場でも言ったと思うのですが、中原さんは僕の母にとても似ているんですよ」と一言。

それを受けて中原は「目元がお母さまに似ていると言われて、今回私たちがそれぞれ演じる役の設定という意味において、呼ばれているのかな…と感じましたね」と感慨深い表情で答えた。

また撮影現場で中原が、しばしば行動する前に「よっこいしょ!」と掛け声をかけることに河野が突っ込みを入れると、「キャストの中で最年長なので、よっこいしょ! って言わないと動けないんですよ。でもそのたびに横井さんが反応をしてくださって…」と笑った。

毎日自身のTwitterで、レコードジャケットの写真とともに「おはよっこい!」とコメントをしている横井は「そうなんですよ~。毎日自分の趣味をSNSで皆さんに押し付けているんで…」と笑い、続けて河野が「横井さんのTwitterを探してみてくださいね」と応じた。

高橋は、本作で衣装にも注目してほしいと言及。スタイリングディレクターの藤崎コウイチが、300年前にある宗教で実際に使われた紋章が入ったマントを用意。それを着用した中原は、年代物のマントなので厚みがあって美しく翻ると絶賛した。

同じシーンに登場していた横井も同様に、特徴的なワンピースのような年代物の衣装をまとっていたが、「胸元がちょっと開いているのが恥ずかしかったです」とお茶目な一面を見せた。

その他にもホラー映画の撮影現場らしく、撮影中に霊的な現象が見られることもしばしばあったというエピソードが披露。本作にかけるスタッフやキャストの意気込みが感じられる舞台挨拶となった。

最後に、登壇者4人がそれぞれコメントした。

横井:本日は猛暑の中お集まりいただき、本当にありがとうございます。スクリーンで自分の作品を観るのは初めてで、僕は非常に衝撃を受けてシンプルに面白いと思えました。作品というのは、面白いか、かっこいいかが重要なのかなって僕は思っています。1回観て分からなくても、それが面白いと思える作品なのだと感じています。9月から公開されるので、何回も観に行って、皆さんが「映画館、最高!」となってくれたらうれしいなと思います。

中原:今日はワールドプレミアということで、皆さんと一緒に拝見できてとてもうれしかったです。この作品には、受け止めきれない部分もあるかと思いますが、9月9日の本公開から何度か繰り返してごらんになると「あ、こういうことだったんだ」と分かると思います。シスターフッド映画でもありますので、女性同士が共闘していくところを何度も楽しんでいただけたらうれしいです。

高橋:最近は台湾ホラーがすごい勢いがあり、なぜ日本のホラーが停滞しているのかと考えると、僕は悔しくて。昨今、お金をかけたホラー映画が作りづらいのですが、低予算なりの戦い方で、日本でしか発信できないものをやってみようと、このような作品を作ってみました。これはこれで、この先新しいエンターテインメントの考え方につながっていくのではないかと思っています。ぜひSNS等で話題にしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

河野:監督にこの企画を一緒にやりましょうと言ったのが、2年ぐらい前です。こうやって劇場で監督、翔子さん、横井さんと立てる日がやっと来たと感慨深いものを感じます。本公開は9月9日なので、皆さんが感じたもの、心の中にあるものをSNS等で発信していただきたいです。何回観ても理解が追いつかないところが、この作品の面白さだと思っています。そしてパンフレットが非常によくできていて、私は感動したんですよ。ぜひパンフレットを読んでまた劇場にお越しください。

映画『ザ・ミソジニー』は、9月9日(金)から、東京・新宿シネマカリテ他で公開。

取材・文・撮影 咲田真菜

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公演情報

タイトル

『ザ・ミソジニー』

上映日

2022年7月24日(日)カリコレ2022にて先行上映

2022年9月9日(金)よりシネマカリテほか全国順次ロードショー

監督・脚本

高橋洋

出演

中原翔子、河野知美、横井翔二郎

配給会社

『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ

公式HP

https://misogyny-movie.com/

公式Twitter

@TakahashiHorror

(C)2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ

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