2019年11月30日、浅草花劇場で、舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇〜制・限・解・除(リミットブレイカー)〜Blu-ray&DVD発売記念イベントが開催された。
イベントには本作品に出演した糠信泰州(小野田坂道役)、百瀬朔(鳴子章吉役)、鯨井康介(手嶋純太役)、原嶋元久(鏑木一差役)、河原田巧也(泉田塔一郎役)、富永勇也(葦木場拓斗役)、杉山真宏(真波山岳役)、阿部大地(水田信行役)、秋葉友佑(東堂尽八役)の9名が登壇し、ファンと共に5月の公演を振り返ってトークやゲームを楽しんだ。
今回はリリースイベント2部の模様をお届けする。
公演中の裏話もたっぷりトークコーナー
イベントはまずトークコーナーからスタート。事前にキャストに対して行われたアンケートの回答が紹介され、それについてトークをするという内容となっていた。
1つ目のお題は「いつも袖で見ていた好きなシーン」ということで、それぞれのキャストが自分の出演していないが好きなシーンについてトーク。座長である糠信は「新開悠人(飯山裕太)がゴール前でスプリントに目覚めるシーン」を挙げた。このシーンのかっこよさに触発されてこのあとのシーンを走りきったとのことだ。このシーンを舞台上で見ていた富永も「日に日にジャンプ力が上がる」と悠人を演じた飯山へ称賛の声を送った。
百瀬は打って変わって「河原田のたーちゃんがわちゃわちゃしてるシーン」と、ペダステお馴染みの日替わりシーンに言及。舞台袖ではなく一緒に出演しているシーンで、オチもわかっているはずなのに、毎回面白いと語った。
富永は「ダイジェストの手嶋と古賀の合宿レース。手嶋と真波の山岳賞争い」を挙げた。ペダステの熱いところが詰まっているという富永の説明には舞台上のキャスト一同も大きく頷いていた。秋葉は、真波を演じる杉山が舞台袖からステージ上に出る前に「絶対見ててくださいよ」と念押ししてきたという裏話を披露。東堂を演じる秋葉が見ていてくれることが演じる上でのパワーになったとのことだった。
続いて原嶋が選んだのは「冒頭の回想シーン終わりの古賀さんの芝居」。ダイジェストが終わり、他のキャストが着替えている間を繋ぐように古賀(本川翔太)が一人芝居をするというシーンだ。キャスト陣も毎公演楽しみにしていたようで、着替え終わって出られるはずのだが、このシーンをもっと見たくてなかなか出なかったという裏話が明かされた。
河原田は「葦木場のクラシックが鳴ってから山岳賞を取りに行くシーン」について熱く語った。「ペダステという作品は、熱く熱くというのが前提にあるけれども、葦木場の盛り上がるシーンは意外と静か」と葦木場の静かな情熱に深く感じ入ったようだ。レースを共に戦った水田は「無言の圧力(プレッシャー)ってあるんだなと思うくらい、みんなが後ろに来たとき逃げないと殺されると感じた」と公演を振り返った。
他にも「今泉と鳴子のハイタッチ」や「ダイジェストで鏑木がペダルを踏む音と演技が絡み合ったシーン」と好きなシーンの話題は尽きず、ステージ上のキャストのトークもヒートアップしていった。
2つ目のお題は「公演期間中の裏話」ということで、稽古中や公演中のキャストの様子が語られた。杉山は大阪公演で猪野広樹(今泉俊輔役)・百瀬の部屋でゲーム大会が行われていたことを紹介。取り憑かれたようにやっていたそうで、向かいの部屋にいた鯨井は「ゲームをしていた部屋がうるさい」とその盛り上がりっぷりを証言した。
鯨井は八島諒(青八木一役)から「今回、康介さんとの仲をさらに深めることができました」と告げられたことを挙げ、「なんて可愛いんだろうこの子は」となったそう。6作品を共に作り上げてきた八島について「弟分だと思ってたんだけど、今は倅(せがれ)って呼んでます」と仲の良さをアピールした。
