生歌と演技、熱い想いがぶつかり合う――。舞台「DYNAMIC CHORD the STAGE」の公開稽古と囲み取材が、都内の稽古場でおこなわれた。
ライブ会場さながらの熱気に満ちた稽古と、和気あいあいとした質疑応答の様子をお届けする。
あらすじ
音楽事務所「DYNAMIC CHORD」。そこに所属している4つの人気バンドがある。
【KYOHSO】【Liar-S】【[rêve parfait]】【apple-polisher】。ある日、社長の伊澄久臣は彼らを集め、驚きの企画を発表する。
それは、4つのバンドで2日間の野外フェスを開催する、ということだった。フェスを成功させるために、彼らはさまざまな問題を乗り越えていくことになる。
ここはライブ会場?生歌に圧倒された公開稽古
同舞台は、2種類の物語が見られるようになっている。
【KYOHSO】【Liar-S】をメインにしたパターンと【[rêve parfait]】【apple-polisher】をメインとしたパターンだ。
しかしこれらは、まったく違うストーリー構成となっているのではない。
ひとつのメインストーリーがあり、【KYOHSO】と【Liar-S】がこうしていた、一方その頃【[rêve parfait]】【apple-polisher】は――?というイメージだと考えていただければ分かりやすいだろう。
推しバンドがメインとなる回を狙っても良いが、できれば両方見ることをおすすめする。
公開稽古では、2パターンに共通するシーンと、【KYOHSO】のライブシーンが公開された。
稽古が始まって一週間。まだ期間は短いものの、4人並んで座ったり、まとまっていたりするだけでそのグループの個性である「色」が空気となって出ている。
▲ベテランの風格とカリスマ性を漂わせる【KYOHSO】のメンバー
社長である伊澄久臣役の塩川渉が現れると、場がピリリと引き締まった。視線が集まり、伊澄の口から今回の計画が発表される。
▲ダイナミックコード株式会社社長。クールな伊澄久臣役・塩川渉
▲「ストーリーテラーとしての役割?マネージャー加賀真実役・松村泰一郎
緊張感のあるシーンが続く。とある2人が思いを通わせるシーンでは、それを見守るメンバーも背景とはなっていない。その人物となり、2人のやりとりをじっと見守っている。
どのシーンでも、センターの人物だけではなく周りにも注目したい。目が足りなくなること間違いなしだ。
▲「ふだんからもうこのポーズになってます」榛名宗太郎役・正木郁
▲マネージャーと榛名、2人の絡みにも期待だ
▲生き生きとした明るさで場を盛り上げる華やかさを持つKing役・松岡卓弥
続いてドラムのセットが組まれ、【KYOHSO】によるライブシーン稽古に入る。
「あくまでも舞台の稽古」。その考えは、演奏が始まった途端に覆された。
ズンと腹に響くベースとエレキギターの音色、SHINOMUNE役・KEN’ICHIのスティックさばき。そしてYORITO役・新里宏太の激しくセクシーな歌声。
▲稽古場がライブ会場に!【KYOHSO】ボーカルYORITO役・新里宏太
▲カリスマボーカル、YORITOの歌声をぜひ劇場で聞いていただきたい
▲さすがのスティックさばきを見せるSHINOMUNE役・KEN’ICHI
▲「ギターを楽しんでいる空気が伝わるように」TOKIHARU役・杉江優篤
▲結成10年以上の安定感を出すYUU役・山口大地
稽古場取材であることを忘れ、すっかり観客の一人となってしまった。
演奏が終わると、スタッフや取材陣からわっと稽古場内に拍手がわきおこった。
見ていた役者たちも一人のファンとなり、【KYOHSO】へ握手を求めに行く姿に、見ていて思わず笑顔がこぼれる。
▲「すごかったです!握手お願いします!」
▲ボーカルとしての打ち合わせ…?新里宏太と松岡卓弥
舞台のライブシーンはスタンディングが可能だ。アーティストたちにあおられるままに、座席から立って一緒になって歌い、声援を送りたい。
▲休憩中も和気あいあいと仲良しのキャストたち
俺たちのグループが最高!和やかで笑顔あふれる囲み取材
囲み取材にはキャスト陣のほか、演出家の石岡貢二郎氏が登壇。
質疑応答のほか、各バンドによるアピールポイントのプレゼンがおこなわれた。司会進行は、加賀真実役の松村泰一郎が務めた。
▲囲み取材も笑顔で和やかに
※【[rêve parfait]】Rook 役 石賀和輝、舞台オリジナルキャスト聖矢役・笹翼の2名は当日欠席
――まず演出家の石岡さんにお伺いします。今回の舞台は、どのようなものにしたいですか?
