卯木千景が登場！「エーステ」ACT2! 〜SPRING 2022〜レポート　家族とは…絆とは…

MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜SPRING 2022〜が本日4月22日（金）に開幕。2.5ジゲン!!では、初日に先立ち行われたゲネプロ公演の様子をお届けする。

イケメン役者育成ゲーム『A3!』を原作に、2018年にスタートしたMANKAI STAGE『A3!』シリーズ。メインストーリーの第二部となる「ACT2!」に進む今作では、新団員の卯木千景（演：染谷俊之）を迎え、新生春組第四回公演『エメラルドのペテン師』を上演するまでのストーリーが展開される。

DMMでライブ配信！予約受付中

■対象公演・チケットリンク
▶4月27日（水）18:00東京公演千秋楽
▶5月30日（月）14:00東京凱旋公演千秋楽
※購入ページにアクセスします。

舞台は、春組の地方公演から幕を開ける。公演は大盛況に終わり、今後は各組に新たに劇団員を一人迎えて更なるレベルアップを目指すことに。

新たに春組に加わったのは、卯木千影。茅ヶ崎至（演：立石俊樹）の先輩であり同僚でもある千影が、劇団員募集のブログを見て自ら入団を希望したのだという。晴れてMANKAIカンパニーの仲間に加わった千影は明るく社交的な性格で、団員たちともすぐに打ち解けていく。芝居もそつなくこなし、稽古を見た鹿島雄三（演：鯨井康介）が「次回作は千影を主演にしたらどうだ」と提案するほど。

全員が賛成し、春組の第四回公演は千景を主演にすることが決まる。千景は演技未経験にもかかわらず、そつなく何でもこなしていく。しかし、その笑顔の裏には何かが隠されていると、劇団員たちが壁を感じ始めるのにそう時間はかからなかった。千景の言葉はどこか薄っぺらく、決して人と深く関わろうとはしないのだ。

ひょうひょうとしており捉えどころがない千景だが、冬組の劇団員である御影密（演：植田圭輔）と対峙する際にその態度は一変する。記憶喪失の密に対し、千景は「お前はオーガストと一緒に死んだものだとばかり思っていた」「絶対に許さない」と告げる。二人の過去は何かと訳アリのようだが、記憶喪失の密はそれが一体何なのか、思い出すことができない。千景の明るく人当りのいい笑顔から、見ていてぞっとするような冷たい表情に切り替わる際の表情、まとう空気の変化に注目してほしい。

千景と密の過去に関する謎が深まっていく中、春組に新たな問題が勃発する。碓氷真澄（演：高橋怜也）の両親が離婚し、父親の碓氷岬（演：寿里）が真澄をアメリカに連れて行くと劇団に乗り込んでくるのだ。

勝手に転校の手続きを進められ退団まで求められてしまう理不尽さを前にしながら、真澄は何も言い返すことができずに岬の言葉に従うばかり。普段は小生意気な態度が目立つ真澄だからこそ、岬に逆らうことのできない無力な少年の一面が際立つ。その姿は見ていて胸が苦しくなってしまう。

諦めて渡米しようとする真澄を引き留めたのは、春組の団員と監督だった。真澄を引き留めるために奔走する劇団員たちの姿からは、真澄を本当に大切に思っているのだという気持ちが痛いほどに伝わってくる。

真澄のためを思って動く劇団員たちの姿を見ていると、「家族とは、一体何なのだろう」という疑問が自然と浮かんでくる。真澄たち春組が出した答えは、「家族とは、血のつながりだけではない」というものだった。自分に居場所をくれた人たち…決して手放したくないと思える絆…それこそが“家族”なのだと気が付いた真澄は、小学生以来初めて岬に真正面から自分の気持ちを伝える。

必死な劇団員たちの姿、そして実の母からの手紙に心を動かされた岬は、真澄がMANKAIカンパニーに残ることを許可してアメリカへと旅立って行った。自分たちは家族なのだと、改めて絆を確認した春組のメンバー。また一つの困難を乗り越えMANKAIカンパニーへと戻って来た彼らが口にする「おかえり」の言葉は、今までよりも一層、愛おしく聞こえるだろう。

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だが、穏やかな空気は長くは続かない。二幕は、千景と密の過去にフォーカスを当てて話が進む。

千景による監督の誘拐事件を皮切りに明かされていく、二人の過去。物語は春組の団員、そして冬組の雪白東（演：上田堪大）と有栖川誉（演：田中涼星）を巻き込み加速していく。

“オーガスト”とは一体何者なのか？千景が密を恨むようになった理由とは？一つ一つ明かされていく真実、そして新生春組が導き出した答えは、どうかその目で見届けてほしい。

本作では、劇団員たちの成長と共に、彼らの間に芽生えた絆を見ることができる。真澄も千景も、きっと一人では過去と向き合うことはできなかっただろう。しかし今まで多くの困難を乗り越えてきた彼らは、仲間と共に戦う強さを知っている。

話の中心となるのは春組だが、もちろん他の組の絆も垣間見ることができる。東と誉の寄り添う姿からは、彼らの間にも存在する特別な関係を感じ取ることができた。知れば危険が及ぶかもしれない、自身の過去を聞いてほしいと打ち明ける密。そして、それを受け止める東と誉。優しく強い決意を秘めた彼らの関係は、やはり運命共同体と呼ぶのがふさわしい。