阿部は「全員が走っている人のサポートをやっていく素晴らしい座組み」と助け合うカンパニーの良さを語った。物語の上では競い合う総北高校と京都伏見高校だが、舞台裏では総北メンバーが阿部の足をマッサージをしてくれたり、扇風機の風を当ててくれたりしていたというエピソードを披露。「サポートに回れる時があったら全力でやってあげよう」と思ったそうだ。
裏話はイベントに出演していないキャストについても及び、秋葉は巻島裕介役の栁川瑠衣が本番期間が進むにつれて「クハッ」しか言わなくなったという裏話を明かした。役のことが大好きで、笑い方も巻島らしくなっていったと、栁川がどんどんキャラクターに入り込んで行った様子がキャスト陣の口から語られた。
キャストと役柄のギャップがいちばん大きいのは誰? Q&Aコーナー
続いてキャストに対して会場のファンから募集した質問に答えるQ&Aのコーナーがスタート。
最初の質問は秋葉に対する「真波より東堂の方がモテる、かっこいいと思うところがあったら教えてください」だった。秋葉は「大人の魅力ですかね」と即答。余裕があるようなところがモテるのではと自身が演じた東堂の魅力を分析した。
続いては「真波君といえば天使のイメージですが、杉山君自身は天使と悪魔どちらですか?」という杉山に対する質問。隣に座る富永から「悪魔だよね」という声が飛ぶ中、杉山自身も自分のことを「悪魔」だと評した。
百瀬に対しては「鳴子の関西弁の台詞は朔くんの関西弁とそんなに違わないのでしょうか。それとも大阪と兵庫で違って大変な部分もあったのでしょうか」という質問が読み上げられた。「(自分のことを)ワイとか普通言わないでしょ」と鳴子の関西弁にツッコミを入れつつ、自分が演じる時よりもタケさん(御堂筋翔役の林野健志)から京都弁について聞かれた時の方が大変だったと振り返った。
「実際の原嶋さんはお兄ちゃん気質のイメージですが、4人兄弟の末っ子で唯一の1年生メンバーの鏑木を演じるにあたって大変だったことはなんですか?」という質問に、原嶋は「ないですね」と即答。年を重ねるに連れてキャラクターは周りが作ってくれると気づいたことを語り、苦労したことはないと断言した原嶋にキャスト陣も感心したようだった。
富永へは「当初の公演と比べて変化したことはありますか?」という質問が読み上げられた。「常にその時の自分の全力でやっている」という素直な気持ちと「その全力が常に更新されていればいい」より良い姿を目指す真摯な面が垣間見えた。
座長の糠信へは「総北メンバーの中で一番第一印象とギャップがあったメンバーは?」という質問。糠信は古賀公貴役の本川翔太を挙げると、「役と同じく真面目で固い人だと思っていたが、想像以上に気さくな人だった」と語った。「古賀っぽくないな」という糠信の発言にキャスト陣から笑いが溢れ、キャラクターと役者のギャップが大きいという点には全員頷いていた。
かっこいいコメントをしたいと意気込んだ鯨井には「本編だけではなく日替わりでもバトルが生じていましたが、あれは何があったのですか?」という質問が。思わず会場からも笑いが起こった。かっこいいコメントをすることには断念した鯨井だったが、やる気満々の八島がやったことと、公演の裏話を披露した。
「東堂様ファンの女性の中で彼女にしたいのは誰?」という質問に対して、秋葉は「ばしざきさん本当に素敵だな」と兼崎健太郎(銅橋正清役)の演じた女性を挙げた。秋葉が大福を買っていこうとしたところ、兼崎も同じく大福を買ってきており「どっちも買ってきちゃったね」という言葉にきゅんしたというエピソードには、周りのキャストから「それは兼ちゃんが好きなんじゃない?」というツッコミが入った。
原嶋は岸神小鞠役の天羽尚吾の名を挙げた。歩く姿が可愛く「あの時だけ視力落ちます」と熱くあもちゃん(天羽尚吾)の良さを語った。
「初めて水田君のウィッグをつけたとき、どう思いましたか?」という阿部への質問には、「サーファーに見えた」という意外な回答。撮影前に江ノ島に行き、少し日に焼けてしまったせいで自転車というよりサーフィンをしてそうだったとはにかみながら答えた。
