2019年9月13日(金) 、埼玉県でのプレビュー公演から上演がスタートした舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』。
先日「2.5ジゲン!!」では、「ウルトラマンフェスティバル2019」にて上演された舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』スペシャルナイトの様子をお届けした。
なにが正義で、悪なのかーー人間ドラマで描くウルトラマンのダークヒーロー舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜』イベントレポート
そして、今回は満を持しての本編レポートをお届け!
スペシャルナイトを経て本公演を観た筆者の、各キャラクターの見どころやプレビュー公演での会見コメントなどをまとめて紹介しよう。
“悪”を背負いし5人の物語、開幕
▲(Photo by Gekko)
今作の主人公となる5人は、ダークヒーローとして、かつてどこかの世界(作品)で“悪”とされた者たちだ。
ウルトラマンベリアル(校條拳太朗)、イーヴィルティガ(友常勇気)、ダークザギ(古谷大和)、カミーラ(相楽伊織)は惑星テリオで目を覚ます。
目覚める彼らを高みの見物とばかりに興味深く眺めているのは、惑星テリオの研究所・所長のヒュース・アーディ(佐川大樹)。
さらにもうひとり、“悪の者”であるはずのジャグラス・ジャグラー(谷佳樹)の姿がそこにはあった。
ジャグラス・ジャグラーとヒュースの、お互いに腹の内を探り合いながら、ニヤリと口の端を歪ませる表情が印象的だ。
ヒュースの号令でこの世に再び現れたウルトラマンベリアルたちは、突然目覚めたこと、そして姿形がまるで人間のようになってしまっていることに戸惑う。
おぼろげなかつての記憶をたどりながら、自身が“悪”とされた存在であったことを思い出していく4人。
主人公が“悪”と定義されるところからスタートする物語はそう多くない。
これこそが、この「DARKNESS HEELS」というプロジェクトの面白みなのだろう。ステージのうえで熱く描かれる序章を観ながら、俄然、悪がたどりつく結末への期待が高まっていったのを覚えている。
ダークヒーローたちの見どころを紹介!
人間態として目覚めることになる彼らは、その姿、さらに力を抑えられているために本来の力を十分に発揮することができない。
冒頭の惑星テリオでの戦闘シーンでは、不慣れな体に戸惑いどこかギクシャクとした戦い方をしていたのが印象的だ。
力のコントロールが思うようにできていない様子なのだが、これがストーリーが進むにつれ次第にスムーズな動きになっていくのも見どころのひとつだろう。
▲(Photo by Gekko)
とくに、より感覚的で動物的なところがあるダークザギはこの傾向が顕著だった。
思う存分に力が出せないもどかしさと、破壊しつくしたいのにそれができない苛立ち。それが荒々しいアクションでうまく表現されていた。
古谷の全身で表現される、ダークザギの不器用にさえみえる破壊への信念を感じてみてほしい。
▲(Photo by Gekko)
一方で、自らが神であるべき存在だと信じるイーヴィルティガはまったく違う戦闘スタイルだ。
基本的にはひょうひょうとした言動を見せるが、ある瞬間、音もなくスイッチが切り替わり容赦のない“悪”が顔を出す。
自分がすべての頂点に立つべきという自我が彼の力を引き出し、彼を突き動かすのだろうか。
ジャグラス・ジャグラーと同じく、底の見えない“闇”を感じられるキャラクターとしてとても魅力的であった。
ぜひ友常のスイッチの切り替えに注目してみてほしい。
▲(Photo by Gekko)
ジャグラス・ジャグラーは、4人とは明確に別の目的を持って行動している謎多き人物である。
彼の真の目論見を推理しながら観るのもひとつの楽しみ方だろう。
谷の殺陣が好き、という人にとっては、アクションシーンが多く非常に楽しめる作品となっている。
▲(Photo by Gekko)
そして、ウルトラマンベリアル。彼はもともとは“光”の側にいた存在だ。そこから大きな嫉妬を抱き、“闇”へと堕ちた。
それだけに抱えている絶望の大きさもとても大きいのだろう。校條の力強い瞳から発せられるオーラからは、複雑な感情を見て取ることができた。
観客は、悪と正義を見極めることができるのか? 大きなテーマを熱く描く意欲作
▲(Photo by Gekko)
本作の大きな見どころのひとつは、“悪とはなにか?”というテーマだろう。
光を軸とした物語で、彼らは悪と位置づけられ攻撃の対象となってきた。
しかし、そのとき悪であったものは一生悪のままなのだろうか。たまたま彼らが身をおいた境遇が、悲しいことに彼らを悪に追いやってしまっただけではないのだろうか。
惑星テリオを飛び出し、惑星アバンやO-50に降り立った彼らは、人間の体で様々な人に出会い、感情に触れていくことになる。
そして、どこか少しずつ変わっていく様子をみせるウルトラマンベリアル、イーヴィルティガ、ダークザギ、カミーラと、それを眺めひとり笑むジャグラス・ジャグラー。
“悪”と呼ばれる彼らが、新たな出会いのなかでどんな“光”を、そして“正義”を見出したのか。
その結末は劇場や、2020年1月24日(金)発売のDVDで確かめてみてほしい。
プレビュー公演囲み会見コメント
▲(Photo by Gekko)
最後に、2019年9月13日(金) に上演されたプレビュー公演での囲み会見のコメントを紹介しよう。
ーー意気込みをお願いします。
校條拳太朗(ウルトラマンベリアル役)「元々はウルトラマンで光の戦士だったのですが、力欲しさに、その欲望に溺れてしまい闇落ちしたキャラクターです。
“悪役”には面倒臭いところがないんです。本能のまま。僕たちのキャラクターは自身を“悪”とは思ってなく、それぞれの信念や正義に基づいているんです。
そんなところが気持ちよく、楽しく演じています!」
谷 佳樹(ジャグラス・ジャグラー役)「物語の中では他の4人とは少し異質な存在です。彼らは復活するところから物語が始まりますが、僕はその少し前から存在しています。
若干ストーリーテラー的な要素もあり、不思議な役です。
普段“陽”の役が多いのですが、その全てが経験となり、今“隠”のキャラクターを思いっきり演じられていると思います。
誰しもが持っている二面性というか影の部分も表現されているので、意外な共通点が見つかるかもしれません。」
友常勇気(イーヴィルティガ役)「ウルトラマンティガに似ているところからこの名がついたことに納得していない、飄々としたところもあるような役です。
本編中でその辺りは細かく描かれていますので、ご注目ください。
今回はメイクも“ダーク”な感じに仕上がっています。色味などでもかなり“悪”を表現しています。」
古谷大和(ダークザギ役)「ダークザギはとにかく破壊します。以上です。
僕はいつもお芝居の中で意外性を大切にしています。“正義”から見ると“悪”というだけでかなりの意外性がありますが、そのギャップを楽しんでいます。」
相楽伊織(カミーラ役)「ティガを愛しすぎたが故に“闇”に落ちてしまった愛憎の戦士です。
私自身が今回初舞台なので、声の出し方から練習し、“カミーラ”になりきるよう頑張っています。
普段は笑顔でいることが多いのですが、カミーラは笑わないので、苦労しました。今はその“悪役”を楽しめるようになりました!新たな一面にご注目ください!」
最後にプレビュー公演のダイジェスト映像が公開中だ。こちらもあわせて楽しんでほしい。
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