4月5日(金)より、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝東京の陣〞が開幕した。開幕に先駆けて行われた、囲み取材とゲネプロの様子をお届けする。
※4月12日に写真を追加しました。トップ画像下の「画像一覧」よりご覧ください。
囲み会見には、孤爪研磨役の永田崇人、黒尾鉄朗役の近藤頌利、木兎光太郎役の桜庭大翔、赤葦京治役の髙﨑俊吾、大将 優役の福澤 侑、演出家のウォーリー木下の6名が登壇。
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」は、「週刊少年ジャンプ」にて絶賛連載中の古館春一による大人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」の舞台化作品。
これまで2015年11月に行われた初演から、2018年10月に行われた〝最強の場所(チーム)〞までシリーズ6作品を上演してきた。キャスト陣が熱い熱量を込めて繰り広げる熾烈なバレーボールの試合と、最新技術を駆使した演出の融合が観客を熱狂に駆り立てている。
春高バレー宮城代表決定戦が描かれていた前作の〝最強の場所(チーム)〞では、それまで主役校を飾ってきた烏野高校のキャスト陣が卒業。
今作では、タイトルの〝東京の陣〞という言葉通り春の高校バレー東京都代表決定戦が描かれる。
7作目にして主役校となる音駒高校にスポットを当て、本シリーズ5回目の出演となる孤爪研磨役の永田崇人と、彼の幼馴染であり主将の黒尾鉄朗役・近藤頌利の2人がチームを引っ張っていく。
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
「約束」というひとつのテーマが全編を通して描かれる本作。
とくに孤爪研磨と黒尾鉄朗の2人の絆にまつわるストーリーは「エモい」の一言で、なんども目頭が熱くなる瞬間があった。
鋭い観察眼を持ちながら、面倒臭がりでゲームの勝敗に興味がない孤爪。彼がそれでもバレーボールを続けるのは、黒尾鉄朗との「ある約束」があってこそだったのだ。
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
主役校の音駒高校以外だけでなく、前半の相手校である梟谷(ふくろうだに)学園高校や、後半の相手校である戸美(のへび)学園高校の見どころも多い。
「見ていて、とにかく楽しい高校」と会見で木兎光太郎役の桜庭大翔が話していた通り、梟谷学園高校は一見派手でかなりテンションの高さが目立つ高校だが、彼らの実力は全国でも有名な強豪校。
全国有数のスパイカーとして名を知らしめる木兎光太郎(桜庭大翔)をはじめ、彼のテンションコントロールに長けている赤葦京治(髙﨑俊吾)などの実力派メンバーが「守りの音駒」に対して積極的な攻撃を展開していく。
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
対して「守りの音駒」と同様に緻密な戦略と守備で、相手のミスを誘う作戦を企てる「粘りの戸美」。
その戦術は、相手を煽ったり審判の印象を味方につけたりと、ある意味“いやらしい”とも捉えられるものではあるが、表向きだけの戦術をみてはいけない。それは強豪校が集う東京で身につけた、彼らなりの生存戦略なのだ。
主将の大将 優役を務めた福澤 侑が「メンバーの表情に注目して欲しい」と話していた通り、鋭い目をする瞬間以外にも人間らしい表情を見せる場面があるので、戸美学園高校のメンバーたちの絡みもしっかりと目を凝らして見て欲しい。
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
最先端の音楽、映像などを駆使した演出は本シリーズならではの見どころのひとつではあるが、本作では「東京」というキーワードに基づいてさらにパワーアップした世界観が舞台上に存分に表現されていた。
それでいて胸がいっぱいになるようなストーリーも丁寧に描かれるので、目が足りない、ティッシュが足りない……と視界も感情も忙しい2時間20分になること間違いないだろう。観劇後には「誰かにこの興奮を伝えたい!」という感情に駆られるはずだ。
過去シリーズとは一味違う演出、そしてメンバーで新たに生まれ変わったハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝東京の陣〞は、大阪・宮城・東京の3都市で上演される。
千秋楽の5月6日には全国の映画館でもライブビューイングが開催されるとのこと。
熱狂と感動に包まれた春の高校バレー東京都代表決定戦の行方を、ぜひ劇場で見届けて欲しい。
囲み会見コメント
――まずは意気込みをお願いします。
永田崇人(孤爪研磨役):今回は烏野がいなくなって音駒メインの物語になりますが、新しいことや違うことをやりたいと思っています。
今まで演劇ハイキューを見ていた人も裏切りたいですし、見たことない人にこんな新しいエンターテイメントがあるんだなって感じていただきたいなと思っていますので、ぜひ劇場に足を運んでください。
近藤頌利(黒尾鉄朗役):この髪型、ユニフォームを着て、もう5回目になります。年月でいうと3年目ですね。
ようやく僕ら音駒高校が主役になることができて、“烏野復活”で「ここの話がしたい」とずっと言っていたことがようやく実現できたんですよね。
夢・目標を表現したステージになっていて、その夢を皆さんと共有できればと思っているので、ぜひ劇場にお越しください。
桜庭大翔(木兎光太郎役):ぼくは今回初めての舞台です。演劇ハイキューはものすごく好きでして、今回参加できたことがすごく光栄です。
最初なので、わからないことだらけでいっぱいミスもしてきたのですが、なんとか1ヶ月間でなんとか見せれるレベルになったんじゃないかなと思いますね。まあ、あの……
永田:強気でいこうぜ!(笑)大丈夫だよ、大丈夫!
