交錯するそれぞれの正義と葛藤…　怒涛のアクションで描く舞台「双牙〜ソウガ〜」新炎開幕

舞台「双牙〜ソウガ〜」新炎が3月5日（金）、東京・シアター1010で開幕した。

トライフルエンターテインメントのオリジナル作品となる舞台「双牙」は、2009年に初演、その後も再演（2012年）、スピンオフ上演（2013年）、再々上演（2014年）を果たし、小説版が展開されるほどの人気シリーズ。今回は7年ぶりの上演となる。

主演を務めるのは猪野広樹と伊崎龍次郎の２人。かつて主演した町田慎吾が演出を担当、HAYATEによるパルクール演出などを取り入れている。

領土は小さいが豊かな経済力を持つ椎名家には、一騎当千の武将・オウカ（猪野広樹）と天才的な軍師・ツムギ（伊崎龍次郎）がいた。それぞれ“椎名の矛”、“椎名の盾”と呼ばれ、その名を他国に轟かせる存在だった。

最強の矛と盾を擁する椎名家だったが、天下統一を目前とするゲンシュウ（笠原紳司）軍に対し、財産を明け渡して軍門に下ることを選択する。だが、椎名家は莫大な財宝を秘密にしており、再びゲンシュウ軍を敵に回してしまう。

ツムギの策により難を逃れた椎名家だったが、オウカとツムギは離散。オウカは、囚われたツムギの姉・シズク（小泉萌香）を救い出すためゲンシュウ軍に属し、ツムギとは敵同士として再会することに…。

猪野が演じるオウカ。一人で戦況を覆すほどの兵で、豪放磊落な態度とは裏腹に、思いを寄せるツムギの姉・シズクを前にするとその本心を打ち明けられない憎めない一面も。猪野の身体能力を生かした力強くも美しい殺陣は圧巻の一言。

伊崎演じるツムギは椎名家とシズクを思う誠実な青年。剣術は不得手だが相当の切れ者で、相手の何手先も読んだ周到な戦略を練る。頭脳で戦うツムギだが、伊崎のアクションを見られる場面も用意されているので注目しよう。

オウカとツムギは、それぞれが抱く正義のために邁進していく。かつては手を取り合っていた2人が対峙したとき、どのような結末が待っているのか…。

さらに、普段は弱腰だがいざというときには誰よりも強い男に豹変するシュリノスケ（杉江大志）、芯が強く気高い女性・シズク（小泉萌香）、ゲンシュウ軍の軍師・シュゼン（櫻井圭登）、シンパチ（中村太郎）、コウエイ（田中尚輝）など、魅力的なキャラクターが多数登場。それぞれが抱える葛藤も丁寧に描写され、その行く末も見どころの一つと言えるだろう。