劇団員たちの心の成長を見ることができる今作は、今まで彼らを見守ってきた監督たちにとっても特別なものになるに違いない。

本編は休憩を挟んで3時間10分となっているが、シリアスな展開でも息苦しくなり過ぎず、歌やダンスといったパフォーマンスもふんだんに楽しむことができる。シトロン（演：古谷大和）や皆木綴（演：前川優希）による日替わりパートも健在。テンポがよく勢いのあるネタで観客席を笑わせていた。

そしてもちろん、エーステの魅力である劇中劇も、期待以上のクオリティで監督たちを楽しませてくれるだろう。今回の劇中劇は『エメラルドのペテン師』。児童文学『オズの魔法使い』をモチーフにした演目だ。オズの国に迷い込むのは少女ではなく、連続詐欺事件の指名手配犯。捉えどころのない千景にぴったりの配役だ。そんなオズに騙される純粋無垢な少年を、春組のリーダー・佐久間咲也（演：横田龍儀）が務める。風を感じられるような映像や臨場感の増す大道具など、演出も観ていて楽しいものばかり。東西南北の魔法使いを演じる春組の衣装も細部まで美しい仕上がりになっており、目がいくつあっても足りないと思えてしまう。

本編の幕が下りれば、エーステおなじみの客席を利用した演出も待っている。劇団員たちが華やかなスーツに身を包んで登場してくれるパフォーマンスには、ソーシャルディスタンスを保ちながらも監督たちを心から楽しませてくれる仕掛けがたくさん詰め込まれている。最後の最後まで楽しむことのできる演出も、エーステが多くの監督たちに愛される理由だろう。

MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜SPRING 2022〜は東京公演後、兵庫、香川、東京凱旋公演に加え、「Streaming+」と「DMM.com」で配信も予定されている。彼らが描く四季折々の物語が、一人でも多くの監督の元に届くことを願っている。

取材・文：水川ひかる／撮影：ケイヒカル

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▶5月30日（月）14:00東京凱旋公演千秋楽
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佐久間咲也役:横田龍儀コメント

春組佐久間咲也役の横田龍儀です！いよいよ、ACT2!が始まります。新メンバーも増え、どんな公演になっていくのか、どんなふうに観てもらえるのか、とてもワクワクしてます。今回の公演では、『家族』がテーマなので、今までのMANKAI STAGE『A3!』を観て来てくれた方も、今回から観てくれる方にも、心が温まってもらえたらとても嬉しいです。いろんなことが起こっている世の中ですが、オレたちの公演を観ていただき、少しでも元気になってもらえるように、オレたちMANKAI カンパニーのメンバーで全力で頑張りますので、よろしくお願いします!!

碓氷真澄役：高橋怜也コメント

碓氷真澄役の高橋怜也です。あっという間にこの時が来ました。僕は（牧島）輝くんからのバトンを引き継ぎエームビからの参加だったので、エーステで舞台に、そして監督の前に立つのは初めてですごくドキドキしています。でもとっても楽しみです。『A3!』を、エーステを、真澄を愛し、監督に幸せを届けられるように精一杯頑張りたいです！

皆木綴役：前川優希コメント

あらためまして、皆木綴役、前川優希です。「SPRING ＆ SUMMER 2018」から、エーステに携わらせていただいて、早4年近くが経とうとしています。初めて『ロミオとジュリアス』を演じた初日を今でも思い出します。あれからいろいろな物語とともに季節を感じてきました。この春はまた一層新しく、暖かく、心震わせる物語になると思います。楽しみにしていてください、監督！

茅ヶ崎至役：立石俊樹コメント

春組の単独本公演は3年ぶりになります。「SPRING 2019」から今日まで2つの大きなライブや映画化といったエーステを、様々な形でお届けしてきましたが、こうしてあらためて本公演に臨めることにワクワクしています。茅ヶ崎至や新たに加わる千景さん含めた春組が、さらに MANKAI カンパニーへの理解をもとにお芝居を再構築して稽古してきました。春組・MANKAIカンパニーをもっと大好きになってもらえるように、それぞれのキャラクターのらしさを存分に感じてもらえたらと思います。何より少しでもこの空間を共にした監督さんには心から温かくなってもらえたらと思います。楽しみにしていてください!

シトロン役：古谷大和コメント

本番を迎えることが当たり前ではなくなった世の中で、つらく厳しい環境を目の前に、以前よりも演劇の必要性について考えることも多くなりました。でも『A3!』の世界を心待ちにしているカントクの存在と、どこまでも前を向いて進んでいくキャラクターたちに背中を押されて稽古期間を乗り越えました。演劇とは。家族とは。正解がないような物事に真っ直ぐ向き合う彼らと、新しいページをめくる。それはきっと僕らにとっても、ここにしかない大切な居場所です。たくさん楽しんでね。カントク。よろしくダヨ。

卯木千景役：染谷俊之コメント

卯木千景役の染谷俊之です。お話をいただいた時は、まだまだ先だなぁと思っていたのですが、あっという間に春になって、稽古が始まり、カンパニーの絆も深まって、いよいよ初日を迎えます！僕はエーステとしては今回が初めてのステージなので、みんなの足を引っ張らないよう精一杯演じさせていただきます。無事に千秋楽まで走り抜けられるよう、応援よろしくお願いいたします。全てが終わった時には、皆さんと家族になれていますように☆