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ヒロイン役を通して味わう彼との恋… 「イケシリ」舞台化シリーズの魅力と楽しむコツをご紹介します

乙女ゲーム原作の2.5次元作品が発表されると、ヒロイン役がいるかいないか気になってしまう人も多いだろう。その作品に推しが出演するなら、なおさら気になる部分だ。

ヒロイン役とお気に入りの役者が演技とはいえ恋仲になって仲睦まじくするのはちょっと……という気持ちも分かる。が、今回はあえてヒロイン役がいるから生まれる舞台での胸キュンについて考えてみようと思う。

胸キュンを届ける「イケメンシリーズ」

女性向け恋愛ゲームを次々と世に送り出しているサイバードの「イケメンシリーズ」。通称「イケシリ」。

さまざまな趣向を凝らしたタイトルが揃っており、コンスタントに新作も発表されている。乙女ゲームの老舗といえるシリーズのひとつだ。やったことがあるという読者も多いだろう。

ゲーム内でユーザーはヒロインとして気になるイケメンとの甘く切ない日々を味わうことができる。味わうといっても、一朝一夕で甘い関係になれるわけではない。

ときにはミッションをこなしながら、少しずつ気になる彼との日々を積み重ね、信頼関係を築いて、その果てにようやく彼にとって特別な存在になるのだ。

過ごしたプロセスがあるからこそ、エンディングを迎えたときの感動はひとしおで、スチル画像が二次元だということを忘れてしまうくらい胸がときめくのだろう。

「イケシリ」続々舞台化中

女性に大人気の「イケシリ」は現在続々と舞台化されている。

最初に舞台化されたのは「イケメン王宮◆真夜中のシンデレラ」。通称「イケミュ」。ミュージカルとして制作され、アラン、ルイ、ゼノの3人のルートが用意された。

マルチエンディング方式をとっており、途中からルート分岐をしてストーリーが変わっていく。本来のゲームの仕様に近い演出になっていた。

これまで「イケシリ」をプレイしてきた原作ユーザーにとっては、このゲームに近い上演スタイルはとっつきやすかったかもしれない。この作品をきっかけに、以降の「イケシリ」舞台化作品を観に行くようになった人も多いのではないだろうか。

次に舞台化されたのは「イケメン戦国◆時をかける恋」。通称「戦ステ」。ここからは制作会社が変わり、1人のキャラクターにスポットを当てる形となった。

これまでに「真田幸村篇」「毛利元就篇」「織田信長篇」が上演され、2019年2月に最新作「上杉謙信篇」が上演された

タイトルごとにキャラクターを絞ったことで、メインキャラの内面がより深掘りされる内容となった。ゲームの冒頭で気になるキャラクターを選ぶと彼との出会いが発生するように、劇中でも運命的な出会いから描かれていく。

お互いに惹かれ合っていく様子がより丁寧に描かれることで、胸キュン度は格段にアップした。惹かれて、すれ違って、困難を2人で乗り越えていく。その先に待つエンディングを観る頃には、観客はヒロインに感情移入して大きな感動とときめきを得られるだろう。

次に舞台化された「イケメン革命◆アリスと恋の魔法」(通称「レボステ」)も同様に、1人のキャラをフューチャーするかたちで上演された。

いずれも原作ファンからは好評だ。胸キュンシーンはもちろんだが、ゲーム内ではどうしても時間を割いて描写できない戦闘シーンや仲間たちとの日常が目の前で繰り広げられる光景にハマる人が続出している。

「乙女ゲームって苦手だしヒロインに感情移入できないかも……」と不安に思う人もいるだろうが、安心してほしい。イケメンたちの絆や敵対関係など、人間ドラマとしても興味深い内容が描かれている。胸キュンものが苦手でも、十分に楽しめるだろう。

イケシリの楽しみ方は「徹底的に脳内変換する」こと

乙女ゲームを舞台化するとき、ヒロイン役がいてほしいかどうかは意見が分かれるところだ。

原作においてヒロインはユーザー自身である。だからこそ、自分以外のヒロインを受け入れられないという人もいるだろう。

たしかにステージ上のヒロインは、観客の選びたい選択肢とは違う行動をとったり、ゲームで想像していた性格とは違ったりと、「理想となんか違う」になりやすい存在だ。

苦手意識を持っている人が多いのも、とてもよく理解できる。(何を隠そう、筆者も当初はヒロインの存在はわりと苦手だったタイプである)

一方で、ヒロインの存在があるからこそ、ときめきが倍増しているとも考えられる。

恋愛は1人でするものではない。相手がいてはじめて成り立つものだ。ヒロインがそこにいるていで物語を進めることももちろん可能だが、それでは恋愛としてはどこか味気ないうえに表現の幅はぐっと狭められてしまうだろう。

ヒロインがこんなリアクションをしたら、彼はどんな顔をするのか。こういうシーンでは、どんな表情でヒロインを見つめているのか。

ヒロインの存在を通じて、二次元ではなく限りなく三次元に存在する攻略キャラクターたちを観ることができる。恋愛をメインテーマとして描くとき、ヒロイン役は観客の感情をステージ上に引き上げる役目を果たしてくれるのだ。

とはいえ、劇中でヒロインは彼と手をつないでデートをしたり、抱きしめられたり、熱烈な愛の告白をされたり……と恋愛イベントが盛りだくさん。ついついヒロインに嫉妬してしまうかもしれない。

舞台は観たいけど、嫉妬が邪魔をしてしまうという人は、あとはもう脳の特訓あるのみだ。

ヒロインを自分に置き換え、彼の言動が自分に向けられていると脳内変換するのだ。「何をふざけたことを……」と思うかもしれないが、筆者は大真面目である。

何秒間も女性と抱きしめあったまま愛の言葉を囁いている推しの姿なんて観たくない! となれば、観客にできるのは、自分に置き換えたりヒロインにピントを合わせないようにしたり、といった作戦しかない。

脳内変換がうまくいけば、自分と彼との甘い時間が成立する。それはそれで、乙女ゲーム原作の舞台らしいドキドキにあふれた楽しみ方といえるだろう。

新作「イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑」が新しい扉を開く!?

ここまでさんざんヒロインがいる「イケシリ」舞台化作品の魅力を語ってきたのだが、現在上演を控えている「イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑」の舞台化では、また新たな伝説が生まれるかもしれない。

というのも、この作品では主演をジャニーズJr.のMADEの4人が務めるのだ。

4人のキャラクターを主演に据えて物語はどう展開させるのか? というのも気になるし、なによりキャストのなかにヒロイン役が見当たらない。

原作で味わえる恋のときめきとはまた違ったベクトルのときめきを味わえる作品になるのだろうか?

「イケシリ」とジャニーズの融合、そして2.5次元舞台とリアルなアイドルたち。果たしてどんなテイストの作品に仕上がるのか。「イケシリ」ファンはドキドキしながら続報を待ってみよう。

 

「ときめきが最近足りない!」そんな人に全力でおすすめしたい「イケシリ」舞台化シリーズ。機会があれば、イケメンたちが所狭しと活躍する乙女のための夢のような世界を満喫してみてほしい。

WRITTER

双海 しお
 
							双海 しお
						

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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