2.5次元ダンスライブ「S.Q.S」Episode6 キソセカイステージ:zwei「アカイホノオ」が3月25日に初日を迎えた。中止及び延期を経て、ついに上演が叶った本作。キャストにとってもファンにとっても感慨深い瞬間だ。
2.5ジゲン!!ではVer.BLUEのゲネプロレポートをお届けする。ストーリーのネタバレは含まないが、劇中ショットを多数掲載しているので、新鮮な気持ちで楽しみたいファンは観劇後に読んでほしい。
後半にはキソセカイやCARDS衣装のソロショットを多数掲載しているのでお楽しみに。
「お帰りなさい」 再び歯車が回り始める
約1年ぶりの「スケステ」、前作では“失踪”していた篁志季(演:日向野祥)に至っては1年半ぶりのステージ。まずは「お帰りなさい」だろうか。
ステージに揃う8人の姿に、ようやく「スケステ」の時間が再始動したのだと実感が沸いてきた。
物語の舞台はキソセカイ――ツキノ帝国が滅びた先に存在したかもしれないifの世界だ。かつて栄えた文明は崩壊し、ノスタルジックかつスチームパンクな景色が広がっている。
今作のゲストである師走駆(演:澤邊寧央)、水無月涙(演:佐藤友咲)、大原空(演:堀田竜成)、神楽坂宗司(演:吉田知央)、八重樫剣介(演:石川翔)の5人が遺跡に眠る朱雀を目覚めさせるところから物語は始まる。
▲Six Gravityの師走駆(演:澤邊寧央)
▲リアル天使の羽に負けないとびきりの笑顔を見せるSOARAの大原空(演:堀田竜成)
▲スチームパンク×シンプルな剣の組み合わせがそそる八重樫剣介(演:石川翔)
メインストーリーがシリアス寄りということもあり、この5人はコミックリリーフ的な役割も担うことに。中盤で登場する涙による無茶振りパートが、回を追うごとにどう進化していくのかにも注目したい。
▲一番左:極上の笑顔で無茶振りをする水無月涙(演:佐藤友咲)
▲ゲネプロで無茶ぶりの生贄となったのは神楽坂宗司(演:吉田知央)
機械都市「朱雀」では、SolidSとQUELLがそれぞれギルドを構えている。両ギルドのギルドマスター志季と和泉柊羽(演:田中稔彦)は、難関試験を突破した職人の中から特別優秀な者に贈られるマイスターの称号を持つ、ちょっとした有名人だ。
▲史上最年少でマイスターを得た篁志季(演:日向野祥)
▲志季の弟弟子でマイスターの和泉柊羽(演:田中稔彦)
ちょうど朱雀では、年に2回開催される職人になるための一斉試験の真っ最中。Ver.BLUEではQUELLのお当番キャラクター・久我壱星(演:山中健太)にスポットが当たり、職人を目指す彼の心の成長が描かれていく。
誰しもが変化を両手を広げて歓迎できるわけではない。変わるということは、未知なるものと出会う可能性を孕むものである。
それでも一歩踏み出して、何かを変えてみよう、掴んでみようと心が動く瞬間が訪れる。その瞬間を、堀宮英知(演:中尾拳也)と柊羽のギルド結成の裏側、性格の異なる双子・久我壱流(演:山中翔太)との違いを通じて、丁寧にメッセージとして浮かび上がらせていたのが印象的だ。
▲職人に憧れる久我壱星(演:山中健太)
▲やり手の商人で面倒見のいい堀宮英知(演:中尾拳也)
▲思考に瞬発力のある久我壱流(演:山中翔太)
▲今作のお当番キャストの2人
スチームパンクなパンチのある世界観に決して負けない物語の説得力は、6作目ならではの両ユニットの安定感、キャスト間の信頼関係も少なからず影響しているのだろう。
これまで彼らが紡いできたものを知っているからこそ、観客はさりげないワンシーンからいくつもの情報を受け取ることができる。奥行きを感じることができるのだ。