桜庭:緊張しないように見えて緊張するんですよ、ぼくは(笑)。
原作のシーンでは烏野がいないシーンなので、舞台で出来るのかなって思っていたんですが、大好きな木兎として出ることができて本当に幸せです。
なので……劇場まで足を……運んでください!!!!!
ヘイ、ヘイ、ヘ〜〜イ!!!!!!!
……ありがとうございます。
髙﨑俊吾(赤葦京治役):ぼく自身は、演劇ハイキューに携わらせていただくのは2作目になります。
チームとしても2回目ということですが、チームのメンバーもかなり新しくなって新生梟谷としても新しい風を吹かせたいなと思って稽古に励んできました。
真ん中にいる永田座長を中心として、今回は烏野がいないということで新しい色が盛り沢山なので僕たちもかなり四苦八苦しながら試行錯誤しながらやってきましたが、自信を持って現場にいま立っています。
とても楽しい作品になっていると思いますので、たくさんの方に劇場まで足を運んでいただけると嬉しいです。
福澤 侑(大将 優役):今回は戸美高校が演劇ハイキューに初参加ということで、新しい風や色を見せられたらいいなと思います。
3チームともここまで動くのかってくらい、自分もやっていてすごく面白いですし、ぜひ会場に足を運んでいただいて生で観て欲しいです。絶対に損はさせないと思います。ぜひ会場で待ってるんで……来てください!!!
――本作の見どころについて、演出家のウォーリー木下さんお願いします。
ウォーリー木下:ハイキューという原作が青春軍曹劇というか、部活をやったこともやってない人もあの頃こういうことあったよな、と思えるようなたくさんの思い出が詰まっている作品です。
今回は主役の2人が幼馴染なので、小さい頃から一緒に過ごしてきた2人の話だったり、その中で起こる「約束」がひとつのテーマとしてにあるんですけど、それが全編を通して描かれています。
今までのハイステにはなかった新しい切り口を楽しめるんじゃないかなっていうのと、映像・照明・音楽・振付も刷新しました。
なので、新しい演劇ハイキューになっているので「まだまだ演劇ハイキューは進化できるんだな」ってことを、観ている人に楽しんでもらえるはずです。
今までは宮城が舞台だったんですけど、今回は東京が舞台なので、全体的にどちらかというとハイスペックというか。
予選とはいえ競合だらけでレベルの高い戦いが繰り広げられるので、それを演出するために今までの音楽とは全然違う感じです。
ヒップホップをベースにしたりとか、映像もLEDのパネルが動いているとか。東京らしい新しさというか、今までよりもかっこいいものを目指しました。ライブ感も今まで以上にあるんじゃないかな、と思います。
――それぞれの学園の見せどころを教えてください。
桜庭:梟谷学園高校といえば、元気の良さ、テンションの高さですね。
ぼくが演じる木兎はとにかく元気で強くて楽しい人なんですよ。なので、そんな彼のストッパーじゃないけど、冷静に対応しながらも盛り上げてくれる赤橋とか仲間たちがいます。
見ていて、とにかく楽しい高校なんですよ。あれ、ぼく楽しいって何回言った?(笑)
音駒のかっこいいところ、戸美の賢いところとは一味違って、なんというか、他の高校と比べて悩みなく見れるというか「見ていて安心するな〜」っていうところがあると思いますね。
髙﨑:ちょっと補足させてください。梟谷学園は本当にテンションが高いので耳で聞いてもうるさいんですけど、目で見てもうるさいチームです。
そして今回出ている3チームの中で一番強いのが梟谷なので、その強さがどこにあるのか。テンションの高さ。何よりも一番バレーを楽しんでいる姿を舞台上で表現したいな、と思っています。楽しんでいるチームです。
桜庭:……へい、へい、へ〜〜〜い!!!!
永田:今までは烏野との対比があったので、シンクロ率とか、アンニュイなチームの印象があったと思うんですけど、今回はメインチームなので見え方とはいつもの音駒とは違うのかなと思います。
出ているキャラクターそれぞれにいろんな物語が見えます。もともと仲良いチームですが、これまでよりも増していいチームになっていると思います。
近藤:今回音駒は出る時間が多いので、それぞれのキャラクターとか対人関係がよく見えるなと思っています。そこもかなりこだわって作ったところが今回の音駒の見どころだと思います。
福澤:戸美は表情をみて欲しいですね。7人が舞台上でどんな表情を見せるのか、注目して欲しいです。
戸美の印象といえばやらしいというか、いい意味で頭がいいというイメージだと思うんですけれども、でもそれだけじゃ強豪の音駒とは戦えないので、だからどんな熱い思いを持っているメンバーが集まっているのか注目してもらいたいですね。
――今回の座長、永田さんの印象はいかがでしたか?
ウォーリー木下:あんまり自分から大きい声を出すわけじゃないんですが、常に真ん中にいてみんなを見守っているタイプでしたね。
ハイキューの座組みでは珍しいとは思いますが、日本人にはあっているんじゃないでしょうかね。何か言うわけじゃないけどお父さんのような安心感というか(笑)。
永田:ぼく、お父さんなんですか?(笑)
ウォーリー木下:そんな存在がいて安心感を作っている一方で、彼(近藤しょうり)が一生懸命声を出してみんなを引っ張っていく存在もいて。この2人のコンビが今回の作品の色を作ったんじゃないかな、と思います。
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