今回は、2月21日に初日を迎える戦ステこと舞台「イケメン戦国 THE STAGE ~上杉謙信編~」の稽古場の様子をご紹介する。
取材をしたこの日はちょうど情熱ルートの初通し稽古の日。多忙なキャスト陣が揃い、いよいよ通し稽古が始まるということで、稽古場はほどよい緊張感に包まれていた。
通し稽古前の休憩時間には、台詞や殺陣を確認する人、入念にストレッチをする人、リラックスして過ごす人……とさまざま。真剣な会話の合間に時折笑い声が響き、座組に流れるいい雰囲気を感じた。
「通し稽古始めます」の声で、円陣を組むキャスト陣。上杉謙信役の橘龍丸が座長としてみんなに声をかけ、稽古場はみるみるうちに空気が変わっていった。
「いつものアレ、なんだっけ?」と同じく戦ステシリーズに出演してきた織田信長役の小笠原健に確認をしてから、「いざ、出陣!」と気合のひと声を合図に通し稽古がスタートした。
▲「いつものアレ」を小笠原健に確認するキャスト一同
▲橘龍丸の掛け声で稽古場に緊張感が走る
冒頭は本能寺の変まっただなかの戦国の世に、ヒロイン・水崎舞(早乃香織)がタイムスリップしてくるシーン。
▲本能寺の変から物語が始まる
▲貫禄バッチリの織田信長役・小笠原健
▲華奢な手足で豪快に刀を振り回す姿に魅了される森蘭丸役・星元裕月
前作の「織田信長編」でも描かれた内容だが、今作はなんといっても上杉謙信ルート。舞と織田信長が出会っていた一方で、謙信が暗躍する姿が上質な殺陣とともにたっぷり描かれている。
謙信の舞うような美しい殺陣は今作でももちろん健在! 彼の殺陣のファンは、作品の冒頭から一気にテンションがあがること間違いなしだろう。
謙信の殺陣に見惚れているうちに、シーンはオープニングへ突入。イケメンシリーズの舞台はこのオープニング・エンディングにも定評がある。
今回のオープニングも期待して観ていたが、やはり「エモい」のひと言に尽きる内容だった。ストーリーやキャラクター紹介、各キャラクターの関係性を巧みに織り交ぜた内容となっている。
戦ステ初心者でもこのオープニングでおおまかな基礎知識をつかめるはずなので、シリーズものだし……と躊躇しているファンがいるならぜひ安心して劇場に足を運んでみてほしい。
▲衣装・セット・照明つきで観るのが楽しみなオープニングシーン
原作通り、織田軍に身を寄せることになる舞。舞は彼らのお世話係を任命されるものの、城は居心地が悪く城下町に繰り出していた。
そこで、浪人に絡まれていたところを偶然上杉謙信に助けられる。舞が出会った謙信はとても素っ気なく、あっさりと立ち去ってしまった。
▲舞と謙信の出会いのシーン。謙信の一連の所作の美しさに目を奪われる
クールで、軍神として戦いに身を投じることを生きがいとしている謙信。女性に対しなにやらトラウマを抱えている様子で、堂々としているのにどこか危なっかしい雰囲気をまとっている。
戦いに喜びを見出す姿には強さと脆さが同居しており、舞が彼を放っておけないのも思わず頷いてしまう。
▲ヒロインにも容赦なく刃を向ける軍神
▲舞の笑顔に心奪われ……
舞がゆっくりと謙信と打ち解けていく過程は、“謙信の女”なら必見。内心、舞に惹かれているのにあえて突き放そうと冷酷に振る舞ったり、そうかと思ったら今度は不意に弱さを見せて甘えてきたり。
信長に戦場に連れられてきた舞を謙信がさらって以降は特にトキメキ度が一気に上がっていくので、ファンは心して挑んで欲しい。
恋愛要素が楽しめるのはもちろんだが、甘さだけではないのが戦ステの醍醐味。武将たちの人間ドラマ、陰謀、殺陣……と熱さも存分につまっている。
カリスマ性を見事に表現した橘龍丸の謙信は、初演から話題となっていた。シリーズ4作目にして、満を持してやってきた「上杉謙信編」。その結末をぜひ劇場で見届けて欲しい。
ちなみに今回は情熱ルートを取材したが、幸福ルートはまた違った魅力がつまっているだろう。同じキャスト陣が織りなす、もうひとつの物語。こちらもぜひ観劇して、2つのルートでこの作品を存分に味わってみてはいかがだろうか。
▲コミカルな演技にも注目したい真田幸村役・荒一陽、猿飛佐助役・早乙女じょうじ、今川義元役・竹石悟朗
▲鉄砲をかつぐ姿がかっこいい明智光秀役・瑛
▲大人の余裕と色気が漂う武田信玄役・横山真史
▲不穏な空気が漂う高橋駿一演じる顕如と森蘭丸
▲織田軍推しにも見逃せないシーンが多い
※全写真は記事下の「画像一覧」から
「舞台ならではの人間らしさに注目して欲しい」橘龍丸インタビュー
今回、2.5ジゲン!!では通し稽古終了後の橘龍丸さんに、開幕を直前に控えての意気込みや見どころについて話を伺うことができた。
ーー3名のキャストが追加となった今回の座組みですが、座長として稽古場の雰囲気はいかがでしょうか?
橘龍丸(上杉謙信役):前作から出演している先輩キャストや後輩キャストそれぞれが「イケメン戦国を盛り上げよう」という強い想いを持っているので、新しいメンバーたちもその想いに対して食らいついていこうという熱意を感じます。
それこそ(新キャストのうち1名の)顕如役の高橋駿一さんは、アクロバティックな動きがとても得意な方なので、戦ステの殺陣もより一層派手に魅力的になったのではないかと思います。
ヨネさん(伊達政宗役の米原幸佑)は昨日(12日)稽古に合流したばかりなのに、たった1日でセリフも殺陣も全部自分のものにしていました。
それくらい強い意気込みを持っていて、かつ明るい人たちがとても多いです。とてもアットホームなカンパニーだと思います。
ーー橘さんは今作で3回目の出演となる舞台「イケメン戦国」ですが、今回は満を持しての「上杉謙信編」となります。前作との違いや、見どころなどについて教えてください。
橘:これまで謙信は、戦闘要員としての側面が強かったのですが、今作でようやくどんな人物なのかという点が深掘りされていると思います。
舞台ならではの、ゲームでは見られないリアルな部分や複雑な感情の動きなども表現できるよう、脚本・演出の宮城さんとディスカッションしながら進めてきたので、ぜひその点にも注目してほしいですね。
前回は織田信長編で織田軍の主体の話でしたが、今回は逆の上杉側が主体の話となります。
なので、武田信玄や今川義元、真田幸村、猿飛佐助など、今までフィーチャーされなかったキャラクターたちの出番が増えたことによって、また新しい戦ステの魅力をお見せできるんじゃないかなと思っています。
ーーいよいよ来週21日から開幕を迎えます。本番を目前に控えた現在のお気持ちを教えてください。
橘:スケジュールの兼ね合いもあり、ようやく今日初めてみんなで全部通せたのですが、目立った事故や危なげな所もなく、無事に終えられたのでよかったです。
1回目の通し稽古でこれだけ出来たらあとはもう改善していくことだけ。
僕の中では少しだけ安心出来たので、「お客さんにちゃんと面白いものを見せよう」という自信を持ってお届けできると思います。期待して楽しみにしていただければ幸いです。
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