2019年12月19日(木)、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、最後の戦いとなる「全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編」が開幕した。
2015年2月の「青学(せいがく)vs不動峰」を始まりに、8代目・9代目・現青学(せいがく)と長い旅を続けてきた3rdシーズン。初日公演に先立ち、ゲネプロと囲み取材が行われた。
演出・使用曲などのネタバレはせずに、公演と囲み取材の様子をお届けする。
思い出せ越前! ライバルたちとの熱い戦いがリョーマの記憶を呼び覚ます
決勝戦シングルス1の試合開始時間が近づいても、まだリョーマ(阿久津仁愛)の記憶は戻らない。そんな時、かつてリョーマと熱戦を繰り広げたライバルたちが現れる。
ライバルたちとの試合で、リョーマは少しずつ記憶を取り戻していく。
「ライバル」は「敵」ではない。ともにテニスに青春を捧げ、ネットをはさんで全力をぶつけ合った仲間だ。彼らとの試合で3rdシーズンを振り返り、胸が熱くなる人も多いことだろう。
そして自分を取り戻したリョーマは、ついに立海の部長・幸村精市(立石俊樹)と対戦することとなる。
「勝ちたい」その気持ちの源は? 勝利、そしてテニスに対しての思い
リョーマや青学(せいがく)が全国大会優勝を目指すのと同じように、幸村、そして立海にも負けられない理由がある。常勝王者として君臨する彼らもまた、勝利に対して飢えているのだ。勝ちたくてたまらない。そんな気持ちが伝わってくる。
かつてのライバルたちと青学(せいがく)メンバーたちがリョーマを支えるように、幸村も立海の仲間たちに支えられている。ベンチにいる部員たちの表情にも注目してほしい。
負けることが許されない王者・立海の部長として、幸村はリョーマの前に立ちふさがる。触覚、視覚、聴覚。リョーマの五感は幸村のテニスによって失われていく。
苦しい、でも負けたくない。何も見えない暗闇の中で、リョーマが見つけたものとは――?
リョーマは、全国立海前編・後編公演でさまざまな顔を見せてくれる。あどけない表情、少し怯えた顔、不安げな目、そしてテニスが大好きな中学1年生の少年らしい笑顔。
多くの人の中にある越前リョーマのイメージは「クールで生意気なテニスの天才少年」だろう。それも間違いではないが、リョーマは感情豊かで負けず嫌いで、常に勝利に対して貪欲だ。
なぜリョーマがテニスを始めたのか、テニスを続けているのか、それはこの公演に出て来るひとことに集約される。
「テニスって楽しいじゃん」
リョーマにとって、テニスは最高に楽しいものなのだ。そして、その単純とも言えるひとことは、1999年から2008年まで連載された原作のファン、テニミュのファンに対しても同じことが言える。
テニスの王子様、そしてテニミュは楽しい。
囲み会見・キャストコメント
ゲネプロ後に行われた囲み取材では、キャストたちから公演にかける意気込みと公演の見どころに関してコメントが寄せられた。
登壇者は阿久津仁愛(越前リョーマ役)、青木 瞭(手塚国光役)、立石俊樹(幸村精市役)、三浦宏規(跡部景吾役)の4名。
阿久津仁愛(越前リョーマ役)
僕は1年半ぶりくらいの試合になります。前回の公演では待機していることが多かったので、今回はずっと舞台上にいられることがとても嬉しいです。58公演、リョーマも笑顔で楽しんでテニスをしているので、僕自身も楽しんで頑張っていきたいです。
見どころは……全部です(笑)。苦しんでいる姿も、楽しんでいる姿も。
ライバルズの試合は、僕自身が本公演で戦ってきた試合もあり、8代目の古田さんが演じられていた戦いもあります。そこは、自分なりにすごく研究して試合を作ってきました。
シングルス1の試合、(立石)俊くんは初めての試合なのにオーラがすごいです。負けられないという気持ちで挑んでいきます。
前編の千秋楽で「テニミュの夏はまだまだ終わりません」と言ったのですが、その通りです。冬ですが夏なんです。今までにプラスして、今回の公演に熱量を向けます。
東京凱旋公演まで、どうぞよろしくお願い致します。
青木 瞭(手塚国光役)
3rdシーズン最後の本公演となります。青学11人で仁愛を全力で支えていきたいと思っています。
僕の目指している青学像は、みんなで一人を支えるというものです。それによってチームの絆、団結力が強まります。そういう青学をこれまで目指してやってきたので、これからも支え続けようと思います。
前編では青学曲が無かったのですが、後編では青学曲があります。この12人で歌って踊れるのも最後だという意気込みを、皆で前面に押し出しています。強く明るく、青学らしくできたのではないかと思っています。
リョーマがどういう風に記憶を取り戻していくのか。パズルを組み合わせるように大事なシーンがたくさんあります。そういった点にもぜひ注目してください。
今回が最後の頂上決戦です。バチバチした、とても楽しくて熱い試合をお届けします。皆さまぜひご来場ください。
立石俊樹(幸村精市役)
3rdシーズンラスト、最終決戦です。越前リョーマと幸村精市の試合を演じられる、それが決まった時からとても嬉しかったので、命がけで向き合います。
そして、今回は僕自身にとっても初めての試合です。関東大会立海公演から約3年。やっと初試合、満を持してです。思い切りリョーマを倒しに行きたいと思っています。
絶対王者立海の部長とルーキーの越前リョーマ。「テニスを楽しむテニス」のリョーマvs負けてはならない環境でずっと戦ってきた幸村の戦いです。体だけではなく精神的な戦いも繰り広げ
られるので、そういうドラマチックな部分も伝えたいです。
12月でとても寒いのですが、劇場は夏真っ只中です。熱い戦いを繰り広げて、心にしっかりと来るものを届けたいと思っています。今回は、僕がとても歌いたかった曲もたくさん詰め込まれています。
全58公演、しっかり毎回向き合って誠心誠意ぶつかります。皆さま、お待ちしております。
三浦宏規(跡部景吾役)
跡部としてまた帰って来られたことを本当に嬉しく思っています。ライバルズということで氷帝からは僕と日吉の2人だけですが、他の仲間たちの気持ちも背負って、一緒に仁愛を支えていけたらいいなと思っています。
関東大会氷帝公演から全国大会立海公演の最後まで演じられたことを誇りにできるように、最後まで頑張っていきます。
見どころはやはり、ライバルズが全員集まったシーンです。まったく色の違うチームから一人ずつ出てきて、その人たちが一緒になってリョーマの記憶を取り戻させる。ライバルズじゃないと見られないシーンです。
ライバルズは今回初めて集まったのですが、絆が強いです。お揃いのパーカーや帽子をみんなで作って、それを着て稽古したりもしました。
すごく仲が良くて、みんなで頑張るという点では青学や立海にも負けていません。熱さで最後まで駆け抜けたいと思っています。
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編は、2019年12月19日(木)から2020年2月16日(日)まで、東京・大阪・宮城・愛知・福岡で上演される。
また、大千秋楽はライブビューイングの開催が決定している。2014年から続いてきたテニミュ3rdシーズン最後の戦い、そしてここが原点となり羽ばたいていく彼らの姿を、その目と胸に焼き付けてほしい。
撮影:K.Hikaru
広告
広告