「テンション制限解除ゲーム」で舞台上も客席も大盛り上がり
続いては「テンション制限解除ゲーム」と題したゲームへ。指定された台詞を、前の人よりもテンションを高くして順番に言っていくというゲームで、テンションが前の人よりも低いと判定された場合はアウト。罰ゲームが待っている。くじ引きでトップバッターは河原田と決まり、ゲームスタート。
最初のお題は「東堂さまー!指さすやつやって〜!」という公演おなじみの台詞。一発目からやや高めのテンションでスタート。続く富永、杉山もそれを超えるテンションで乗り切っていく。秋葉は自身が着ている膝が大きく開いたダメージジーンズも使って、”ジーンズの膝が破れるほどのテンション”を表現。会場からは大きな笑いが起こった。
続く阿部も腿まで服をたくし上げてさらに高いテンションをアピール。5人目の原嶋もかなりのハイテンションだったが、鯨井が審議の声を挙げ、多数決でセーフかアウトかを決めることに。「(次の)鯨井さんのが見たいでしょ?」という原嶋の言葉に心が揺れるキャスト陣だったが、多数決の結果でアウトとなった。
罰ゲームはハイテンションモノマネということで、原嶋は今泉の「外れろ、外れろ、外れろ、外れろリミッター!」という台詞をモノマネすることに。原嶋の熱演に会場からは拍手が起こった。
2回戦は鯨井からスタート。お題は「景色が良かったんでな!ティーブレイクしてたんだよ!」という手嶋の台詞。鯨井、百瀬、糠信とテンションを挙げていく中で、順序が一回りし河原田の番に。ここでテンションについて審議の声が上がり、箱根学園(ハコガク)メンバー全員で罰ゲームをすることになった。
罰ゲームのお題は本公演でもおなじみの自動販売機と言うことに。糠信が飲み物を買いに行くと、それぞれの自動販売機がハイテンションで面白い商品名を言うというシチュエーションが設定された。4人によるモノマネに会場は笑い声に包まれた。
最新作への意気込みも十分
イベント終盤では14作目となる次回公演について告知された。次回作、舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇FINAL~POWER OF BIKE~では、とうとう3日目のゴール、新インターハイ編の結末が描かれる。
糠信は「それぞれのキャストが今まで公演を通して培ってきた熱い思いを全力で、この舞台で皆さんに届けたいと思います」と意気込みを語った。
最後にキャストからファンへ一言ずつメッセージが送られた。河原田は「キャスト一同、スタッフ一同とても気合いの入った作品になると思います」とコメント。原嶋も「前作を超えてお客さんの期待も超えていきたい」とインターハイの最後への想いを語った。
百瀬は猪野から預かったというコメントを代読。猪野から舞台上手端の人へ一発芸のリクエストがあり、舞台上手端に座っていた秋葉は最後に一発芸を披露し、会場を沸かせた。
糠信は、「自転車に対する思いってキャラクター全員違っていて、例えば去年の雪辱を果たしたいとか、自転車を通してみんなと繋がりたいとか、それぞれが違う想いを熱く抱えています。それを形にして汗水垂らして走る。この気持ちのぶつかり合いっていうのがこの舞台では本当に熱くて皆さんにも伝わっていると思います。」とペダステの魅力を振り返った。
新作「舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇FINAL~POWER OF BIKE~」、は2020年2月21日(金)より天王洲 銀河劇場で東京公演が、2月27日(木)よりメルパルクホール大阪で大阪公演が開幕する。12月2日よりローソンチケットプレリクエスト先行および銀河劇場先行(東京公演のみ)がスタートするので、新インターハイ篇の結末を見に是非劇場へと足を運んで欲しい。
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