2021年2月11日(木・祝)、東京・池袋のMixalive TOKYO Theater Mixaで「青空ハイライト」〜from主役の椅子はオレの椅子が開幕した。
同作は、俳優育成オーディションバトル番組『主役の椅子はオレの椅子』(ABEMA)を勝ち抜いた11人の精鋭たちによるオリジナル舞台。脚本・演出は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が務める。
出演権を得るために、しのぎを削り、友情を深め合った彼ら。一体どのような舞台になっているのか。初日公演に先立ち行われたゲネプロをレポートする。
雲の上から飛び降りた3人の少年
書道教室の家に生まれた少年・八雲(演:三浦海里)は家族から出来損ないと言われ生きてきた。名門高校に入学したもののパッとしない日々を送っていたが、ある日、居眠り運転のトラックにはねられて命を落としてしまう。
八雲がついた先は“天国”への待合所だった。そこにいるのは天国に行くのを待つ人々。死因はさまざまだが、死を受け入れ、先導役の天使に従っている。
しかし自分は、このまま天国には行きたくない。まだやり残したことがある…。
八雲は、同じくこの世に未練を残す晴斗(演:飛葉大樹)と雨音(演:曽田陵介)とともに待合所を脱走して地上へ飛び降りた。
3人が落ちたのは、高校の地下にあるカビ臭い書道部の部室だった。そこにいたのは八雲の友人・満男(演:園村将司)。
「2週間後の全国書道コンクールで優勝しないと部は存続できない…」
暗い顔をした満男と書道部部長の海空(演:髙橋祐理)の話を聞いてしまった八雲は、魂だけになってしまった自分の存在を何とかして満男に知らせようとする。
また、八雲と同じく地上に思い残したことがある晴斗と雨音も自分たちの思いをかなえるために動き出す。
果たして彼らの思いは、残された地上の人々に届くのだろうか…。
個性の強い11人、若さ溢れる舞台に
若いパワーを直接感じる眩しい舞台だ。「舞台に立てる」「舞台で生きられる」という彼らの喜びがひしひしと伝わる。それは、この舞台に立つ権利をもぎ取るために、彼らが厳しいオーディションバトルを勝ち抜いてきた故だろう。
一人一人がその役を生きるために必死であり、その必死さが命を燃やすほどの気持ちとなって伝わってくる。
八雲とともに雲の上から飛び降りた2人だけではなく、地上に残された人々にも強い思いがある。
この物語は、思いを残したまま亡くなってしまった3人の少年たちの思いをかなえる話であると同時に、突如として大事な存在を失ってしまった“残された人々”をも救う話だと感じた。
登場人物一人一人に感情移入できるのはもちろん、彼らの人間関係にも切なさや熱さを感じる。
本作に出演している11人は、それぞれ強い個性を持っている。はじめは皆、形はさまざまだが「白一色」の舞台衣装。遠目に見ればひょっとしたら見分けがつかないのでは…? と不安に感じるかもしれないが、ストーリーが進むにつれ、その心配はなくなっていく。
体格はもちろんだが、性格が動きとなり、それぞれの個性を強く表現しているのだ。多人数で動きが入り乱れるダンスシーンでも推しを見失うことはないだろう。
天界の住人である、神様(演:新美直己)と天使(演:河島樹来)のキャラの濃さが非常に印象深いが、登場人物それぞれにストーリーがきちんと設定されているので、何度見てもその度に楽しめそうだ。
書道パフォーマンスを見たことはあるだろうか。1人で、また複数で、紙の上で踊るように筆を走らせ、一つの“書”を完成させる。いわゆるお手本に即した美しい文字ではなく、同じものは決して生まれない魂の画だ。
ゲネプロと初日である2月11日(木・祝)の東京は、目の奥に染みるほどの青空が広がっていた。この舞台を観終った後、青空を見るとほんの少しの切なさを感じる人もいるかもしれない。
若い彼らがぶつけてくる魂の書を、生の舞台はもちろん配信でもどうか見届けてほしい。
主演:三浦海里コメント
いよいよ本日、開幕しました! 僕たちキャスト11人は、去年の夏に行った合宿を経て、今回の舞台に立たせていただきます。普段の舞台とは違うスタートをきった舞台なので、皆の気合いも、いつもと一味違うなと思います。今回「書道」というテーマを掲げているので、その書道をどのように表現するのかも楽しみにしていただきたいです。11人でみせる青春群像劇なので、純粋に気楽に、楽しんで観ていただける作品になっていると思います! 僕たち11人と、演出の丸尾さんはじめスタッフも含めカンパニー全員で、素敵な作品をお届けできるよう頑張っていますので、ぜひ観に来てください! よろしくお願いします!
「ABEMA PPV ONLINE LIVE」生配信概要
■配信日時
2月21日(日)開場16:30、開演17:00
■配信期間
2月21日(日)16:30〜28日(日)23:59
■詳細
https://abema-ppv-onlinelive.abema.tv/posts/13182003
撮影:ケイヒカル
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