石岡貢二郎:一番の売りは、先ほどご覧いただいたように、4つのバンドによる生演奏のダイナミックなライブです。
また、アーティスト同士の絡み、葛藤、絆をお見せできればと思っています。笑いあり、涙あり、演奏ありです!
――出演オファーがあった時の感想を聞かせてください。
三山凌輝(檜山朔良 役):まさかこんなにも早く、舞台で、しかも生演奏で歌を歌わせていただくことになるとは、と驚きました。
自分自身、歌がとても好きだったので、素直に嬉しく思っていますし、今からみんなで一つの作品を作っていくのが楽しみです。
僕は唯一のギターボーカルなので、ちょっと震えています(笑)
――今回の役柄で気を付けている点は何ですか?
松岡卓弥(King役):僕はボーカル役なのですが、歌うときの独特のクセや歌いまわしに特に気を付けています。
普段歌っているときとはまったく違うので、クセや声質をキャラに寄せていきながら、ブラッシュアップして、いい歌をお届けできたらと思っています。
歌はもちろん、身振り手振りも含めて、Kingとしてしっかり演じていきたいです。
新里宏太(YORITO役):僕たち3人(新里・松岡・藤家)は、もともと歌活動をしていたので、自分の歌い方というものが体に染みついてしまっているため、いったんそれを取り除き、真っ白にして、そこに役を乗せていく役作りをしています。
――稽古場でのエピソード・苦労している点などを教えてください。
藤家和依(NaL役):楽器を初めて触ったメンバーには、僕が少し指導させてもらっています。
アーティストには、通常、数年かけてやっと見えてくる景色というものがあるのですが、稽古を初めてたった一週間でそれなりに見えてきているのを感じ「俳優の本気」を見せられています。
稽古が終わってからも、それぞれに時間が許す限り残って練習していて…青春してる!って感じです(笑)
――ずばり、今回の舞台の見どころをお願いします!
杉江優篤(TOKIHARU役):まず……俺のギター。
(一同爆笑)
まぁ、それは置いておいて(笑)。バンドって、熱い人たちが夢を持って活動しているイメージがありますよね。
僕はもともと芝居をやっている身なので、その熱さのかたまりをパワーとして、芝居で皆さんにお届けできたらと思っています。
――最近起こった、稽古場での面白いエピソードはありますか?
松井勇歩(UK役):とある人物に指名されて行う日替わりシーンがあるのですが、普段はカッコよくキメている人物でも、そのシーンになると指名されないように全員がスッと下を向くという(笑)。
本番で、どこまで個性をちゃんと保ちつつ、そのシーンをクリアできるのかが楽しみです!
――正木さんにお聞きします、榛名宗太郎はどんな人ですか?
正木郁(榛名宗太郎役):ハルちゃんは、性格的にはしっかりした男の子であり、女の子の心も持っています(笑)。
クールなメンバーの中で唯一はっちゃけられる、舞台をかき回す役柄なので、ハルちゃんらしく、音楽の素晴らしさを伝えながら、みんなの絆を深めていけたらと思っています。とても楽しみです。
――新里さんにお聞きします。KYOHSOのボーカル役としての意気込みを!
新里宏太(YORITO役):今後稽古が進んでいく上で、KYOHSOが演奏をしているのを他のキャストさんが見て、刺激になるような空気作りをしていきたいです。
4つのバンドではあるのですが、稽古場ではひとつのバンドのような空気なので、当日は皆さまにいい熱量をお届けできるのではと思っています。
――楽器が初めての方、実際に楽器を触ってみてどうでしたか?
とまん(Bishop役):僕はベースなんですが、ベースは、ドラムとギターが合わさったような、大黒柱というかすごく男らしくてかっこいい楽器です。
メンバーを支えて引っ張っていけるように、たくさん頑張ります!
杉江優篤(TOKIHARU役):何かの漫画で「ボールは友達」と言っていたのを思い出して(笑)、僕はギターと友達になって、ギターを楽しめたら、お客様に伝わるんじゃないかなと思っています。
三山凌輝(檜山朔良役):僕は今回、ギターボーカルです。今までギターを弾く経験があまり無かったので、歌いながらギターを弾くのがとても難しいです。
でも、先生も優しいですし(笑)、自分でも少しずつ成長しているな、というのが分かって、楽しみながら練習しています。本番まで、全力で頑張ります!
――各グループのアピールポイントを教えてください。
杉江優篤(TOKIHARU役):【KYOHSO】は、結成して10年以上になる、事務所でも一番ベテランのバンドです。
後輩たちに慕われないといけない、と肝に銘じ、一生懸命頑張っていますので【KYOHSO】の応援をよろしくお願いします。
▲【KYOHSO】の応援、よろしくお願いします!