キソセカイでSolidSとQUELLを待ち受ける出会いと別れが、どんな形で遺跡に眠る朱雀と繋がっていくのか。ビジネスライクに見えながらも根底で繋がっているSolidSとアットホームな家族感が漂うQUELL。彼らの持つ絆を感じながら、壮大なファンタジーの世界に浸ってみてはどうだろうか。
▲お当番キャストの奥井翼(演:瀬戸啓太)
▲もう一人のお当番キャスト・村瀬大(演:小林涼)
▲志季の幼馴染みである世良里津花(演:阿部快征)
オリジナルキャラクターの熱演も
壮大な世界観を支えているオリジナルキャラクターの存在も本作の見どころだ。試験を受けに来ているヤクモ(演:佐織迅)と、その父親・タツミ(演:吉田晃太郎)。
▲今作の鍵を握る親子
▲ヤクモを演じる佐織迅の怪演にもぜひ注目を
2人を通じて、本当の強さとは何なのかという問いを突きつけられることになる。自分が強さだと信じて疑わないものは本当の“強さ”なのか。自分にとって本当の意味での武器は何なのか。
本作が千秋楽を迎えると、すぐに新年度がやってくる。新生活が始まる人もいるかもしれない。そんな人にこそ、本作を観てほしいと思う。改めて自分の持っている武器や想いの強さと向き合ってみることで、壱星と同じように一歩を踏み出す勇気を持てることだろう。
ダンスライブ&衣装フォトレポート
ここからはファンお待ちかねのダンスライブについて紹介する。Ver.BLUEということでお芝居パートの写真はややQUELLが多かったため、こちらではSolidSのショットを多めに掲載する。
ダンスライブではQUELLが「ありがとう」と「Club the Cage」を披露。SolidSは「運命を越える“Venga”」と「Timeless」のパフォーマンスで観客を魅了した。
▲「ありがとう」を披露するQUELL。心を乗せた表情が堪らない
▲「運命を越える“Venga”」を披露するSolidS。彫像のようなスタイルも彼らの魅力だ
中でも注目は「Club the Cage」と「Timeless」で初披露となるCARDS衣装だろう。ようやくあの姿で踊る姿を観ることができるのだ。布をたっぷりと使った衣装は目にも楽しく、手足が動く度に目が奪われる。
水色を基調とした衣装が多いQUELLにとっては、トランプをモチーフとした赤と黒のコントラストがはっきりとした衣装がなんとも新鮮だ。
一方のSolidSは、露出高めの衣装からの衣装チェンジとあって、CARDS衣装のガードの固さが逆に彼らの妖艶さを引き立てていた。
なお、CARDS衣装の全身ショットはページ下部にまとめて掲載している。衣装全体をじっくり観察したいという人はチェックしてほしい。
もちろんセットリストはこの4曲だけでは終わらない。どんな楽曲やデュエット曲が登場するのか、ぜひ劇場で楽しんでもらいたい。
衣装という意味では、お芝居パートのキソセカイ衣装も魅力的だ。2018年のエア舞台発表時から、実物の衣装を楽しみにしていたファンも多いだろう。原作の細かなパーツや布の形まで再現した衣装は必見、ということで全員の全身ショットを掲載。衣装・小道具好きのファンはぜひじっくりと堪能してほしい。
まずはSolidSから。
火の機素を主に扱うSolidSに対し、医療分野を扱うことも多いQUELLは全体的に柔らかなイメージ。それぞれの職業のカラーも反映されている。
太ももや腕、翼などゲストキャラクターのキソセカイ衣装も見どころが多い。
約1年ぶりに幕を開けた「スケステ」。キソセカイの重厚な世界観は、3部作2ndシーズンのラストを飾るにふさわしいテーマではないだろうか。
この記事ではVer.BLUEについて紹介したが、SolidSメインのVer.REDは3月26日(金)に初日を迎える。どちらも観劇して「スケステ」の世界を満喫してほしい。
取材・文:双海しお
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