吉澤翼(結崎芹役):【Liar-S】はとても仲のいいグループです。
でも、もっともっと仲良くなれると思うので、親交を深めて本番までさらに絆を見せていかれたらと思っています。
▲【Liar-S】、もっと親交を深めます!
松岡卓弥(King役):今日はリーダーが不在なので僕が。【[rêve parfait]】は、4つのバンドの中で一番ポップで明るい曲調で、衣装も可愛く作っていただいています。
18歳の竹内と、こんなに可愛いとまんを引き連れていますので(笑)、皆さんに元気を与えます!
▲ポップで明るく!【[rêve parfait]】を応援してください!
稲垣成弥(Kuro役):【apple-polisher】は、毎日楽器を合わせて練習しているので、どこのグループよりも完成度が高いんじゃないかなと思っています。
台本の読み合わせも毎日して、仲の良さも一番です。仲の良さを出していかれたらと思っています。
▲仲の良さ、絆の深さに自信あり!【apple-polisher】をよろしくお願いします!
個別キャストコメント
【KYOHSO】
新里宏太(YORITO役):今回の舞台にきてくださるお客さんの中には、本当のライブに行ったことがない、という方もいらっしゃると思います。
そこで「ライブってすごい」「舞台からライブハウスになったな」と感じていただけるような空気や熱量をお届けできたらと思っています。楽しみにしていてください。
杉江優篤(TOKIHARU役):舞台でしかできない「DYNAMIC CHORD」を届けたいと思っています、よろしくお願いします!
山口大地(YUU役):ライブの熱気はもちろん、芝居の熱気も楽しみにしていてください!
KEN’ICHI(SHINOMUNE役):僕は普段、音楽の仕事をしています。「DYNAMIC CHORD」の音楽をもっとカッコよくしますので、楽しみにしていてください。
【Liar-S】
三山凌輝(檜山朔良役):芝居パートも演奏パートも、熱い作品にしたいです。音楽ってすごい、ということを伝えられたらと思っています。
服部武雄(珠洲乃千哉役):キャスト一同でこの作品にたくさん愛を注いで、お客様に楽しんでいただける作品にしたいです。
正木郁(榛名宗太郎役):舞台を観てくださった方が、音楽の素晴らしさ、お芝居の素晴らしさを感じてくださるように。
そして、役の彼ら16人と僕たち16人、それからマネージャーや社長たち、みんなを好きになってもらえれば嬉しいです。
吉澤翼(結崎芹役):その名のとおり、ダイナミックな舞台になると思うので、期待していてください!
【apple-polisher】
藤家和依(NaL役):なかなかない、演劇と音楽のコラボレーションの舞台です。
ダイナミックな演奏を楽しみにしていてください。2パターンの演出があるので、両方遊びにきてくれたら嬉しいです。
松井勇歩(UK役):見ても聞いても楽しめる、演劇でありライブでもある、新しいエンターテインメントをお届けします!
稲垣成弥(Kuro役):言いたいことはみんなに言ってもらったので(笑)ぜひみんな、見に来てください!
松村優(Toi役):一緒に楽しんで、一緒に盛り上がって、皆さんの心の中に熱いものが残っていればと思います。
【[rêve parfait]】
松岡卓弥(King役):音楽や演劇で、誰かの背中を押せるような舞台にしていかれたらなと思っています!
とまん(Bishop役):公演は2パターンあるんですが、メインではない回でももちろん同じくらい出てきますし、ライブも、同じ曲でも公演ごとに違うパフォーマンスをお届けします。
みなさんぜひ、1公演だけではなく、何度でも見に来てくださいね。
竹内唯人(Knight役):演技、演奏、どちらも本気で、ただただ頑張ります!
松村泰一郎(加賀真実役):僕はマネージャーなのでライブのシーンは無いのですが、その分お芝居でしっかりとみんなと関わって、この舞台が回っていくように尽力します。
塩川渉(伊澄久臣役):僕たちにとって、令和元年初めての舞台です。ライブもお芝居も、お客様あってのものですので、多くのお客様に見に来ていただけたらと思います。
石岡貢二郎(演出家):見に来ていただいて、絶対に損はさせません。多くの方に見ていただきたい舞台となっています。ぜひ皆さん、足を運んでください。
▲劇場で待ってます!ベストショットの2人
ライブシーンではスタンディングOK!声を出してノリにのって、音楽と一体になれる新しい舞台「DYNAMIC CHORD the STAGE」は、2019年5月11日(土)から、東京有楽町・ヒューリックホールで上演される。
ぜひ、彼らの熱い思いを、肌で直接感じていただきたい。
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